UML から WSDL への変換の構成

変換で予想どおりの Web サービス記述言語 (WSDL) 出力を生成するために使用する情報を指定するには、構成のガイドをする「新規変換構成」ウィザードと変換構成エディターを使用します。
このタスクについて

変換構成は、ファイル名拡張子 .tc を持ち、変換が予想通りの出力を生成するために使用する情報が含まれます。また、変換構成には、 特定のタイプの変換に固有の情報も含まれています。既存の変換構成を編集するには、ワークスペース・リソースを示すビューで変換構成ファイルをダブルクリックし、変換構成エディターを開きます。

変換構成ファイルに関する作業を簡略化するには、変換する要素を含むプロジェクトに構成ファイルを保管します。

UML から WSDL への変換を構成するには、以下のようにします。

  1. 「ファイル」 > 「新規」 > 「その他」 > 「変換」 > 「変換構成」の順にクリックします。
  2. 構成の詳細を指定します。新規変換構成ウィザードの「構成名および変換の指定」ページで、以下のステップを完了します。
    1. 名前フィールドに、構成の名前を指定します。
    2. 構成ファイル宛先フィールドで、変換構成ファイルの宛先を指定します。宛先は、現行ワークスペース内の相対パスです。完全修飾プロジェクト名またはフォルダー名を指定できます。プロジェクト内のフォルダーを指定する場合は、フォルダー名の前に接頭部としてスラッシュ (/) を付ける必要があります。
    3. 変換リストから変換を選択します。
      注: インストールされていても使用可能になっていない変換を表示するには、すべての変換の表示をクリックします。 変換は、このリストに表示するには、機能にバインドする必要があります。
  3. プロトコル」セクションでモデリング・プロトコルを指定します。これは、設計規約管理プロトコル (DCMP) とも呼ばれています。選択する値によって、変換のソースとターゲットを同期するかどうかが決定されます。
    • ソース・モデルが基本技術成果物の場合は、概念を選択します。 ソース・モデルへの変更はすべてターゲット・モデルに波及します。
    • ターゲット・モデルが基本技術成果物の場合は、混合をクリックします。 変換により、ソースの成果物は、ターゲットの成果物に直結するビジュアル表示に 変換されます。 ソース・モデルで作業する代わりに ターゲット・ドメイン内で作業する場合、または分析のために成果物を保持する場合に このオプションを選択します。 変換出力は、基本技術成果物になります。
    • ソース成果物が表すアーキテクチャーがターゲットとは独立して発展する場合は、「調整」を選択します。このオプションを選択すると、ソースとターゲットの比較や変更の調整に利用できる 後方変換を使用できるようになります。また、他のチームによって該当のアーキテクチャーが 実装、開発、または保守される場合にも、このオプションを選択することができます。
      注: このオプションを選択すると、「メイン」ページの「後方変換」セクションで、追加のプロパティーが使用可能になります。 一部の変換では、変換構成エディターで追加のページが使用可能になります。 後方変換の構成について詳しくは、下の関連リンクを参照してください。
  4. 「次へ」をクリックします。
  5. 変換のソース要素とターゲット要素を指定します。有効なソース要素とターゲット要素のリストについては、この変換に関する関連概念のトピックを参照してください。 「ソースとターゲット」ページで、以下のステップを実行します。
    1. 選択済みソース」ペインで、変換対象の変換用にソース要素を選択します。
    2. 選択済みターゲット」ペインで、変換出力の宛先を選択します。出力の新規の宛先を作成するには、ターゲット・コンテナーの作成をクリックします。
  6. 「終了」をクリックします。 変換構成エディターが開くと、構成の内容が表示されます。
  7. オプション: 変換によって生成される出力が、保存されているモデルを置き換えるか、それとも保存されているモデルとマージするのかを指定するには、「マージ・オプション」セクションで、以下のマージ・オプションから選択します。
    オプション 説明
    ビジュアル・マージ モデルのマージ時に、ユーザーにプロンプトと 警告ダイアログ・ボックスを表示します。
    サイレント・マージ モデルのマージ時に、プロンプトおよびダイアログ・ボックスを 表示しません。
    マージなし: 警告せずにファイルを上書き 競合しているファイルをすべて自動的に上書きします。
    マージなし: ファイルを上書きする前に警告 競合しているファイルを上書きする前に、確認のプロンプトが表示されます。
    ターゲット・モデルへの新規要素の自動追加 確認のプロンプトなしで新規要素が追加されます。「ビジュアル・マージ」を選択すると、このオプションが使用可能です。
    ファイルの検証前に変更を保存 ファイルの検証を許可する前にマージされたモデルを保管することをユーザーに要求します。「ビジュアル・マージ」を選択すると、このオプションが使用可能です。
    保存された変更の自動検証 マージされたモデルが保存された後に、「マージ済み結果の検証セッション」ウィンドウが開きます。「ビジュアル・マージ」を選択すると、このオプションが使用可能です。
  8. オプション: デバッグ情報を生成するには、「メイン」ページでデバッグ・ログの生成チェック・ボックスを選択します。 次回変換を実行したときに、ログ・ファイルが XML ファイルとして、変換の設定で指定したフォルダーに生成されます。 ログ・ファイルの場所を指定していない場合は、変換によりワークスペースの .metadata フォルダーにログ・ファイルが生成されます。
    ヒント: 変換の設定を行うには、「ウィンドウ」 > 「設定」とクリックし、「モデリング」を展開して、「変換」をクリックします。

