同期規則の計画

同期規則を作成する前に、Rational Team Concert™ワークアイテムと同期化する ClearQuest® レコード・タイプを分析し、レコード・タイプ内のフィールドをワークアイテム内のプロパティーにマッピングする計画を作成する必要があります。
このタスクについて
同期規則を計画および作成する人と ClearQuest スキーマを作成または保守する人が同一人物であることが望まれます。また、Jazz™ の基本を理解し、プロジェクト・エリアおよびワークアイテムについての知識を持っている必要があります。

すべてのレコード・タイプをワークアイテム・タイプにマップするのは、実際的ではありません。この 2 つのタイプは、目的、必須フィールド、および状態遷移モデルという点で類似しています。Jazz プロジェクト・エリアに接続するユーザー・データベースのスキーマに定義されているレコード・タイプをすべて検討した上で、どのレコード・タイプを同期の対象にしたらよいか指定してください。

「ClearQuest Connector のセットアップ」ウィザードを使用して初期バージョンの同期規則を作成できますが、追加のマッピング詳細を指定するためには、それらの規則を編集する必要があります。 少なくとも、ワークアイテムのカテゴリー・プロパティーの設定方法を指定するように、同期規則を編集する必要があります。

次の計画ステップを進めながら、付属のワークシートにレコード・タイプ情報を記録します。同期を計画しているレコード・タイプごとにワークシートを作成します。ワークシートは、同期規則を作成または編集し始めるときに使用します。「ClearQuest Connector のセットアップ」ウィザードを使用して初期バージョンの同期規則を作成した場合には、同期規則エディターでそれらの同期規則を開き、マッピング詳細と計画ワークシートに指定された要件を比較し、相違があるか確認してください。

同期規則を計画するには、次のようにします。

  1. Rational Team ConcertStory ワークアイテム・タイプを使用して、チームで計画している Rational Team Concert での作業方法を記述したユースケースを作成します。ストーリーでは、チームが使用する予定のプロセス (スクラムなど)、ワークアイテム・タイプ、およびワークフローを示す必要があります。
  2. Story に基づいて、どの ClearQuest レコード・タイプをどのワークアイテム・タイプと同期するかを指定します。すぐに使用可能な Rational Team Concert ワークアイテム・タイプのうち、同期する ClearQuest レコード・タイプとほぼ一致するものがない場合は、そのレコード・タイプに対応するワークアイテム・タイプを作成できます。
  3. 1 つの ClearQuest レコード・タイプを複数のワークアイテム・タイプにマップできます。 例えば、レコード・タイプが変更要求などの一般的なもので、バグまたはリリース要件として修飾するフィールドを含んでいるとします。この場合は、レコード・タイプを修飾するために使用する ClearQuest フィールドの名前を示し、フィールド値とそれに対応するワークアイテム・タイプをリストします。
  4. レコード・タイプとワークアイテム・タイプ間の同期方向を定義します。一連のレコードを ClearQuest ユーザー・データベースから Jazz リポジトリー にインポートすることを計画しており、チームが Rational Team Concert でのみ作業する場合、同期方向は「着信 (In)」のみです。Rational Team ConcertRational® ClearQuest の両方で作業する場合、同期は「着信および発信 (In and Out)」です。
  5. ClearQuest レコード・タイプ内および対応するワークアイテム・タイプ内での必須フィールドのセットを特定します。スクラム・プロセスを使用している場合は、「障害」および「タスク」ワークアイテム・タイプの「要約」および「分類先 (カテゴリー)」フィールドのみに入力が必要となります。 ワークアイテム・エディターの「概要」ページで、必須フィールドにはアスタリスクが付きます。

    ClearQuest レコード・タイプの必須フィールドを表示するには、ClearQuest Designer でスキーマを開きます。 「スタート」 > 「すべてのプログラム」 > 「IBM Rational」 > 「IBM Rational ClearQuest」 > 「ClearQuest Designer」の順にクリックします。「スキーマを開く」ウィザードで、同期するレコード・タイプのスキーマを選択します。 ナビゲーション・ペインで、「レコード・タイプ」フォルダー、特定のレコード・タイプ・フォルダー、「状態およびアクション (States and Actions)」フォルダーの順に展開します。 「振る舞い」をダブルクリックします。「振る舞い」マトリックスで、必須フィールドを「必須 (Mandatory)」に指定します。

