UML から XSD への変換

UML では、Extensible Markup Language (XML) スキーマのビジュアル表示を作成し、さらに UML から XSD への変換を使用して XML Schema Definition (XSD) ファイルを生成することができます。

UML から XSD への変換には、UML から XSD へ、および UML から XSD へ (非推奨) の 2 とおりがあります。 UML から XSD への変換は、UML から XSD への (非推奨) 変換と置き換えられます。UML から XSD への (非推奨) 変換に関して、新しい機能は予定されていません。

UML から XSD への変換には次の機能が含まれていますが、UML から XSD への (非推奨) 変換には含まれていません。
注: オンライン・ヘルプ全体を通じて、UML から XSD への変換と UML から XSD への (非推奨) 変換は、単に「UML から XSD への変換」と呼ばれています。 特定の変換を示す場合は、「UML から XSD への変換のみ」または「UML から XSD への (非推奨) 変換のみ」という表現を使用して、対象の変換を区別しています。

XSD ファイル

XSD ファイルは XML スキーマ言語で書かれる XML スキーマのインスタンスです。 XSD ファイルまたはスキーマは、XML ファイルの構造を記述します。 これらには、XML スキーマに含めることができる要素および属性、要素および属性間の関係のほか、要素および属性の制約が定義されています。UML から XSD へのマッピング規則のセットを適用することにより、最初に XML スキーマの構造をモデル化します。 次に、UML から XSD への変換をそのモデルに適用し、XML ファイルの妥当性検査に使用可能な XSD ファイルを生成します。

XSD ファイルは、以下の場合に役立ちます。
  • 必要なタグなどの項目を検査することによる、データの妥当性検査
  • チーム間でのデータ内容の標準として使用できる、XML ファイルの構造の説明の生成
  • 追加情報を提供するスキーマへの注釈付けによる、システム文書の生成
  • 指定された XML ファイルによりアプリケーションで必要なすべての値が指定されない場合にアプリケーションが使用できる、デフォルト値の指定
  • 指定されたアプリケーションに固有であって、そのアプリケーションが XML 文書の処理に使用する、情報の識別

UML における XML スキーマのモデル化のためのガイドライン

UML を使用して XML スキーマのビジュアル表示を作成し、さらに UML から XSD への変換を実行して XSD ファイルを生成できます。 モデルには、XSD 要素を示す要素のほか、XSD に関連しない要素が含まれます。

XML スキーマを示す UML モデルを作成する場合は、以下のガイドラインに従います。

変換による UML 要素の XSD スキーマ要素への変換方法

UML から XSD への変換では、プロパティーのセットを使用して、変換によりソース・モデル要素から出力が生成される方法が決定されます。 UML から XSD への変換構成でプロパティーの値を定義する必要があります。 変換では、これらのプロパティー値が使用されて、以下の情報が決定されます。
  • 生成されたスキーマのターゲット名前空間
  • 生成されたスキーマのターゲット名前空間の接頭部
  • 変換出力ファイルを警告なしで上書きするかどうか
  • ネストされたクラスを変換する方法
  • ステレオタイプまたはキーワードがないクラスを変換するかどうか
  • ステレオタイプまたはキーワードがないパッケージに関してスキーマを生成するかどうか
  • (UML から XSD への変換のみ) すべての XSD ファイルを「スキーマ」フォルダー内に生成するのか、それともパッケージ名を継承したフォルダー内に生成するのか
  • (UML から XSD への変換のみ) 同じパッケージ内のすべてのクラスを 1 つの XSD ファイルに生成するのか、それとも各クラスを別々の XSD ファイルに生成するのか

デフォルトで、この変換は、 ソース・モデルで選択する各パッケージおよびそのコンテンツのスキーマを生成します。UML から XSD への変換が、«schema» ステレオタイプや schema キーワードを持たないパッケージのスキーマを生成するかどうかを指定できます。変換では、ネストされたパッケージに関してスキーマを生成しません。

デフォルトでは、変換は変換のソースとして選択したパッケージに包含されるすべてのクラスを処理します。 UML から XSD への変換が、ステレオタイプやキーワードを持たないクラスを処理するかどうか指定できます。

UML から XSD への変換の有効なソース

UML から XSD への変換により、以下の UML ソースから XSD ファイルが生成されます。 複数の有効な要素を変換のソースとして選択できます。

UML から XSD への変換の有効なターゲット

UML から XSD への変換の出力のターゲットとして、ワークスペース内のすべてのプロジェクトまたはフォルダーを指定できます。

変換出力のロケーション

UML から XSD への (非推奨) 変換によって生成される XSD ファイルは、変換の出力ターゲットとして指定したプロジェクト内の schema という名前のディレクトリーに保管されます。 スキーマが含まれるファイルの名前は、ソース・モデル内のパッケージと同じです。 生成されたスキーマには、そのファイル名拡張子として .xsd が付きます。 変換により、「ナビゲーター」ビューに生成されたスキーマが表示されます。

UML から XSD への変換の出力場所は、Target folder プロパティーに設定された値によって異なります。 追加オプションでは、希望する 1 つまたは複数のパッケージ名での出力作成、およびデータ型ごとの別個のファイル作成が可能になり、IBM® WebSphere® Integration Developer プロジェクトがサポートされます。

XSD スキーマの要素に変換する UML 要素

UML 内の複数の XSD 要素をモデル化できます。 変換では、対応する UML 要素から XSD 要素を生成する方法を決定するためにマッピング・ルールのセットが使用されます。

以下の表には、UML から XSD への変換による、UML モデル要素から XSD 要素への変換の内容がリストされています。

UML モデル要素 XSD スキーマ要素
パッケージ 接頭部付き単一名前空間
クラス 以下のタイプおよび再使用可能グループ
  • 属性グループ、名前付きモデル・グループ、および置換グループ
  • 複合タイプ
  • グローバル要素、属性
  • シンプル・タイプ
列挙 UML 列挙リテラルと等価な列挙ファセット付きの、XSD ストリング・シンプル・タイプの制約事項
注: これは、UML から XSD への変換プロファイルの «enumeration» ステレオタイプがある UML クラスとは異なります。 ステレオタイプの UML クラスでは、追加の一般 XSD 列挙が提供されます。
クラスのプロパティー 属性グループの属性

複合タイプの要素および属性

名前付きモデル・グループの要素および属性

attribute ステレオタイプを持つプロパティー プロパティーが単純型であり、多重度が [0..1] である場合の複合型の属性。それ以外の場合は、1 つの要素に変換されます。
関連 (集約) 組み込まれている要素の子クラス (複合タイプ)
汎化 複合タイプの拡張による導出

チーム・サポートとの統合

変換は、ファイルの自動チェックアウトや新規ファイルの追加を可能にする IBM Rational® Team Concert、CVS、Rational ClearCase®、および Rational ClearCase LT バージョン管理システムとの統合機能を提供します。構成管理システムを使用するには、チーム機能を有効にする必要があります。


フィードバック