Rational Focal Point および Collaborative Lifecycle Management

内容

1. Jazz serverへの接続
2. OSLC-CM 統合属性の追加
3. 作業項目の作成および表示
4. CLM システムからの情報の取り出し
5. プロジェクトを CLM にエクスポートするための Rational Focal Point での統合属性のセットアップ
6. プロジェクトの統合属性別名
7. Rational Focal Point からのプロジェクトのエクスポート
8. プロジェクトおよびビジネス・ニーズ情報の更新
Rational Focal Point と Collaborative Lifecycle Management (CLM) の統合

Rational Focal Point および Collaborative Lifecycle Management

IBM® Rational® Focal Point™ は、Open Services Lifecycle Collaboration (OSLC) 変更管理仕様のサポートによる Collaborative Lifecycle Management (CLM) Integration を提供します。 Rational Team Concert などの Open Services Lifecycle Collaboration - Change Management (OSLC-CM) プロバイダーと連携するように Rational Focal Point を構成することができます。

この統合により、Rational CLM 製品を使用してソリューションを計画、実行、および配布することが可能になります。 例えば、製品管理において、Rational Focal Point でのリリース・コンテンツを定義し、Rational Team Concert を使用して開発をサポートすることができます。

Jazz™ serverとの統合をセットアップすると、作業項目を作成し、既存の作業項目にリンクし、Jazz server内の作業項目情報を表示することができます。

Jazz server内のプロジェクト域に接続し、作業項目へのリンクを作成するには、モジュールの CALM リンク属性を構成する必要があります。


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Rational Focal Point と Jazz Team Server の接続

1. Jazz serverへの接続

管理者は、Jazz™ serverとの統合をセットアップすることができます。IBM® Rational® Focal Point™ および Jazz server が通信し、データを共有するには、サーバーにアクセスするための OAuth キーを設定する必要があります。 また、連携するサーバーのリストを管理するためのフレンド関係を作成することも必要です。

始める前に

Jazz server 管理者は、Jazz server のコンシューマー・キーを Rational Focal Point 用に作成する必要があります。

手順

  1. Jazz server 管理者から、Rational Focal Point 用に構成されたコンシューマー・キーおよびコンシューマー機密事項を入手します。
  2. Rational Focal Point「アプリケーション」 > 「フレンド」をクリックします。
  3. フレンドの追加」アイコン フレンドの追加 をクリックします。
  4. OAuth フレンドの追加」ウィンドウで、Jazz server 詳細を追加します。
    1. 接続の名前を指定します。例えば、RTC 1 などです。
    2. Jazz server ルート・サービス URL を指定します。 例:
      • Rational Team Concert 2.x に接続している場合は、ルート・サービス URL は https://www.example.com:9443/jazz/rootservices になります。
      • Rational Team Concert 3.x に接続している場合は、ルート・サービス URL は https://www.example.com:9443/ccm/rootservices になります。
    3. OAuth コンシューマー・キー」フィールドで、Rational Focal Point 用に Jazz server で作成されたコンシューマー・キーを指定します。
    4. OAuth 機密事項」フィールドで、コンシューマー機密事項を指定します。
    5. 保存」をクリックします。

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Jazz Team Server と統合するための OSLC-CM 統合属性の追加

2. OSLC-CM 統合属性の追加

Jazz™ server内の特定プロジェクト域にリンクし、作業項目を作成するには、モジュールの CALM リンク属性を構成する必要があります。

始める前に

Rational® Focal Point™Jazz serverを統合するには、管理者であることが必要です。

手順

  1. 「構成」 > 「属性」をクリックします。
  2. Jazz serverにリンクするモジュールを選択します。
  3. 属性の追加」をクリックします。
  4. CALM リンク」をクリックします。
  5. 属性の名前と説明を指定します。 作業項目を作成すると、これらの値が作業項目の要約フィールドと説明フィールドに表示されます。
  6. 許可されたサービス・プロバイダー」フィールドに、サーバー間の接続を確立するために「フレンド」リストに追加された接続の名前がリストされます。 必要な接続サーバーを選択してください。
  7. 選択したサーバーで使用可能なすべてのプロジェクト域がリストされます。 リンク先となる、必要なプロジェクト域を選択してください。
  8. OK」をクリックします。

次のタスク

見積もり合計などの作業項目情報をさらに Jazz Team Server から取り出すために、属性を追加することができます。 詳しくは、『CLM システムからの情報の取り出し』を参照してください。

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CLM 統合を使用した作業項目の作成および表示

作業項目の作成および表示

3. IBM® Rational® Focal Point™ では、Collaborative Lifecycle Management (CLM) リポジトリーに追加される作業項目を作成できます。 また、CLM システムで作業項目を検索し、それらにリンクして、情報を表示できます。