  6. 必須の ClearQuest フィールドごとに、ClearQuest フィールドをマップ可能なワークアイテム・タイプ内のフィールドを特定します。同様に、必須ワークアイテム・タイプ・フィールドごとに、対応する ClearQuest フィールドを特定します。 適切なマッピング・フィールドを選択では、フィールドの意味とフィールド・タイプを考慮してください。ClearQuest レコード・タイプのフィールド・タイプを表示するには、ClearQuest Designer でレコード・タイプのスキーマを開きます。ナビゲーション・ペインで、「レコード・タイプ (Record Types)」フォルダー、特定のレコード・タイプ・フォルダーの順に展開し、「フィールド」をダブルクリックして「フィールド」マトリックスを開きます。

    Rational Team Concert でのフィールド・タイプを表示するには、Rational Team Concert クライアントにログインします。「チーム成果物」ビューで、プロジェクト・エリアをダブルクリックしてプロジェクト・エリア・エディターで開きます。「プロセス構成」タブをクリックします。「プロジェクト構成」、「構成データ」、「ワークアイテム」の順に展開します。「エディター表示」をクリックします。同期するワークアイテム・タイプのエディター表示を選択します。「エディター表示 」領域で、タブおよびセクションを展開して表示 (フィールド) のリストを表示します。それぞれのフィールド名の後にタイプが括弧に囲まれて表示されます。

  7. ワークアイテム・タイプに、必須の ClearQuest レコード・タイプ・フィールドの一部にマッピングにするための適切なフィールドがない場合は、ワークアイテム・タイプに新規フィールドを作成します。「プロジェクト構成」ページで、「プロジェクト構成」「構成データ」「ワークアイテム」の順に展開します。「タイプ (Types)」をクリックします。ワークアイテム・タイプのカテゴリーを選択します。 「カスタム属性」エリアで、「追加」をクリックします。フィールドに名前を入力し、対応する ClearQuest フィールド・タイプと互換性があるタイプを選択します。「OK」をクリックします。「保存」をクリックして、ワークアイテム・タイプへの変更を保存します。
  8. レコード・タイプに、必須のワークアイテム・タイプ・フィールドの一部にマッピングするための適切なフィールドがない場合は、「フィールド」マトリックスで行を追加して、レコード・タイプに新規フィールドを作成します。
  9. ワークアイテムは、そのカテゴリーに基づいてチーム・エリアと関連付けられているため、着信同期中にワークアイテムのカテゴリー・プロパティーが設定される必要があります。 次の方法で、カテゴリー情報を Rational Team Concert に提供できます。
    • ステートレス ClearQuest レコードをカテゴリーに接続する
    • 1 つ以上の ClearQuest レコード文字列値フィールドをカテゴリーにマップする
    • 空の外部値を固定カテゴリー値にマップする
    • 1 つ以上の ClearQuest レコードをカテゴリーにマップするが、接続はしない

    これらの方法の詳細については、カテゴリーを指定するための同期規則の編集を参照して、使用するいずれかの方法を選択します。

  10. 必須ではない ClearQuest レコード・フィールドで、ワークアイテム・フィールドと同期したい追加のものがあれば指定します。対応するワークアイテム・フィールドを特定します。必要に応じて、カスタム属性を追加してワークアイテム・タイプにフィールドを作成します。
  11. ワークアイテムに表示したいが、ワークアイテム・フィールドと同期させたくない ClearQuest レコード・フィールドがあれば指定します。
  12. 同期するフィールドのいずれかに、「優先順位」または「重大度」フィールドなど、値の選択項目リストはありますか? そのようなフィールドごとに、ClearQuest レコード・フィールドからワークアイテム・フィールドへの値のマッピングを指定します。すべての値の 1 対 1 マッピングがない場合は、デフォルト値として 1 を指定してください。
  13. それら値を対応するワークアイテム・フィールドまたは ClearQuest レコード・フィールドに送信する前に、同期するフィールドのいずれかに、変換するための特別な処理が必要ですか?

