ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換

ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換では、(IBM® WebSphere® Business Modeler から インポートされる可能性のある) ビジネス分析モデルを、設計済みソリューション UML モデル (サービス・モデルとも呼ばれる) に変換することができます。 サービス・モデルでは、ビジネス分析とハイレベル設計の間の追跡可能な規約を実行します。

WebSphere Business Modeler モデル・プロジェクトおよび仕様プロジェクト

ワークスペースに WebSphere Business Modeler モデル・プロジェクトをインポートするには、WebSphere Business Modeler 統合サポートがインストールされている必要があります。

ワークスペースに WebSphere Business Modeler モデル・プロジェクトをインポートすると、ワークスペース内にビジネス・モデルの UML 表現が作成されます。 この UML 表現は、仕様モデルと呼ばれたりビジネス・プロセス・モデルと呼ばれたりすることもあります。 仕様モデルは、ビジネス・プロセスがどのように相互作用するのか、およびアクターやその他のサービスによってどのように呼び出されるのかを定義します。 仕様モデル内の各要素は WebSphere Business Modeler ビジネス分析モデル内の対応する要素と同じ名前を持ち、UML コラボレーションはビジネス・プロセスを表します。ビジネス・モデルによって定義されたロールとビジネス・プロセスの間に存在する規約のビューを作成するには、UML 実現モデル内にフリー・フォーム図を作成し、ロール、プロセス、およびインターフェースを図にドラッグします。

仕様モデルの詳細と構造は、resources.xmi という名前のファイル (仕様モデルの最上位フォルダーにある) に含まれています。resources.xmi ファイルは UML 2.1 EMX モデル・ファイルとして保存できますが、仕様モデルを編集して変更を保存した場合は、変更を元の WebSphere Business Modeler モデル・プロジェクトにエクスポートすることはできません。

有効な変換ソース

仕様モデルを変換ソースとして指定できます。ビジネス分析モデルを含んだ WebSphere Business Modeler プロジェクトが Eclipse ワークスペースに存在する必要があり、ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換構成を作成したり変換を実行するときには仕様モデルが開いている必要があります。

重要: データを損失する可能性があるので、WebSphere Business Modeler および Rational® モデリング製品の両方で 同じプロジェクト・ファイルを同時に開かないでください。

変換構成エディターを使用しないで、「プロジェクト・エクスプローラー」ビューから変換ソースを選択した場合は、その選択したプロジェクトにより、変換構成で指定されたソース・プロジェクトがオーバーライドされます。 変換構成は影響を受けず、変換構成エディターまたは「新規変換構成」ウィザードの「ソースとターゲット」ページで指定したソースも変更されません。

有効な変換ターゲット

ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換の出力先として、任意のプロジェクトまたはフォルダーを指定できます。

ドメイン固有の出力を生成するための変換拡張

ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換では、デフォルトで仕様モデル内のビジネス・プロセスを変換するための拡張として次のものが用意されています。
  • デフォルト実装: この拡張は、ビジネス・プロセス (UML コンポーネントによって表される) の所有された振る舞いとして UML アクティビティーを割り当てることにより、ビジネス・プロセスの振る舞いを記述します。UML から SOA への変換では、後でこの情報を使用して Business Process Execution Language (BPEL) 成果物を生成できます。
  • スケルトン実装: この拡張は、Services Component Definition Language (SCDL) の汎用分解を作成します。 この実装を使用してサービス・モデルを生成し、そのサービス・モデルを UML から SOA への変換で使用して出力を生成し、その出力を WebSphere Integration Developer を使用してデプロイすることができます。

その他のドメインの実装詳細を含んだ UML サービス・モデルを作成するには、ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換のカスタム拡張を作成して登録します。

仕様モデル内のすべてのビジネス・プロセスに 1 つの変換拡張を適用することも、仕様モデル内のビジネス・プロセスごとに変換拡張を指定することもできます。変換構成で変換拡張を指定することができます。

変換出力

ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換構成で、生成されるサービス・モデルに別の名前を指定することができます。 変換により、変換ターゲットとして指定したプロジェクトまたはフォルダーに、仕様モデルと同じ名前を持つサービス・モデルが生成されます。ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換の出力を別の変換 (UML から SOA への変換など) のソースとして使用して、サービス指向アーキテクチャー (SOA) ソリューションのソフトウェア・サービス成果物を作成できます。