始める前に

手順

  1. Rational Focal Point で、編集する属性値を含むモジュールを開きます。
  2. CALM リンク属性行で、「編集」アイコン 「編集」アイコン をクリックします。
  3. CLM システムで作業項目にリンクするには、「選択」をクリックします。
    1. CLM システム・ユーザー ID とパスワードを指定して、ツールにログインします。
    2. 作業項目選択 (Work item selection)」ウィンドウで、作業項目番号またはキーワードを指定して、必要な作業項目を検索します。
    3. 検索結果から、必要な作業項目を選択します。
    4. OK」をクリックします。 作業項目のタイトルと番号が属性行にリストされます。
  4. 作業項目を作成するには、「新規作成」をクリックします。
    1. CLM システム・ユーザー ID とパスワードを指定して、ツールにログインします。
    2. 必要な作業項目詳細を追加します。 必ず、作業項目の必須属性をすべて指定してください。 デフォルトでは、要約フィールドと説明フィールドには、Rational Focal Point で CALM 属性に指定した名前と説明が入れられます。
    3. OK」をクリックします。 作業項目のタイトルと番号が属性行にリストされます。
  5. 保存保存アイコン をクリックして、モジュールの属性値を保存します。
    ヒント: 作業項目の詳細を表示するには、属性値としてリストされた作業項目の上にマウス・ポインターを移動してください。

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XPathValueFetcher ビジネス・ルールを使用した CLM システムからの作業項目情報の取り出し

4. CLM システムからの情報の取り出し

見積もり合計値や所要時間値など、作業項目に関する詳細は、XPathValueFetcher ビジネス・ルールを使用して取得できます。 XPathValueFetcher ビジネス・ルールは、Collaborative Lifecycle Management (CLM) システムの作業項目を照会します。

始める前に

手順

CLM システムから作業項目情報を取り出すように属性を構成するには、以下のようにします。

  1. 「構成」 > 「属性」をクリックします。
  2. CALM リンク属性を含み、CLM システムから詳細情報を取り出すために属性を必要とするモジュールを選択します。
  3. 属性の追加」をクリックします。
  4. CLM システムから取り出す値のタイプに基づいて属性タイプを選択します。 例えば、Rational® Team Concert の見積もりフィールドから値を取り出すには、整数属性タイプを使用できます。
  5. 属性の名前と説明を指定します。
  6. デフォルト値」フィールドに、次の形式で XPathValueFetcher ビジネス・ルールを指定します。
    =XPathValueFetcher('CALM link attribute',"URL parameters","XPath expression","Global User ID")
  7. OK」をクリックします。

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プロジェクトをエクスポートするための統合属性のセットアップ

プロジェクトをエクスポートするための統合属性のセットアップ

必要なビジネス・ニーズを持つ プロジェクトが 5. IBM® Rational® Focal Point™ で 完成した後に、プロジェクト実行のために Collaborative Lifecycle Management (CLM) システムにプロジェクトをエクスポートできます。 プロジェクトを CLM システムにエクスポートすると、プロジェクト域が作成され、ビジネス・ニーズごとに作業項目が作成されます。 定期的に CLM システムと同期化して、プロジェクト状況を見ることができます。

始める前に

Jazz™ serverとの統合をセットアップします。

手順

プロジェクトをエクスポートするように統合属性を構成するには、以下のようにします。

  1. サーバーに接続します。
    1. Rational Focal Point で、「構成」 > 「統合」をクリックします。
    2. コネクターの追加」をクリックします。
    3. プロジェクトを表示するビューを選択します。
  2. 統合属性およびプロジェクトの対応する別名を構成します。
    1. 「構成」 > 「属性」をクリックして、プロジェクトのモジュールを選択します。
    2. モジュールで、提案された開始日、提案された終了日、およびプロジェクト・リンクの統合属性が使用可能であることを確認します。 これらの属性が存在しない場合は作成します。 オプションで、追加の統合属性をセットアップできます。
    3. 「構成」 > 「別名」をクリックし、統合属性別名で指定した、統合属性の別名を構成します。
  3. ビジネス・ニーズの統合属性を構成します。ビジネス・ニーズはさまざまなモジュール内に存在させることができます。それぞれのモジュールでこれらのステップを実行できます。
    1. 「構成」 > 「属性」をクリックして、ビジネス・ニーズ・モジュールを選択します。
    2. ビジネス・ニーズ・モジュールで、必要とする統合属性が使用可能であることを確認するか、またはそれらの属性を作成します。
    3. 「構成」 > 「別名」をクリックし、統合属性別名で指定した、統合属性の別名を構成します。

