一部の機能はモデル・テンプレートに関連付けられているので、 モデルの作成元である特定のテンプレートを選択した場合は、対応するツールのみが表示されます。 例えば、モデルで特定のダイアグラム・タイプを使用すると、 対応する UML ダイアグラム・ビルディング・ブロックの機能のみが使用可能になります。
モデル機能は、ワークベンチ機能に優先するため、これらの機能は、モデルに直接書き込まれます。 したがって、モデルを別のワークスペースで開いても、そのモデルに関連付けられている機能は有効になります。
モデルの作業をするときに、対応するワークベンチ機能が使用不可に設定されているアクションを実行しようとすると、 「設定」ウィンドウで機能を使用可能に設定するように、プロンプトが出されます。
視点は、機能の集合で、 これを使用することで、モデルの作業をするときにさまざまなコンポーネントを簡単に使用可能または使用不可に設定することができます。 視点を使用すれば、モデルに関連付けられている機能を変更せずに、 ワークスペースで使用可能にする機能を制限することができます。
デフォルトの視点は「モデル」視点です。この視点は、 完全な UML 要素と UML ダイアグラムの機能を提供します。 IBM Rational モデリング製品 には、その他に、「ユースケース」と「分析および設計」の 2 つの事前定義視点が含まれています。 各視点は、ユーザーの目的に関連する機能を提供します。 例えば、「ユースケース」視点は、ユースケース図、フリーフォーム図、ユースケース・ビルディング・ブロックなど、 ユースケース・モデリングをサポートする機能を提供します。 また、必要な機能のみを含むカスタム視点を作成することもできます。
機能を制御するには、視点を使用してください。 ワークベンチ機能を使用可能に設定した状態で、特定のモデル機能が使用可能になっているモデルを開くと、 表示される UI が期待どおりに制限されないことがあります。 これは、モデル機能がワークベンチ機能に優先するためです。 ただし、視点を使用すれば、使用できる UI は、期待どおりに表示されるはずです。
モデルに向けに使用可能に設定される機能の最終的な集合は、 機能をどう定義するかによって異なります。 「モデル」視点を使用した場合は、モデル機能またはワークベンチ機能のいずれかが適用されます。 その他の視点を使用した場合の最終的な機能は、選択した視点に関連付けられている機能と、 ワークベンチまたはモデルで現在使用可能に設定されている機能の論理積から計算されます。
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次の例では、 モデル・プロジェクトで各種のワークベンチ、モデル、および視点の機能を使用する方法を示します。
この例では、チームのメンバーが複数のモデルを共用するプロジェクトで開発者として作業することとします。 ただし、個々のメンバーが重視するモデルのパーツは、メンバーのロールによって異なります。
アーキテクトは、使用するモデリングのスタイルを決定しました。 特定のモデルの開発を簡略化するため、 アーキテクトは、クラス図、シーケンス図、状態マシン図、およびユースケース図の UML ダイアグラム・ビルディング・ブロックを使用可能に設定しました。
開発者の業務の一環として、ユースケースに基づいて設計を行う必要があるので、 ユースケース図、クラス図、およびシーケンス図に関係する要素のみを表示するように UI を詳細化する視点を作成します。 開発者のもう 1 つの業務は、要素の状態モデルを作成することなので、 クラス図と状態マシン図に関係する要素のみを表示する別の視点も作成します。 これで、異なる作業を行うときに視点を切り換えることができるようになります。
チームには、ユースケース分析のみを実行するメンバーもいます。 このアナリストは、新しいモデルを作成して、チームの他のメンバーはそのモデルに追加していきます。 アナリストのロールは非常に限定されているため、簡略化したユーザー・インターフェースがあれば、 そのロールのワークスペース・クラッターの削減に役立ちます。 アナリストは、ユースケース図、クラス図、およびシーケンス図に関連する要素のみを表示するようにワークベンチ機能を設定します。 ワークベンチの設定により、ユーザー・インターフェースに表示される要素が制限されるため、 このアナリストは、新しいモデルを作成するときに特別な視点に切り換える必要はありません。 モデル向けに使用可能に設定されている特定の機能がないので、チームの他のメンバーは同じモデルに他の UML ダイアグラムを追加できます。
つまり、モデル向けに特定の機能が使用可能に設定されていると、チームのメンバーはその機能しか使用できません。 ただし、チームの各メンバーは、視点を選択することで、ユーザー・インターフェースをさらに制限することができます。 モデル向けに特定の機能が使用可能に設定されていなければ、チームのメンバーは、 独自の視点を作成したり、独自のワークベンチの設定を行ったりすることで、 ロールに適した要素にユーザー・インターフェースを制限することができます。