ステートチャートによるメッセージ処理は、複数のステップに分割されます。各ステップにおいて、処理のためにメッセージがステートチャートにディスパッチされます。
メッセージがディスパッチされると、メッセージによってトリガーされた遷移が有効になります。各直交コンポーネントは、メッセージ・ディスパッチの結果として、1 つだけの遷移を始動できます。相反する遷移は、同じステップでは始動しません。
選択された遷移の始動の順序は定義されていません。この順序は、ステートチャートでは明示的に定義されていない独自の仕組みに基づいています。
各コンポーネントは、メッセージの結果として 1 つの遷移を実行できます。すべてのコンポーネントが遷移の実行を完了すると、メッセージは消費されたことになり、そのステップは終了します。
メッセージに応答した後で、ステートチャートが、状態の一部が外向きのアクティブなヌル遷移を持つ状態構成 (一時的構成) に到達する場合があります。 この場合、ステートチャートが安定した状態構成 (遷移がもうアクティブでない) に到達するまで、追加の手順を実行する必要があります。 ヌル遷移は、ヌル・イベントによってトリガーされます。このヌル・イベントは、ステートチャートが一時的構成に到達した場合に必ずステートチャートにディスパッチされるイベントです。ヌル・イベントは、一連のステップにおいて、安定した構成に到達するまでディスパッチされます。安定した構成に到達すると、メッセージに対する反応は完了し、制御はディスパッチャーに戻り、新しいメッセージをディスパッチできるようになります。