米国国防総省アーキテクチャー・フレームワーク (DoDAF)・フィーチャーを使用して、複雑なシステムのアーキテクチャーを記述することができます。
DoDAF フィーチャーでは、システムの構造を視覚、テキスト、および表の各形式で表すためのベースとして、統一モデリング言語 (UML) を使用しています。
DoDAF のアーキテクチャー記述
システムの DoDAF によるアーキテクチャー記述は、一連の記述またはビューから構成されます。
それぞれある特定の視点から見たシステムについての情報を持つこれらの記述やビューは、相互にリンクによって結ばれています。
DoDAF では、これらの視点のことを成果物と呼びます。
DoDAF では、それぞれの成果物をオペレーショナル・ビュー (OV)、システム・ビュー (SV)、テクニカル・スタンダード・ビュー (TV) という 3 つのビューにおけるそれぞれに固有のアーキテクチャー属性に応じて分類します。
システムのアーキテクチャーにおける一部の側面は、3 つのビューすべてによって記述するのが最良となります。
DoDAF では、概要および要約情報、そして DoDAF の成果物用語の定義を、
オール・ビュー (AV) と呼ばれるビューに結合させます。
- オペレーショナル・ビュー (OV)
- オペレーショナル・ビューは、戦闘ミッションやビジネス・ミッションなど、米国国防総省 (DoD) の機能についての全側面を記述するものです。
こうした側面には、作動環境を構成するコンポーネントの構造および動作、それらの関係および依存関係、
タスクおよびアクティビティー、オペレーション要素 (ノード)、そしてノード間の情報交換およびフローのタイプおよび頻度などが含まれます。
- システム・ビュー (SV)
- システム・ビューは、DoD の機能をサポートするコンポーネントの内部構造および動作を記述するものです。
また、このビューには、システム・リソースとオペレーショナル・ビューの間の関係も記述されます。
- テクニカル・スタンダード・ビュー (TV)
- テクニカル・スタンダード・ビューは、組織、相互作用、そしてシステム
・ビューが記述するシステムの現在の状態と将来の状態の間の依存関係を規定する標準および規則を記述するものです。
- オール・ビュー (AV)
- オール・ビューの成果物は、作動環境のアーキテクチャー記述全体を対象とした情報を提供します。
これらのビューは、システムを 1 つの視点から眺めたものではなく、オペレーション
環境の狙い、目的、使用意図、ミッション目標、および戦略や、用語辞書な
どの情報を記述するものです。
DoDAF の構文およびセマンティクス
DoDAF は、作動環境の
コンポーネントの構造やコンポーネント間の関係を記述できるように設計されています。
これを行うために、DoDAF では、ノード、ニードライン、サービス、情報交換などの要素を定義しています。
そして、各ノードが連携および相互作用を行ってミッション目標を達成す
る様子をデモンストレーションする作動環境をモデル化するために使用する
規則を定めています。
- ノード
- ノードは、データを作成、使用、または処理する作動環境のアーキテクチャー記述における論理要素または物理要素を表します。
ノードとなるのは、陸軍兵、海軍兵、空軍兵、民間労働者、システム、ある
いは作動環境内外のサブシステムや環境内の他の要素と相互作用するサブシステムなどです。
- ニードライン
- ニードラインは、DoDAF において UML の依存関係や関係に相当するもので、ノードがどのように相互作用するかを記述するものです。
ニードラインは、あるノードの他のノードに対するサービスや情報の要求を表します。
したがって情報の依存関係や論理フローを表すことになります。
- サービス
- サービスは、ノード間で転送されるオペレーション機能のことです。
ノード間で機能を転送するということは、暗黙的に情報の転送を意味します。
- 情報交換
- 情報交換は、適時性や性質、また、情報の収集、共有、使用方法を決定する要件などの情報特性を収集することです。