SAP Performance Test のガイドライン

SAP アプリケーションのパフォーマンス・テストを開始する前に、信頼性のある SAP パフォーマンス・テストを実行するため、テスト環境をセットアップして以下のガイドラインを取り入れます。

SAP 構成

IBM® Rational® Performance Tester と同じコンピューターに SAP GUI クライアント・ソフトウェアがインストールされている必要があります。パフォーマンス・テストの記録と実行には SAP GUI クライアントが必要です。SAP GUI バージョンのサポートについて詳しくは、SAP の SAP Note 1412821 - SAP GUI for Windows: Support on Windows を参照してください。

この製品は、デフォルトでは SAP GUI 7.10 および 7.20 に合わせて最適化されています。旧バージョンの SAP GUI 6.20 および 6.40 でのパフォーマンスを向上させるには、長時間テストの実行時に、C:¥Program Files¥IBM¥SDP¥plugins¥com.ibm.rational.test.lt.runtime.sap ディレクトリーに格納されている bridge2java.dll ファイルを、bridge2java.dllbridge2javaV7.dll に名前変更し、bridge2javaV6.dllbridge2java.dll に名前変更することによって変更する必要があります。

リモート・コンピューターにテストをデプロイして多数のユーザーをシミュレートする場合は、各リモート・マシンに以下のソフトウェアがインストールされている必要があります。
  • SAP GUI クライアント・ソフトウェア。テストが記録されたクライアントと同じログオン・プロパティーを使用して構成します。
  • 製品に付属の IBM Agent Controller ソフトウェア

パフォーマンス・テストは、SAP Scripting API および ActiveX に依存します。 SAP GUI クライアントをインストールするときに、これらのオプションを選択するようにしてください。

パフォーマンス・テストを記録および実行するには、SAP R/3 アプリケーション・サーバーと、リモート・コンピューターにインストールされているすべての SAP GUI クライアントでスクリプトが使用可能に設定されていることも必要です。詳しくは、パフォーマンス・テストのための SAP R/3 の構成に関するトピックを参照してください。

制限

デフォルトでは、パフォーマンス・テストの再生中に各仮想ユーザーが SAP GUI をサイレント・モードで実行します (ユーザー・インターフェースは画面に表示されません)。ただし、SAP GUI の一部のモーダル・ダイアログ・ボックスが画面上に一瞬表示されることがあります。

低速の接続速度が設定された SAP GUI を使用して SAP テストを記録しないようにしてください。この設定で記録したテストは、通常の速度の接続では実行できません。

バッチ入力テスト

バッチ入力テストでは、仮想ユーザー・コンピューターへの負荷を最小限に抑えた状態で、多数の仮想ユーザーをシミュレートできます。

バッチ入力テストは SAP GUI インターフェースをバイパスし、下位レベルで SAP R/3 サーバーにアクセスするため、バッチ入力テストには検証ポイントおよび SAP GUI エレメントを含めることができません。 このテストの主な目的は、既に SAP パフォーマンス・テストが含まれているテスト・スケジュールに追加した場合のサーバーにかかる負荷をシミュレートすることです。SAP アプリケーションのパフォーマンスを正確に測定できるのは SAP パフォーマンス・テストのみです。

バッチ入力トランザクションは SAP GUI に記録され、ファイル・システムにエクスポートされます。 記録されたこれらのトランザクションに基づくバッチ入力テストを生成できます。

Rational Agent Controller の要件

デフォルトでは、ワークベンチがテストを記録または実行するたびに、プロセスとして Rational Agent Controller が起動します。ただし、Windows Server 2003、2008、または Windows Vista を実行していて、オプションの IBM Rational Agent Controller サービスをインストールしてある場合、SAP パフォーマンス・テスト中に SAP GUI が表示されるように、テストを実行する前に手動で Rational Agent Controller をプロセスとして起動する必要があります。これを行うには、C:¥Program Files¥IBM¥IBMIMShared¥plugins¥org.eclipse.tptp.platform.ac.win¥agent_controller¥bin にある ACServer.exe プログラムを実行します。 Windows にログインするたびに Rational Agent Controller を起動する必要があります。

パフォーマンス

パフォーマンス・テストをデプロイするときには、特定のコンピューターで適切な数の仮想ユーザーを使用することが重要です。例えば、1 つのコンピューターにデプロイする仮想ユーザーの数が多すぎると、SAP R/3 アプリケーション・サーバーのロードよりもテスト・コンピューターのロードが結果に反映されます。

平均的なテスト・コンピューター (1 GHz プロセッサーおよび 1 GB の RAM を搭載) でのパフォーマンス・テストで最適な結果を得るために、同時仮想ユーザーの数は 50 以下にしてください。バッチ入力テストでの同時仮想ユーザーの最大数は約 500 です。

1 台のテスト・コンピューターで実行可能な仮想ユーザー数を超えると、テスト・コンピューターのパフォーマンスがサーバーの測定パフォーマンスに影響し、これにより最終結果が無効になります。

長期パフォーマンス・テストのスケジュールを編集するときには、以下の推奨事項を使用してください。
  • スケジュール・エディターで、「テスト・ログ・レベル」「なし」に下げます。
  • スケジュール・エディターで、[統計サンプル間隔] を実行時間の約 1/60 に設定します。例えば、12 時間と推定されるセッションの場合は 12 分です。
  • 可能な場合には、スケジュールではなくテスト・スイート内でループを使用します。 テスト・スイート内でループを使用すると、長期テストで発生する可能性がある接続の問題を防ぎ、ログオン・プロセスではなく実際の SAP トランザクションの測定結果が強調されます。

長期テスト実行

24 時間を超える長時間テスト・スケジュールを実行する際、長期実行モードを使用して SAP GUI クライアントのリソース消費を抑制します。 このモードでは、テストが複数のプロセスで実行されるため、長期テスト実行の信頼性が向上します。スケジュール内のユーザー・グループごとにこのオプションを使用可能にする必要があります。

長期実行モードでは、SAP テスト・インスタンスの数が指定された数に到達するたびに、新規プロセスが作成されます。

SAP 作業ディレクトリーの消去

場合によっては、SAP パフォーマンス・テストの実行時に SAP GUI によって SapWorkDir ディレクトリーの下にトレース・ファイルが作成されます。環境変数 RPT_CLEAN_SAPWORKDIR または java VMARG rptCleanSapWorkDir を設定することによって、これらのファイルを削除できます。例:
  • -DrptCleanSapWorkDir=C:¥Documents and Settings¥UserName¥SapWorkDir
  • RPT_CLEAN_SAPWORKDIR="C:¥Users¥UserName¥AppData¥Local¥SAP¥SAP GUI¥Traces"

変数を SapWorkDir フォルダーのロケーションに設定した場合、スケジュールの開始時にそのフォルダーの内容 (*.trc ファイル) は除去されます。変数が true または on に設定されている場合、本製品は、SapWorkDir フォルダーを自動的に検索してから、その内容を除去します。変数が false または off に設定されている場合は、アクションは実行されません。


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