また変換構成では、変換において、サービス・モデリング (SoaML) プロファイルまたは ソフトウェア・サービス・プロファイルのいずれかを、生成されるモデルに適用することを指定することも可能です。
重要: ソフトウェア・サービス・プロファイルは推奨されないものです。 モデリング・サービスのためには、サービス・モデリング (SoaML) プロファイルと呼ばれるプロファイルを使用できます。 ソフトウェア・サービス・プロファイルからサービス・モデリング (SoaML) プロファイルへのマイグレーションについては、このトピックの末尾にある関連リンクを参照してください。 ソフトウェア・サービス・プロファイルのステレオタイプとサービス・モデリング (SoaML) プロファイルのステレオタイプの対応関係については、このトピックの末尾にある関連リンクを参照してください。

ソフトウェア・サービス・プロファイル (ソフトウェア・サービスのための UML 2.0 プロファイル) について詳しくは、IBM® developerWorks® Web サイトの「ソフトウェア・サービスのための UML 2.0 プロファイル」と題する記事を参照してください。

選択するプロファイルに応じて、変換がターゲット・モデル中の要素に適用するステレオタイプが決まります。 例えば、ソース仕様モデル中のビジネス・プロセスごとに、以下のステレオタイプが適用された UML コンポーネントが、変換によって生成されます。
  • サービス・モデリング (SoaML) プロファイルを選択した場合、変換は «Participant» ステレオタイプを適用します。
  • ソフトウェア・サービス・プロファイルを選択した場合変換は «serviceProvider» ステレオタイプを適用します。

変換の実行後、生成されたコンポーネントを複合構造ダイアグラムに追加することにより、そのビジュアル表示を作成できます。

サービス・モデル (規約履行モデル) は仕様モデルに定義された規約情報を保持し、規約の履行に必要な実装詳細を提供します。 ビジネス・プロセスを記述した仕様モデル内の各 UML コラボレーションは、サービス・モデル内のサービスを表した UML コンポーネントに変換されます。 変換により、生成されたコンポーネントには、ビジネス・プロセスによって要求または提供されるインターフェースを指定するポートが取り込まれます。

変換により、各コンポーネント内に CollaborationUse 要素が生成されます。 生成された CollaborationUse は、仕様モデル内の元のコラボレーション要素とサービス・モデル内のコンポーネント要素の間のリンクを保持します。 変換により、コラボレーション・ロールとコンポーネント・ポートの間のバインディングも生成されます。ロールとポートのバインディングは、ビジネス規約検証を表します。 サービスの実装詳細を指定するには、変換拡張を指定または作成して、各サービスの実装詳細を生成します。 指定または作成する拡張のタイプはターゲット・ドメインによって異なり、実装言語やデプロイメント環境などの考慮事項を含んでいます。 変換構成で適切な変換拡張を指定できます。

変換によってサービス・モデルが生成された後、システム・アーキテクトやソフトウェア・アーキテクトがサービス・モデルをさらに詳細化できます。それには、さらに詳しい実装を指定したり、レガシー・ライブラリーへの参照を作成することが含まれる場合があります。

ビジネス・プロセスからサービス・モデルへのによって実現モデル内の要素がどのように変換されるのかについて詳しくは、このトピックの最後にある関連リファレンスのリンクを参照してください。

規約検証情報の使用によるビジネス要件の追跡可能性

追跡可能性により、生成されたサービス・モデルに定義されたアーキテクチャーが WebSphere Business Modeler ビジネス分析モデルに表されたビジネス要件を満たすことが保証されます。

生成されたサービス・モデルにおける規約検証情報により、ビジネス・プロセスの追跡が可能になります。 仕様およびサービス・モデル内の次の情報が、各ビジネス・プロセスの規約検証のために必要です。
  • 仕様モデル内のコラボレーションをサービス・モデル内のコンポーネントにリンクする CollaborationUse 要素
  • 仕様モデル内のロールとサービス・モデル内のポートの間のバインディング関係

比較およびマージ機能との統合

ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換では、比較およびマージ機能を使用して、仕様モデルと変換によって生成されるサービス・モデルの間の違いが判断されます。 仕様モデルに対する変更を保存してビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換を再実行した後、マージ・エディターに 2 つのサービス・モデルの違いが表示されます。 マージ・エディターで、変換によってターゲット・モデルにマージされる変更を選択できます。

チーム・サポートとの統合

ビジネス・プロセスからサービス・モデルへの変換には、、ファイルの自動チェックアウトや新規ファイルの追加を可能にする IBM Rational Team Concert、CVS、Rational ClearCase®、および Rational ClearCase LT バージョン管理システムとの統合機能を提供します。が用意されています。

構成管理システムを使用するには、チーム機能を有効にする必要があります。


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