Rational Team Concert for System z の言語定義生成プログラムを使用したビルド・メタデータの自動生成

始める前に
Rational Team Concert™ for System z® の統合開発環境 (IDE) クライアントで、エディターを使用せずに言語定義生成プログラムを使用して、データ・セット定義、変換プログラム、および言語定義を作成します。

言語定義生成プログラムを使用するには、以下のことを完了しておく必要があります。

言語定義生成プログラムで使用する zComponent プロジェクトのインポート

このタスクについて
このタスクを完了して、サンプル・プロジェクトと言語定義生成プログラムを使用する練習をします。サンプル・プロジェクトのいくつかは、Rational Team Concert for System z クライアントと共にインストールされています。
  1. Rational Team Concert for System z で、「リソース」パースペクティブを開きます。
    1. ウィンドウ」をクリックします。
    2. 「パースペクティブを開く」に移動します。
    3. その他」を選択します。
    4. リソース」を選択します。
    5. OK」をクリックします。 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューが表示されます。
  2. 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューで、プロジェクトを右クリックし、「インポート」を選択します。 インポート・ウィザードの「選択 (Select)」ウィンドウが開きます。
  3. インポート・ウィザードの「選択 (Select)」ウィンドウで、一般ノードを展開し、「既存プロジェクトをワークスペースへ」を選択します。
  4. 次へ」をクリックします。 インポート・ウィザードの「プロパティーのインポート (Import Projects)」ウィンドウが開きます。
  5. ルート・ディレクトリーの選択」ラジオ・ボタンを選択し、「参照」をクリックします。
  6. インポートするプロジェクトのルート・ディレクトリーを選択します。 サンプル・プロジェクトは、Rational Team Concert for System z のインストール・ディレクトリー (C:¥Program Files¥IBM¥SDP¥rtcz¥samples) のサブディレクトリー「rtcz¥samples」に保存されます。
  7. インポートするプロジェクトの横にあるボックスを選択します。以下のサンプル・プロジェクトを使用できます。
    HelloWorldSample
    「Hello world!」というシンプル COBOL アプリケーションのサンプルです。
    HelloWorldSample2
    ホスト・アセンブラー PL/I および C の「Hello World」という追加アプリケーションです。
    MortgageApplication
    複数の zComponent プロジェクトを持つ COBOL のサンプル・アプリケーションです。このサンプル・プロジェクトをインポートするには、名前が「MortgageApplication」で始まるすべてのプロジェクトを選択します。
  8. 終了」をクリックします。

Rational Team Concert for System z の言語定義生成プログラムの実行

  1. 「プロジェクト」ノードを展開します。
  2. setuprtcz.xml」ファイルを選択してから、「実行」 > 「Ant ビルド」と選択します。
    注:setuprtcz.xml」は、サンプル・プロジェクトに含まれているファイルの名前です。独自のファイルを書き込む場合は、ファイルの拡張子が「.xml」であることを確認してください。
  3. 「プロパティー」タブを選択してから、「Ant ランタイム設定で指定されたグローバル・プロパティーを使用」の横にあるボックスをクリアし、以下のプロパティーを追加します。
    • repositoryAddress。これは Rational Team Concert for System z URL です。
    • userId。これは Rational Team Concert for System z のユーザー ID です。
    • password。これは Rational Team Concert for System z のパスワードです。
    • projectArea。これは、プロジェクト・エリアの名前です。
  4. 「JRE」タブを選択してから、「ワークスペースと同じ JRE で実行」を選択します。
  5. 適用」、「実行」とクリックします。 言語定義生成プログラムが正常に実行された場合、必須データ定義、変換プログラム、言語定義が作成され、選択したプロジェクトに含まれるメタデータが新規定義に指定されて更新されます。
  6. 「保留中の変更」ビューに移動して、メタデータへの変更を検証します。
  7. 「ワークアイテム」パースペクティブに移動して、ご使用のプロジェクト・エリアを右クリックし、「更新」をクリックします。 「チーム成果物」ビューのプロジェクト・エリア内に、新規データ・セット定義、言語定義、変換プログラムがすべて表示されていなければなりません。

言語定義生成プログラムの Ant タスク

Rational Team Concert for System z の言語定義生成プログラムを使用して、以下のカスタムの Ant タスクを実行します。タスク名はそれぞれ、タスクを実装する Java™ クラス名を示しています。