    ClearQuest Connector は、以下の値変換プログラムを提供します。

    表 1. ClearQuest Connector 変換プログラム
    変換プログラム名 説明
    Connect Field to Custom Attribute 変換プログラム ワークアイテムのカスタム属性の値を、別のレコード内のフィールドによって参照される ClearQuest レコードのフィールドにマップします。
    Contributor Details 変換プログラム 現在、ClearQuest Connector では使用されていません。
    Display Referenced Record Fields in Custom Attribute 変換プログラム 参照される ClearQuest レコードの内容をワークアイテムのカスタム属性にマップして、内容をワークアイテム・エディターで表示できるようにします。
    Project Area 変換プログラム 現在、ClearQuest Connector では使用されていません。
    Timestamp/Days 変換プログラム ClearQuest レコードの日数を示すストリングをミリ秒に変換します。タイム・スタンプは、これを使用して時間を判別します。
    Work Item Action 変換プログラム 着信同期中にある状態から別の状態に遷移する際に行うべきアクションを計算します。これは、Rational Team Concert項目ワークフロー定義に、状態の遷移に複数のアクションが可能な未確定な状態遷移が含まれている場合に必要です。

    Rational ClearQuest レコード・タイプと異なり、Rational Team Concert ワークアイテム・タイプでは、ある状態から別の状態に遷移するための複数のアクションが許可されます。 Work Item Action 変換プログラムを使用しないで状態遷移の複数アクションを含む項目を同期すると、状態遷移の後の同期操作でエラーが発生し、ClearQuest レコードを別の状態に遷移できないというメッセージが表示されます。

    Work Item Attachments 変換プログラム ClearQuest の添付を Rational Team Concertレコードの添付に変換します。
    Work Item Category 変換プログラム 値がパスの場合、ClearQuest レコードにマップされる Rational Team Concert カテゴリーの階層構造を維持します。
    Work Item Comments 変換プログラム Rational Team Concertのコメントを ClearQuest レコードの注に変換します。Rational ClearQuest で提供される標準の Notes パッケージを使用する必要があります。
    Work Item Tags 変換プログラム ワークアイテム内のタグを ClearQuest レコードのキーワードに変換します。

    変換プログラムの必要なフィールドおよび必要な変換プログラムをリストするフィールドがあれば特定します。

  14. レコード・タイプに添付が含まれている場合は、ClearQuest レコードがワークアイテムと同期される際に、レコードおよびワークアイテムに添付があれば、それも同期されるように同期規則を作成できます。添付の同期を計画している場合は指定します。
  15. 同期を計画している ClearQuest レコード・フィールドで、参照タイプ・フィールドがあれば特定します。これらのフィールドによって参照されるレコード・タイプに対しては、同期規則を作成する必要があります。
  16. 同期を計画している ClearQuest レコード・フィールドのいずれかに、他のフィールドとの依存関係を設定するフックがあるものはありますか? 例えば、あるフィールドにフックが関連付けられていると、そのフィールドにユーザーが入力した値を使用して、フックが別のフィールド値の設定方法を決定する場合があります。このシナリオでは、フックが実行される順序を指定して、ClearQuest レコード・フィールドが正しい値に設定されるようにする必要があります。

    cqconnector.properties ファイルには、パラメーター cq.orderedProperties.record-type が含まれています。これを使用して、ClearQuest レコード・タイプ値が設定される順序を指定できます。cq.orderedProperties.record-type を使用しないで指定したすべてのフィールドは、使用したフィールドの後に処理されます。

    別の方法で順序を指定するには、ClearQuest Designer で書式定義のフィールドに「Web 従属フィールド (Web Dependent Fields)」プロパティーを使用します。「Web 従属フィールド (Web Dependent Fields)」プロパティーと cq.orderedProperties パラメーターの両方を指定した場合、ClearQuest Connector は、cq.orderedProperties パラメーターに指定した順序を使用します。


フィードバック

この情報はお役に立ちましたか? Jazz.net でフィードバックをお送り頂けます (登録が必要です): フォーラムにコメントを記入したり、バグを送信したりすることができます。