3GL のビジュアル編集

モデルを使用すると、Java™、C++、C# などの第 3 世代言語 (3GL)、Web サービス記述言語 (WSDL) などの宣言型言語、および XML スキーマ定義言語 (XSD) を、 統一モデリング言語 (UML) に準拠した共通の表記で表されるダイアグラムを使用して、視覚化および編集することができます。 モデル・ダイアグラムではアプリケーション・コードがビジュアルに表示され、 ダイアグラムに変更を行うと、その変更が自動的にアプリケーション・コードに反映されます。

用途

この製品では、3GL のアプリケーション開発ワークフローを、統合開発フレームワーク、UML モデルからコードを生成するための変換、およびコードの UML 表現を提供するコード・エディターによってサポートしています。 開発ツールには、新規アプリケーションまたは既存アプリケーションの開発に使用できる統合開発フレームワークが用意されています。 UML から 3GL への変換では、UML モデルからコードをシードします。 生成されたコードに対する制御をより完全なものにするには、プロファイルを適用して、 言語固有の注釈を UML モデルに追加します。 UML コード・エディターは、UML 表記を使用して、実装の構造および相互作用の視覚化、理解、設計、および実装を支援するグラフィカル・エディターです。

このモデリング手法の処理方針では、コード開発工程のアジャイル性が重視され、 主に形式的な分析や設計の手間を省くことによって、すぐにコーディングを開始できるようにすることに焦点が置かれています。 IBM® Rational® の設計および構成用製品を使用すると、UML に似た表記のダイアグラムでコードを記述したり編集したりすることによって、Java や C++ などの 3GL 言語のコード・モデルを作成することができます。 ダイアグラムをビジュアル編集してクラス、フィールド、およびメソッドなどの新規コード要素を追加することも、 これらのダイアグラムに既存のコード要素をドラッグすることもできます。トピック図、参照図、および静的メソッド・シーケンス図などのツールを使用して視覚化し、それによってシステム内の関係およびタイミングを理解したり、記述したりすることもできます。 ダイアグラムは、ダイアグラム上で行われたすべての意味的な変更をコードに自動的に反映するため、 変更を行うためのビジュアル媒体としての役目も果たします。

アプリケーション・コードは、どのソフトウェア開発環境でもビジュアル編集できます。プロジェクト方針がアジャイル開発へと傾いている場合、またはアプリケーション・アーキテクチャーを技術設計するよりも、アーキテクチャーに密接に関わることを優先する場合には、この手法を採用してください。プロジェクトが小規模な場合、または本質的にリスクが低く、厳密な分析や設計を保証するものでない場合にも、この手法は条件に合ったモデリング手法と言えます。3GL のビジュアル編集は低オーバーヘッドの手法であり、製品のさまざまな利害関係者と効果的にコミュニケーションを取るために使用可能な共通の文書を提供します。

利点

ダイアグラムを使用してビジュアルにコードを表現すると、アプリケーションおよび相互作用、および各クラスの相互関係を全体像の中で確認することができます。このビューにより、より優れたコードを作成し、アプリケーションを十分に理解できるようになります。実装を UML 表記のダイアグラムで文書化することは、プロジェクトの専門知識の少ない利害関係者にシステムを説明する効果的な方法であり、規制された環境での準拠要件を満たす上でも役に立ちます。 この手法は、あまりなじみのない実装の構造を短時間で理解するための強力な方法ともなり、UML の経験はほとんど必要ありません。 開発者はごくわずかな UML 表記を学習するだけでよく、コードのビジュアル表現による追加の管理対象成果物の導入もほとんどないため、 この手法は非常に簡単に採用できます。

考慮事項

ビジュアル編集は全体像への理解を促進するためには有効ですが、制限があり、複雑なコードや定型的でないコードを編集する場合、必要な機能が得られないことがあります。 ビジュアル編集では高度なガバナンスがサポートされていないため、使いやすさはありますが、 プロジェクトのリスクを軽減したり実装の発展を管理したりできるアーキテクトによる厳格な管理はありません。また、ビジュアル編集では、パターンや変換などのモデル・ベースの自動化を使用して、品質および生産性の向上を図ることもできません。


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