InitTask

このタスクについて
InitTask は、他のデータ・セット定義、変換プログラム、および言語定義のタスクの Rational Team Concert for System z サーバーとの接続を初期化するカスタムの Ant タスクです。InitTask は、他のデータ定義、変換プログラム、または言語定義のタスクの前に実行する必要があります。
表 1. InitTask のパラメーター
属性 説明
repositoryAddress Rational Team Concert for System z サーバーへの URL ストリング。
userId Rational Team Concert for System z のユーザー ID
password Rational Team Concert for System z のパスワード
passwordFile Rational Team Concert for System z のパスワード・ファイル
projectArea 関連するデータ・セット定義、変換プログラム、言語定義が保存されているプロジェクト・エリアの名前。
以下は、InitTask の例です。

<ld:init repositoryAddress="https://opusdejazz.raleigh.ibm.com:9443/jazz"userId="tami" password="tami" projectArea="Build Test"/>

DsDefTask

このタスクについて
このタスクを使用してデータ・セット定義を作成します。
表 2. DsDefTask のパラメーター
属性 説明 デフォルト
name 定義名。  
description 定義の記述。  
dsName データ・セット名。  
dsMember メンバー名。  
prefixDSN ビルド要求で指定した接頭部がデータ・セット名の前に付加される必要がある場合には、True となります。 true
dsDefUsageType
  • 0 = zFolder
  • 1 = 新規
  • 2 = 一時
  • 3 = 既存
0 (zFolder)
dsType
  • 0 = PDSE
  • 9 = UNSPECIFIED
0 (PDSE)
storageClass データ・セットが割り当てられるストレージ・クラス。  
dataClass データ・セットの作成に使用されるデータ・クラス。  
managementClass データ・セットの管理に使用される管理クラス。  
volumeSerial データ・セットのボリューム通し番号。  
GenericUnit 一般的なグループ名と装置アドレス。  
spaceUnits 使用されるすべての割り振りスペースの単位。値は、以下のいずれかでなければなりません。
  • trks (トラック)
  • blks (ブロック)
  • cyls (シリンダー)
 
recordUnit 割り振り数量の単位。値は、以下のいずれかでなければなりません。
  • U (単一)
  • K (千)
  • M (百万)
U
primaryQuantity 1 次割り振り量。 1
secondaryQuantity 2 次割り振り量 1
directoryBlocks 提供される 256 バイトのディレクトリー・ブロックの数。 0
recordLength 論理長 (バイト単位) 80
blockSize ブロック・サイズ  
recordFormat z/OS® データ・セットのレコード・フォーマットのストリング (例: F、FB、V、VB、または U)。以下の値を指定することができます。
  • F (固定長)
  • V (可変長)
  • U (未定義)
  • B (ブロック長)
  • A (ファイルに ASA 制御文字が含まれることを指定します。)
  • M (ファイルにマシン制御文字が含まれることを指定します。)
  • S (固定の場合は標準形式、変数の場合はスパン形式)
  • T (切り捨て)
FB
以下は、DsDefTask の例です。

<!-- zFolders --> <ld:dsdef name="COBOL" dsName="COBOL" dsDefUsageType="0" dsType="0" spaceUnits="cyls" primaryQuantity="1" secondaryQuantity="1" recordFormat="FB" recordLength="80" blockSize="0" />  
<!-- 新規データ・セット --> <ld:dsdef name="OBJ" dsName="OBJ"  dsDefUsageType="1" dsType="0" spaceUnits="cyls" primaryQuantity="1" secondaryQuantity="1" recordFormat="FB" recordLength="80" blockSize="0" /> <ld:dsdef name="LOAD" dsName="LOAD"  dsDefUsageType="1" dsType="0" spaceUnits="cyls" primaryQuantity="1" secondaryQuantity="1" recordFormat="U" recordLength="0" blockSize="32760" />
<!-- 一時データ・セット --> <ld:dsdef name="TEMPFILE" dsDefUsageType="2" prefixDSN="false" dsType="9" spaceUnits="trks" primaryQuantity="5" secondaryQuantity="5" genericUnit="SYSALLDA" />
<!-- 既存データ・セット --> <ld:dsdef name="IGYCRCTL" dsName="COBOL.V4R1M0.SIGYCOMP" dsMember="IGYCRCTL" dsDefUsageType="3" prefixDSN="false"/> <ld:dsdef name="IEWBLINK" dsMember="IEWBLINK" dsDefUsageType="3" prefixDSN="false"/> <ld:dsdef name="SCEELKED" dsName="CEE.SCEELKED" dsDefUsageType="3" prefixDSN="false"/>