    ログ・ファイルは、ソース要素、ターゲット要素、および変換によってソース要素が変換されるときに適用される規則に関する情報を提供します。変換が多数の要素を変換する場合、変換がログ・ファイルを生成している間はパフォーマンスが低下することがあります。そのため、ログ・ファイルを生成するのは、デバッグ目的の場合のみにしてください。

  9. オプション: 変換の実行時に発生したエラーを表示するには、「メイン」ページで変換の完了時に「レポート」ダイアログ・ボックスを開くチェック・ボックスを選択します。このチェック・ボックスを選択すると、生成されたエラーのみが表示されます。同じ情報はエラー・ログにも書き込まれます。このエラー・ログは「ウィンドウ」 > 「ビューの表示」 > 「エラー・ログ (Error Log)」の順にクリックすることで表示できます。

    変換の実行時に発生した警告を表示するには、「レポート」ダイアログ・ボックスに警告を表示チェック・ボックスを選択します。

  10. オプション: 変換構成に関する文書を指定します。このフィールドは、複数のユーザーが共有する構成に関する情報を伝達する場合に便利です。「メイン」ページの「文書」フィールドに、変換構成についての追加情報を指定します。
  11. オプション: 「WSDL オプション」タブをクリックして、UML から WSDL への変換が使用する、デフォルトまたはカスタムの WSDL バインディングを指定します。
    • 変換で、ソース・モデル内の各インターフェースに同じバインディングが適用されるよう指定するには、「バインディング」列ヘッダーをクリックし、「すべてのバインディングを次の場所に設定」を選択して、リストからバインディングを選択します。

      変換では、変換構成で指定されているバインディングが、すべてのインターフェースに適用されます。

    • ソース・モデル内の各インターフェースに異なるバインディングを適用するには、適切なインターフェースを含む行で、「バインディング」列の値をクリックし、リストからバインディングを選択します。
    • SOAP バインディングを持つインターフェースに JMS (Java メッセージ・サービス) を使用するには、「SOAP バインディングのトランスポート・オプション」リストで、「JMS」を選択し、JMS プロパティー値を設定します。 変換により soap:address (サービス・ポート下) が生成されます。location は、「TargetNamespace + /ServiceName + /PortName」という形式で表されます。
      例えば、JMS トランスポート・オプションを選択すると、次の WSDL 出力が生成されます。
      <wsdl:service name="Interface2">
          <wsdl:port binding="tns:Interface2Binding" name="Interface2Port">
              <soap:address location="jms:/queue?connectionFactory=xxxQCF&destination=xxxQ&initialContextFactory=com.ibm.NamingFactory&jndiProviderURL=iiop://xxx:900/&targetService=Interface2Port"/>     
          </wsdl:port>   
      </wsdl:service>
    • 変換において「バインディング」列に表示されている各 SOAP インターフェースについて SOAP バインディングの同じバージョンを生成するよう指定するには、「SOAP バージョン」の列見出しをクリックし、「すべての SOAP バージョンを次のように設定」を選択して、表示されるリストからバージョンを選択します。
    • 「バインディング」列に表示されている SOAP インターフェースごとに異なる SOAP バージョンを指定するには、該当するインターフェースを含む行の「SOAP バージョン」列の値をクリックし、表示されるリストからバージョンを選択します。
  12. オプション: 「出力オプション」タブをクリックして、変換構成の出力オプションを指定します。
    • 変換によって生成されるインターフェースとデータ型ごとに別個のファイルを作成するには、「すべてのインターフェースとデータ型ごとに別個のファイルを作成する」を選択します。変換では、Wrapped Document Literal バインディングも使用されます。
    • ステレオタイプが適用されていない UML 要素を処理するには、「ステレオタイプを持たない UML 要素を処理」を選択します。
      このチェック・ボックスのチェックが外れていて、サービス・モデリング (SoaML) プロファイルがモデルに適用される場合、変換で処理されるのは以下の要素だけです。
      • «Participant» ステレオタイプが適用されているコンポーネント
      • «ServiceInterface» ステレオタイプが適用されているインターフェース