次のタスク

統合をセットアップした場合には、「アプリケーション」 > 「ログイン・ページ」をクリックして、ログイン・ページ設定で、ログインに使用する「ログインまたはバランサーの URL」が指定されていることを確認します。この URL は CLM で使用され、現在の Rational Focal Point インストールへのリンクを表示します。

これでプロジェクトを Rational Focal Point から CLM にエクスポートできるようになりました。


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CLM および Rational Focal Point での統合属性の別名

プロジェクトの統合属性別名

6. Rational® Focal Point™ および Collaborative Lifecycle Management (CLM) システムを統合すると、ポートフォリオおよびプロジェクト・パースペクティブからの同じプロジェクト情報を処理できます。 統合セットアップの一部として、両製品で認識されている Rational Focal Point からの統合別名属性を指定する必要があります。

プロジェクト・エクスポート用の属性

属性名は製品によって異なっていてもかまいません。 ただし、統合属性の内容を共有および更新するには、すべての統合属性で、指定の別名を使用する必要があります。
表 1. プロジェクト・エクスポート時に CLM に転送される Rational Focal Point の属性
モジュール 属性 属性タイプ 別名 CLM での名前 (公式プロジェクト管理テンプレート) コメント
プロジェクト タイトル テキスト - プロジェクト域名 Rational Focal Point 内のプロジェクトの名前は、CLM 内のプロジェクト域の名前になります。
プロジェクト ターゲット開始日 (Target Start Date) 日付 ProposedStart 開始日 開始日は、反復の開始日です。 CLM では、日付は「プロジェクト管理 (Project-Administration)」 > 「時刻表エディター (Time-line editor)」で表示されます。
プロジェクト ターゲット終了日 (Target End Date) 日付 ProposedFinish 終了日 (Finish Date) 終了日は、反復の終了日です。 CLM では、日付は「プロジェクト管理 (Project-Administration)」 > 「時刻表エディター (Time-line editor)」で表示されます。
プロジェクト ビジネス・ニーズ イン・リンク Tasks 「計画項目 (Plan Item)」、「タスク」、「障害」など 計画項目 (Plan Item)、ストーリー (Story)、または障害 (Defect) などの作業項目タイプ。 CLM ではプロセス・テンプレートによって定義されます。
プロジェクト CLM のプロジェクトへのリンク URL ProjectMgmtURI - CLM の計画ビュー内のプロジェクトへのナビゲーション Web リンク
プロジェクト 実装プロジェクト URI (Implementation Project URI) URL ProjectMgmtSyncURI - 統合に使用される非表示必須リンク
ビジネス・ニーズ タイトル テキスト - 作業項目の要約 (Work item Summary) Rational Focal Point でのビジネス・ニーズの名前は、作業項目の要約になります。
ビジネス・ニーズ 説明 テキスト - 作業項目の説明 (Work item Description) Rational Focal Point でのビジネス・ニーズの説明は、作業項目の説明になります。
プロジェクトをエクスポートすると、CLM 内のプロジェクトへのリンクが作成されます。

プロジェクト更新用の属性

表 2. プロジェクトの更新時に CLM システムからのデータで更新される Rational Focal Point の属性
モジュール 属性 属性タイプ 別名 CLM での名前 (公式プロジェクト管理テンプレート) コメント
Projects Total Planned Effort 整数 PlannedEffort 計画労力 (Planned Effort) CLM での計画労力は、Eclipse クライアントでは反復計画ビューに進行状況表示バーとして示されます。 Web クライアントでは、計画労力は反復計画リスト・ビューにあります。
Projects Total Actual Effort 整数 ActualWork 実労力 (Actual Effort) CLM での実労力は、Eclipse クライアントでは反復計画ビューに進行状況表示バーとして示されます。 Web クライアントでは、実労力は反復計画リスト・ビューにあります。
Projects Planned Start Date 日付 PlannedStart 予定開始日 予定開始日は、CLM の反復計画リスト・ビューにあります。
Projects Planned End Date 日付 PlannedFinish 予定終了日 予定終了日は、CLM の反復計画リスト・ビューにあります。
Projects Last Snapshot Date 日付 SnapshotDate スナップショット作成日 更新を Rational Focal Point で行うには、CLM でスナップショットを取る必要があります。 スナップショットの日付は、更新後に Rational Focal Point に示されます。
Projects Completeness (%) 整数 PercentComplete 完了 % (Percent Complete) すべてのビジネス・ニーズの進行状況がまとめられ、プロジェクトの完了度として CLM システムに表示されます。 例えば、34% や 78% などです。
Business Needs Planned Effort 整数 PlannedEffort 見積もり / 修正 (Estimate / Correction) CLM での見積もりは、計画労力として Rational Focal Point に示されます。 修正が入力されると、見積もりはオーバーライドされます。
Business Needs Actual Effort 整数 ActualWork 所要時間 (Time Spent) CLM での所要時間は、実労力として Rational Focal Point に示されます。
Business Needs Planned Start Date 日付 PlannedStart 予定開始日 予定開始日には、CLM の「ガント」ビュー (計画詳細) の作業項目時刻表からの情報が含まれています。
Business Needs Actual Start Date 日付 ActualStart 実開始 (Actual Start) 実開始日には、CLM の「ガント」ビュー (計画詳細) の作業項目時刻表からの情報が含まれています。
Business Needs Planned End Date 日付 PlannedFinish 予定終了日 予定終了日は、CLM の「ガント」ビュー (計画詳細) の作業項目時刻表からの情報が入れられます。
Business Needs Actual End Date 日付 ActualFinish 実終了 (Actual Finish) 実終了日は、CLM の「ガント」ビュー (計画詳細) の作業項目時刻表からの情報が入れられます。
Business Needs Last Snapshot Date 日付 SnapshotDate スナップショット作成日 ビジネス・ニーズの最終スナップショット日は、関連するプロジェクトと同じ日付になります。
Business Needs Completeness (%) 整数 PercentComplete 完了 % (Percent Complete) すべての子作業項目の進行状況がまとめられ、完了度としてパーセンテージで CLM システムに表示されます。 例えば、34% や 78% などです。
Business Needs Work Items CALM リンク WorkItem - Rational Focal Point の作業項目属性は、CLM の作業項目にリンクします。

