パターンの適用プロセス

デザイン・パターンを適用するプロセスは、UML 設計を必要とするソリューションを十分に理解することから始まります。 次に、パターンを検索し、パターン文書を読み、必要に応じてパターンをインポートし、パターンを UML 設計モデルに適用します。特定のオブジェクトにパターンを適用すると、パターンの特性がオブジェクトに移されます。

パターンを適用するには、以下の 3 つのステップが必要です。

  1. パターンを選択します。
  2. パターン・インスタンスを作成します。
  3. インスタンス化のための引数値を指定します。

Rational® デザイン・パターンを統一モデリング言語 (UML) モデルに適用し、設計を変更します。パターンの適用に関連するタスクは、「パターン・エクスプローラー」ビューを使用して、モデリング・パースペクティブ内で実行されます。「パターン・エクスプローラー」ビューは、パターンの編成、パターンの適用、パターン文書の検討、および特定のパターンの検索に不可欠なツールです。「パターン・エクスプローラー」ビューには、 パターンを適用できる状態になっているインストール済みパターンがリストされます。 パターンを開くと、パラメーター・タイプと多重度値が表示されます。

デザイン・パターン・グループを使用して、さまざまなタイプのパターンを適用し、結果を確認することができます。 デザイン・パターンは、統一モデリング言語 (UML) モデルに適用される Java ベースのパターンです。RAS アセットのエクスポート/インポート・ユーティリティーを使えば、作成したパターンをその他の Rational® パターン・ユーザーと共有できます。 パターン・リポジトリーが自動的に作成され、ワークステーション上で利用できるすべてのパターンがリストされます。 さらに、Reusable Asset Specification (RAS) 機能を用いてリポジトリーを作成して、共有パターン・アーカイブを作成、編成できます。

パターンの選択

作成時、IBM® Rational パターンは、Reusable Asset Specification (RAS) パターン・アセットとしてパッケージされます。パターン・アセットは、ファイル・システムまたは Reusable Asset Specification (RAS) リポジトリーに保存されます。必要なパターンを探し出すために、接続されたリモートまたはローカルの RAS リポジトリーを任意に組み合わせて検索できます。ワークスペースの外側のファイル・システムのディレクトリーに保存されている RAS アセットで使用可能な検索方法はありません。 パターンがファイル・システムとリポジトリーのどちらにあるかには関係なく、パターンのインポートには同じ方法を使用します。

複数リポジトリーの検索では、インストール済みのパターンのプラグインを検索することも、RAS パターン・アセットを検索することもできます。インストール済みパターンは「パターン・エクスプローラー」ビューまたは「アセット・エクスプローラー」ビューのパターン・リポジトリー・ノードにリストされます。パターンは、検索して位置を特定した後に適用可能になります。RAS パターン・アセットを適用する前に、アセットをインポートし、プラグインとしてインストールする必要があります。パターンは RAS インポート・ウィザードでインポートできます。

パターンのインポート前に、RAS の「アセット・エクスプローラー」ビューで RAS アセット文書を開いて確認できます。パターンを適用する前に、「パターン・エクスプローラー」ビューから、パターンの文書を開くことができます。アセット・エクスプローラーから開いたパターンの文書は、デフォルトの Web ブラウザーに表示されます。

パターン・インスタンスの作成

パターン・インスタンスを作成するには、2 つの方法があります。「パターンの適用」ウィザードを使用して、パターンを適用することができます。または、「パターン・エクスプローラー」ビューのパターンまたはパラメーターを、「プロジェクト・エクスプローラー」ビューまたはダイアグラム・エディター内の要素にドラッグできます。パターン・インスタンスは常に UML モデル内に表示されます。インスタンスは、パターン定義自体ではなく、パターンの適用に関与します。

パターンの適用時には、「パターンの適用」ウィザードでパターン・インスタンスを生成できますが、ウィザードですべての引数を指定しても、指定しなくても構いません。また、ダイアグラム・エディターを使用して、パターンの適用をすべてドラッグ・アンド・ドロップ操作で行う方法もあります。

パターン・インスタンスは、同一または異なるモデル内に同時に複数存在できます。

引数値の指定

「プロジェクト・エクスプローラー」ビューまたはダイアグラム・エディターで、 パターン・インスタンスの各パラメーターの UML タイプと一致するか、または互換性のある引数の要素を指定します。 既存の UML 要素を選択するか、パターンと一緒に新規の要素を作成します。

パターンの適用プロセスは動的に実行されます。要素は、作成されるかインスタンスに追加されると同時に、パラメーターにバインドされます。ただし、パターンによって異なるところがあります。 パターン設計 (一定の要素が集まった特性) では、拡張するために最低限の引数の指定が必要となることがあります。 例えば、インターフェースとクラスの間の依存関係を追加するパターンには、依存を追加する前に、これらの要素の両方を指定しておく必要があります。なぜなら、要素が存在しなければ関係は成り立たないからです。

パターンのパラメーターのすべての引数を指定する必要はありません。このため、1 つ以上のパターンのさまざまなパートを使用し、必要に応じた設計モデルの変更が可能です。要素は複数のバインディングに参加することができます。

任意の UML モデルの要素をパターン・パラメーターの引数として使用できます。パターン・インスタンス・モデルに含まれる要素に制限はありません。

関連タスク
適用するパターンの選択
パターン・インスタンスの作成
パターン・インスタンスの引数の指定
パターン・インスタンスの変更

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