TranslatorTask

このタスクについて
このタスクを使用して変換プログラムを作成します。TranslatorTask は、子の要素として割り振り および連結 を受け容れます。
表 3. TranslatorTask のパラメーター
属性 説明 デフォルト
name 変換プログラムの名前。  
description 変換プログラムの記述。  
dataSetDefinition 変換プログラム・モジュールのデータ・セット定義。  
ddnamelist 変換プログラムの DD 代替名。  
defaultOptions 変換プログラムに渡されるオプションのストリング。  
maxRC 許可される最大戻りコード。 0
以下は、TranslatorTask の例です。

<ld:translator name="ASMMAP" dataSetDefinition="ASMA90"
   defaultOptions="SYSPARM(MAP),DECK,NOOBJECT"
   ddnamelist="SYSLIN,,,SYSLIB,SYSIN,ANTPRINT"
   maxRC="0">
   <ld:concatenation name="SYSLIB">
      <ld:allocation dataSetDefinition="SDFHMAC"/>
      <ld:allocation dataSetDefinition="MACLIB"/>
   </ld:concatenation>
   <ld:allocation name="SYSIN" input="true"/>
   <ld:allocation name="SYSPUNCH" dataSetDefinition="OBJ" member="true"/>
   <ld:allocation name="ANTPRINT" dataSetDefinition="TEMPFILE"/>
   <ld:allocation name="SYSUT1" dataSetDefinition="TEMPFILE"/>
   <ld:allocation name="SYSUT2" dataSetDefinition="TEMPFILE"/>
   <ld:allocation name="SYSUT3" dataSetDefinition="TEMPFILE"/>
</ld:translator>

LangDefTask

このタスクについて
このタスクを使用して言語定義を作成します。
表 4. LangDefTask のパラメーター
属性 説明
name 言語定義の名前。
description 言語定義の記述。
translators コロンで区切られた変換プログラムの名前。
defaultExtension 関連付けられたデフォルトのファイル拡張子。
以下は、LangDefTask の例です。

<ld:langdef name="BMS" translators="ASMMAP,ASMDSECT"defaultExtension="bms”/>

DeleteDsDefsTask

このタスクについて
このタスクを使用して、すべてのデータ・セット定義を削除します。
以下は、DeleteDsDefsTask の例です。

<ld:deletedsdefs/>

DeleteTranslatorsTask

このタスクについて
このタスクを使用して、すべての変換プログラムを削除します。
以下は、DeleteTranslatorsTask の例です。

<ld:deletetranslators/>

DeleteLangDefsTask

このタスクについて
このタスクを使用して、すべての言語定義を削除します。
以下は、DeleteLangDefsTask の例です。

<ld:deletelangdefs/>

ResolveMetadataTask

このタスクについて
このタスクを使用して、zFiles を言語定義と関連付け、zFolders をデータ・セット定義と関連付けます。これらの関連付けは、zComponent プロジェクトそれぞれの「.antzBuild」サブディレクトリーに保存されます。zFiles と言語定義は、zFile の拡張子、および指定されている言語定義の defaultExtension の属性を使用することで関連付けることができます。例えば、言語定義 COBOL が defaultExtension の属性 「cbl」を持つ場合、zFile の「HELLO.cbl」がその言語定義と関連付けられます。zFolders とデータ・セット定義は、zFolders とデータ・セット定義の名前を使用することで関連付けることができます。例えば、 「HELLO.COBOL」という名前のデータ・セット定義名がある場合、zFolder の「HELLO.COBOL」は同じ名前のデータ・セット定義名と関連付けられます。
表 5.
属性 説明 デフォルト
projectRoot zComponent プロジェクトのルート・ディレクトリー。 スクリプトが保存されているディレクトリー。
以下は、ResolveMetadataTask の例です。

<ld:resolvemetadata/>
<ld:resolvemetadata projectRoot="../AnotherProject"/>

言語定義生成プログラムの制約

このタスクについて
Rational Team Concert for System z の言語定義生成プログラムの制約事項は、以下のとおりです。
  • 言語定義生成プログラムは、ビルド・プロパティーを使用した代替をサポートしていません。
  • ResolveMetadataTask は、関連データ・セット定義または言語定義に対して何も変更を行わない場合でも、メタデータを更新します。

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