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レッスン 2: コンポーネント・プロセスを作成する

コンポーネント・プロセスは、コンポーネントに対して作用するユーザー定義タスクです。

コンポーネント・プロセスは、ステップ と呼ばれる一連のコマンドです。 ステップは、ファイルを操作したり、システム・コマンドを実行したり、プロパティーを設定したり、情報を他のステップに渡したり、プログラムを実行したりできます。 ステップは、自動化プラグイン によって提供されます。 プロセスは、ドラッグ・アンド・ドロップのプロセス・エディターによって設計されます。この場合、プラグイン・ステップを設計エディターにドラッグして、そのつど構成します。 いくつかのプラグインが製品に付属しており、また多種多様なソフトウェアによって機能するそれ以外のプラグインが使用可能です。 このチュートリアルでは、製品に付随した 「ファイル・ユーティリティー」「IBM UrbanCode Deploy」という 2 つのプラグインを使用します。 コンポーネントにはプロセスをいくつでも定義できますが、最低 1 つは必要です。

このレッスンでは、helloWorld コンポーネントのデプロイメント・プロセスを作成します。 後で、コンポーネント・プロセスを使用してコンポーネントをデプロイするアプリケーション・プロセスを作成します。

コンポーネント・プロセスを作成するには、以下のようにします。

  1. 以下の手順でコンポーネント・プロセスを定義します。
    1. 「コンポーネント: helloWorld」ページで、「プロセス」タブをクリックし、次に「新規プロセスの作成」をクリックします。
    2. 「新規プロセスの作成」ウィンドウで、「名前」フィールドに helloProcess と入力します。
    3. 「プロセス・タイプ」リストで、「デプロイメント」を選択します。 このリストには、コンポーネントをアンインストールまたは構成する、プロセス用の他のオプションがあります。
    4. 他のフィールドにはデフォルト値を受け入れて、「保存」をクリックします。 「デフォルトの作業ディレクトリー」フィールドは、エージェントが成果物のダウンロードや一時ファイルの作成などの作業を行うために使用するフォルダーになります。 このチュートリアルの場合、値は \agent_install\var\work\helloWorld になります。
    プロセスは「プロセス」ペインにリストされます。
  2. プロセスのリストから「helloProcess」を選択します。 プロセスがプロセス・エディターで開きます。 プロセス・エディターは、プラグインおよびステップをリストします。 必須ステップの「開始」「終了」は、プロセスの始めと終わりを表し、設計エリアに自動的に入れられます。 プロセスにステップを追加するには、ステップを設計エリアにドラッグして、「開始」ステップと「終了」ステップの間に配置します。
    プロセス設計エディター
  3. 作業ディレクトリーからファイルを除去するステップを追加します。 エージェントが必ず最新のファイルで作業するように、前の作業で残っているファイルを除去します。
    1. 「使用可能なプラグイン・ステップ」リストで、「ユーティリティー」 > 「ファイル・ユーティリティー」と展開します。
    2. 「ファイルとディレクトリーの削除 (Delete Files and Directories)」ステップをクリックして、プロセス・エディターにドラッグします。 「プロパティーの編集」ウィンドウが開き、ステップのプロパティーが表示されます。 これらのプロパティーのいくつかはステップ固有であり、その他はすべてのステップに共通です。
    3. 「名前」フィールドに Clean work space などの名前を指定します。
    4. 「ベース・ディレクトリー」フィールドに、単一ピリオド (.) を指定します。. この値は、エージェントの作業ディレクトリーとして指定したフォルダーに解決されます。
    5. 「組み込み」フィールドに、アスタリスク (*) を指定します。 このパラメーターは、作業ディレクトリー内のすべてのファイルを除去するようにエージェントに指示します。
    6. 他のプロパティーにはデフォルト値を受け入れて、「保存」をクリックします。
    新しいステップが設計エリアに表示されます。 各ステップには、その右上隅に 2 つのアイコンがあります。 「編集」アイコン をクリックして、 ステップ・プロパティーを変更できる「プロパティーの編集」ウィンドウを再オープンします。 ステップおよびそのステップに対する接続を削除するには、X アイコン をクリックします。
    1 つのステップを持つ新しいプロセス
  4. 「開始」ステップを「ワークスペースのクリーニング (Clean work space)」ステップに接続します。「開始」から始まって、ステップ間の接続によってプロセス・フローが決定されます。 接続は、ステップを配置するときまたは配置した後で定義することができます。
    1. マウスを「開始」の上に置きます。 以下の図に示すように、矢印アイコンが表示されます。 このアイコンを使用して、ステップ間を接続します。
      矢印アイコン
    2. 矢印アイコンをクリックして、「ワークスペースのクリーニング (Clean work space)」ステップの上にドラッグします。 接続矢印が、以下の図に示すように、2 つのステップをリンクします。 矢印の方向は、プロセス・フローの方向を定義します。
      最初の 2 つのステップを接続する矢印