      このチェック・ボックスのチェックが外れていて、ソフトウェア・サービス・プロファイル (推奨されない) がモデルに適用される場合、変換で処理されるのは、ステレオタイプが適用されているパッケージまたはコンポーネント中の要素だけです。

      変換によって生成される出力について詳しくは、下記の関連リファレンスのトピックを参照してください。

    • WSDL 文書の出力を IBM® WebSphere® Integration Developer に準拠させるため、変換に「追加の複合タイプ (WRAPPED-DOCUMENT-LITERAL バインディングのみに適用) を生成 (Generate additional complex types (applies to the WRAPPED-DOCUMENT-LITERAL binding only))」を選択して、入力パラメーターなしの操作を含む UML インターフェース用の追加の複合タイプを生成します。

      変換により、XSD 要素が生成され、インターフェース操作からその要素に名前が付けられ、新規要素を参照する WSDL 要求メッセージに WSDL パーツが追加されます。

    • 変換により参照データ型と派生データ型がどのように処理されるかを指定するには、「データ型の処理」リストから設定を選択します。
    • リソースのターゲット名前空間の接頭部と接尾部の追加を指定するには、テーブルでリソースを選択し、次に「名前空間の編集」をクリックします。
    • 出力スキーマ・ファイルのパスを指定するには、「出力ロケーションの編集」をクリックします。

      スキーマ・ファイルの場所は、ターゲット・コンテナーの下にある任意のフォルダーにすることができます。ターゲット・コンテナーは「ソースとターゲット」ページで指定します。また、新規フォルダーの追加先のターゲット・コンテナーの下のパスを指定することもできます。新規フォルダーは、変換の完了時に作成されます。

    • リソースのファイル名に追加する接頭部と接尾部を指定するには、テーブルでリソースを選択してから、「ファイル名の編集」をクリックします。
  13. オプション: 「プロパティー」タブをクリックし、「値」列のプロパティーを選択して、UML から WSDL への変換のプロパティーに値を指定します。
    オプション 説明
    広範囲にわたるコンテキスト検査を実行 変換構成が保存されるたびに広範なコンテキスト検査を実行するかどうかを指定します。 この値を false に設定すると、パフォーマンスが向上します。また、Parlay X 仕様整合 WSDL を生成する場合、この値は必須です。

    コンテキスト検証は引き続き、変換を実行するたびに行われます。

    名前空間の最初のセグメントの反転 (Reverse the first segment of the namespace) true に設定すると、変換により、トップレベルの UML パッケージ名を持つフォルダー内にスキーマが生成され、実際の URL に似た名前空間、および Java パッケージの標準的な名前が生成されます。例えば、トップレベルのパッケージ名が com.xyz.test の場合、スキーマは com/xyz/test というフォルダー内に生成され、その名前空間は http://test.xyz.com/、Java パッケージ名は com.xyz.test になります。
    循環参照の変換ソースを検証 循環参照のソースを検査するかどうかを指定します。 XSD は循環参照を使用しますが、WSDL 文書からコードを生成するために使用される一部のツールはエラーを出します。
  14. オプション: 変換の拡張を使用可能にするか使用不可にするかを指定します。
    • 拡張」ページで、変換の拡張のチェック・ボックスを選択またはクリアして、使用可能または使用不可に設定します。
  15. オプション: この内容は、バージョン 7.5.4 以降にあてはまります。IBM Rational® Modeling for Communications Applications用のフィーチャーを既にインストールしている場合に Parlay X 仕様整合 WSDL を生成するには、関連する変換拡張を有効にして、コンテキスト検査を無効にする必要があります。 Parlay X WSDL を生成するには、以下のステップを実行します。
    1. 拡張」タブをクリックし、「UML から WSDL への変換拡張 (UML to WSDL extensions)」下の ID 列で、「ParlayX 拡張の変換拡張 (ParlayX extension Transformation extension)」という名前の拡張用チェック・ボックスをクリックします。
    2. プロパティー」タブをクリックし、「広範囲にわたるコンテキスト検査を実行」を false に設定します。
  16. 「ファイル」 > 「保存」をクリックします。
タスクの結果
オプションは次回変換を実行したときに適用されます。

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