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Rational Focal Point から CLM へのプロジェクトのエクスポート

7. Rational Focal Point からのプロジェクトのエクスポート

プロジェクト実行のために、プロジェクトとその関連ビジネス・ニーズを IBM® Rational® Focal Point™ から Collaborative Lifecycle Management (CLM) システムにエクスポートすることができます。 エクスポートにより、1 つのプロジェクト域と各ビジネス・ニーズの作業項目が作成されます。 新規プロジェクトへのリンクが作成され、Rational Focal Point に表示されます。

始める前に

プロジェクトをエクスポートする前に、統合属性を指定して、統合をセットアップします。CLM にプロジェクト域を作成するための権限が必要です。

手順

プロジェクトおよびビジネス・ニーズをエクスポートするには、以下のようにします。

  1. Rational Focal Point で「表示」をクリックし、エクスポートするプロジェクトが含まれるビューを選択します。
  2. Jazz でのプロジェクトの作成 をクリックします。
  3. フレンド・リスト・サーバーを選択し、Jazz ログイン資格情報を入力して、「ログイン」をクリックします。
  4. 必要なプロセス・テンプレートを選択します。 プロジェクト域は、選択したプロセス・テンプレートに基づいて作成されます。
  5. 必要な作業項目タイプを選択します。 ビジネス・ニーズはすべて、選択したタイプの作業項目として作成されます。
  6. 作業項目の所有者を選択します。
  7. 作成」をクリックします。 新しいビジネス・ニーズがプロジェクトに追加されると、そのビジネス・ニーズ・エレメントから CLM システムに作業項目を作成できます。

タスクの結果

CLM システムでは、プロジェクトに対応するプロジェクト域、先頭反復、およびリリース計画が作成されます。 ビジネス・ニーズごとに、CLM システムに作業項目が作成されます。 エクスポートが完了した後に、「プロジェクト URI (Project URI)」フィールドが、新規プロジェクトの URI で更新されます。プロジェクトを開くには、リンクをクリックします。 作業項目としてエクスポートされるビジネス・ニーズについて、関連する作業項目を CLM システムに作成できます。

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CLM からのプロジェクトおよびビジネス・ニーズ情報の更新

プロジェクトおよびビジネス・ニーズ情報の更新

プロジェクトに指定されたすべての統合属性について、Collaborative Lifecycle Management (CLM) システムからプロジェクト情報および関連するビジネス・ニーズを更新できます。

手順

プロジェクトおよびビジネス・ニーズを更新するには、以下のようにします。

  1. 8. CLM システムで、リリース計画について計画されたタイプのスナップショットを作成します。
  2. IBM® Rational® Focal Point™ で「表示」をクリックします。 CLM にエクスポートするプロジェクトを含むビューを選択してください。
  3. プロジェクトの更新 をクリックします。
  4. セッションの有効期限が切れた場合は、Jazz ログイン資格情報を入力します。 「ログイン」をクリックしてください。

タスクの結果

選択したプロジェクトが CLM からの情報で更新されます。
注: Rational Focal Point のビジネス・ニーズに関連付ける必要がある新しい作業項目が CLM システムのプロジェクト域に追加された場合は、必要な属性を使用して Rational Focal Point でビジネス・ニーズを作成できます。 続いて、このビジネス・ニーズを CLM システムの作業項目にリンクできます。 詳しくは、『作業項目の作成および表示』を参照してください。

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