  5. 最新のバージョンのコンポーネント成果物を CodeStation リポジトリーからダウンロードするステップを追加します。 「成果物のダウンロード (Download Artifacts)」ステップは、ほとんどのデプロイメント・タイプ・プロセスで使用されます。 このステップは、コンポーネント成果物の指定したバージョンを、エージェントの最近にクリーニングされた作業ディレクトリーにダウンロードします。 プロセスを実行するときには、使用するコンポーネント成果物のバージョンを指定します。
    1. 「使用可能なプラグイン・ステップ」の下で、「リポジトリー」 > 「成果物」 > 「IBM UrbanCode Deploy」と展開して、「成果物のダウンロード (Download Artifacts)」ステップをプロセス・エディターにドラッグします。
    2. 「プロパティーの編集」ウィンドウで、デフォルト値を受け入れ、「保存」をクリックします。
    3. 「ワークスペースのクリーニング (Clean work space)」ステップから「成果物のダウンロード (Download Artifacts)」ステップへの接続を描画します。 「開始」からの接続を除いて、各接続は条件フラグ を持っています。 条件フラグは、接続をたどる前に必要になるプロセス状況を表します。 接続がたどられるのは、起点のステップが完了し、指定した条件が満たされた場合のみです。 考えられる条件は success、failure、または both です。 デフォルトの条件は success で、以下の図に示すように、緑のチェック・マークによって表わされます。 この例では、「成果物のダウンロード (Download Artifacts)」ステップが開始されるのは、「ワークスペースのクリーニング (Clean work space)」ステップが success 条件で完了した場合のみです。 アイコンをクリックすると、条件フラグを変更できます。
      条件フラグ
  6. 圧縮ファイルを作成するステップを追加します。 この例では、圧縮ファイルには前のステップでダウンロードされたファイルが入っています。
    1. 「ユーティリティー」 > 「ファイル・ユーティリティー」と展開して、「.zip ファイルの作成 (Create .zip file)」ステップをプロセス・エディターにドラッグします。
    2. 「プロパティーの編集」ウィンドウで、名前 Compress artifacts を指定します。
    3. 「.zip ファイル名」フィールドに helloWorld.zip と入力します。
    4. 「ベース・ディレクトリー」フィールドに、単一ピリオド (.) を入力します。 圧縮ファイルがエージェントの作業ディレクトリーに作成されます。
      注: エージェントの作業ディレクトリーの代わりに最終宛先ディレクトリーを指定した場合、以下の手順は不要になります。 ただし、以下の手順では、ファイルの移動に加えて、前に作成したプロパティーの使用法を示します。
    5. 「組み込み」フィールドにアスタリスク (*) を入力します。 圧縮ファイルにはリポジトリーからダウンロードされたすべてのファイルが入っています。
    6. 他のフィールドにはデフォルト値を受け入れて、「保存」をクリックします。
    7. 「成果物のダウンロード (Download Artifacts)」ステップから「成果物の圧縮 (Compress artifacts)」ステップへの接続を描画します。
  7. 成果物を移動するステップを追加します。 このステップでは、圧縮ファイルがターゲット・フォルダーに移動されます。 簡潔にするために、このチュートリアルではファイルを \helloWorld フォルダー内のディレクトリーに移動します。
    1. 「ユーティリティー」 > 「ファイル・ユーティリティー」と展開して、「ディレクトリーの移動 (Move Directory)」ステップをプロセス・エディターにドラッグします。
    2. 「プロパティーの編集」ウィンドウで、名前 Deploy artifacts を指定します。
    3. 「ソース・ディレクトリー」フィールドに、単一ピリオド (.) を入力します。
    4. 「宛先ディレクトリー」フィールドに値 ${p:helloHome}/target を入力します。 ${p:helloHome} 値は、前に作成したプロパティーを指します。 /target ディレクトリーは、プロパティー値に対して相対的なものです。 例えば、プロパティー値を /home/user1/artifacts/shared/helloWorld として定義した場合、ファイルは /home/user1/artifacts/shared/helloWorld/target に移動されます。 プロパティーの使用については、プロパティーを参照してください。
    5. 「インクルード・ファイル」フィールドに *.zip と入力します。
    6. 他のフィールドにはデフォルト値を受け入れて、「保存」をクリックします。
  8. 「ツール」の下の「保存」 アイコンをクリックしてプロセスを保存します。
helloWorld コンポーネントの完成したプロセスは、以下の図のようになります。
helloWorld コンポーネントの完成したプロセス

レッスン・チェックポイント

このレッスンでは、helloWorld コンポーネントをデプロイするコンポーネント・プロセスを作成しました。
コンポーネント・プロセスを使用すると、コンポーネントに対する多くのタスクを自動化できます。このチュートリアルの後の方では、コンポーネントをデプロイするアプリケーション・プロセスを作成します。
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