パターンを使用する利点

パターンとは、一定のコンテキストで繰り返し発生する問題を解決するソフトウェア・ソリューションです。パターンを使用すると、多くの利点があります。

パターンでは、ソフトウェアの問題を解決する設計エキスパートの専門知識と経験がカプセル化されます。

パターンを利用するには、パターンを設計する方法を知っている必要はありません。しかし、パターンを適用する人がパターンを見つけ、選択し、適用するためには、良質のパターンの文書が必要です。パターンを利用する際には、そのパターンによって解決される問題、解決の方法、および適用した結果について知る必要があります。 IBM® Rational® パターンの作成者は、複数タイプのパターンの文書を作成し、パターンにパッケージすることができます。適用者はパターン適用時にいつでもこの文書を参照できます。

パターンを作成して使用すると、ソフトウェアの再利用が促進されます。1 度パターンを設計すると、後で何度でも使用できます。パターンの再利用によって再設計が不要になるため、生産コストが下がり、時間が節約できる可能性があります。再利用によって、ソフトウェアの信頼性とコード設計の継続性も向上します。

パターンは、 プロジェクト内でも、会社内でも、複数の会社間でも共用できます。 パターンの制限は、パターン設計とパターン作成者の意図によって決まります。現在、多くのパターンがソフトウェアの出版物やインターネットで文書化されています。

パターンを使用するもう 1 つの重要な利点は、 名前付き抽象化のグループを作成し認識することで、 所定のドメイン内でのパターン・ユーザー間のコミュニケーションを促進することです。 例えば、設計者は「シングルトン」という語句を簡単に使用することができ、 他のデザイン・パターンの適用者はその抽象化を認識します。

Rational パターンは、標準の Eclipse プラグインとして構造化されています。パターンのプラグインを Reusable Asset Specifications (RAS) アセットとしてパッケージ化し、RAS アセット・リポジトリーに編成することによって、最大級のパターン再利用がさらに拡充されています。パターンを利用する人は、パターン・アセットのキーワードとパターン作成者から提供された説明を突き合わせることによって、リポジトリーからパターンを検索し、選択できます。パターン・アセットは RAS 標準に準拠します。これらの仕様に準拠していると、Rational パターンの他の利用者や作成者と、パターンを簡単に交換するための要求が常に満たされます。


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