Rational Developer for System z

製品の更新の配布

Rational® Developer for System z® には、システム管理者が製品インストールの更新を作成し、クライアント・ワークステーションがリモート・システムに接続したときに、それらの更新をインストールするようにクライアント・ワークステーションに指示するためのツールが用意されています。

始める前に

このトピックでは、リモート・システムでの Rational Developer for System z のインストールおよび構成後に、製品の更新を配布する方法について説明します。このトピックで説明する作業を完了するには、製品の更新を配布するように Rational Developer for System z の pushtoclient.properties ファイルを構成しておく必要があります。クライアントへのプッシュ構成については、「IBM® Rational Developer for System z ホスト構成ガイド (SC88-5663)」を参照してください。
このトピックで説明する作業を完了するときに、以下のファイルの作成または更新が必要になることがあります。このトピックの手順では、それらのファイルを更新する方法について説明します。
  • IBM Installation Manager 応答ファイル。このファイルにより、ワークステーションで製品の無人インストールを完了することができます。応答ファイルの作成については、「IBM Rational Developer for System z インストール・ガイド (GI88-4129)」を参照してください。
  • IBM Installation Manager 製品アクティベーション・キット・ファイル。製品の更新では、メジャー・バージョン更新でアクティベーション・キットが必要になることがあります。製品の更新で製品アクティベーション・キットが必要な場合、アクティベーション・キットをネットワーク・ロケーションに配置し、応答ファイルからそのロケーションを参照することができます。
  • キー・マッピング・ファイル。このファイルは、クライアント・ワークステーションに自動的に配布される、インストール応答ファイルやインストール構成ファイルなどの他のファイルのロケーションを定義します。キー・マッピング・ファイルは、keymapping.xml と呼ばれます。z/OS® システムでのこのファイルのデフォルト・ロケーションは、/var/rdz/pushtoclient です。
  • インストール構成ファイル。このファイルは、製品オファリング ID、Rational Developer for System z のバージョンの範囲、および製品の更新のインストールに必要な応答ファイルの名前を定義します。Rational Developer for System z は、インストール構成ファイルをスキャンし、該当する製品オファリング ID およびインストール済みバージョンの有無を調べます。見つかった場合、指定された応答ファイルを使用して Installation Manager を起動します。インストール構成ファイルは、installconfig.xml と呼ばれ、キー・マッピング・ファイルの <fileId>com.ibm.ftt.resources.zos.install.configuration</fileId> タグが示すパスに配置されています。
  • クライアントへのプッシュ・プロパティー・ファイルpushtoclient.properties と呼ばれます。このファイルは、キー・マッピング・ファイルのロケーションを定義します。z/OS システムでの pushtoclient.properties ファイルのデフォルト・ロケーションは、/etc/rdz/ です。pushtoclient.properties ファイルについて詳しくは、「IBM Rational Developer for System z ホスト構成ガイド (SC88-5663)」を参照してください。

このタスクについて

製品の更新を配布するように構成されているリモート・システムにクライアント・ワークステーションが接続すると、Rational Developer for System z は、クライアントの製品バージョンを、インストール構成ファイルに定義されたバージョンの範囲と比較します。インストール済みバージョンがこの範囲内にある場合、Rational Developer for System z は、ワークベンチをシャットダウンし、リモート・システムからダウンロードされた応答ファイルを使用して IBM Installation Manager を開始します。

このトピックでは、製品の更新を配布するためにインストール構成ファイルおよびキー・マッピング・ファイルを更新する方法について説明します。

手順

製品の更新を作成して配布するには、以下の手順を実行します。

  1. 配布する製品インストール用の IBM Installation Manager 応答ファイルを作成します。 応答ファイルの作成については、「IBM Rational Developer for System z インストール・ガイド (GI88-4129)」を参照してください。
    重要: 更新のためにコード・リポジトリーにアクセスするのにユーザー認証が必要な場合、ユーザーはユーザー ID およびパスワードを IBM Installation Manager に保存する必要があります。
  2. 更新と、その更新をインストールするための応答ファイルをトリガーする製品バージョンの範囲を示すように、インストール構成ファイルを作成または更新します。 インストール構成ファイルの作成または更新については、このトピックのインストール構成ファイルの更新を参照してください。
  3. インストール構成ファイルおよび応答ファイルを指すように、キー・マッピング・ファイルを更新します。 キー・マッピング・ファイルの更新については、このトピックのキー・マッピング・ファイルの更新を参照してください。

インストール構成ファイルの更新

手順

インストール構成ファイルを作成または更新するには、以下の手順を実行します。

  1. installconfig.xml ファイルを作成または編集します。 このファイルが既にある場合は、インストールの項目をこのファイルに追加できます。このファイルがまだない場合は、この手順の終わりに示されているサンプル・インストール構成ファイルをコピーし、実行するインストールに合わせて変更し、そのファイルを z/OS サーバーに保存することができます。インストール構成ファイルは、UTF-8 エンコード XML ファイルです。
  2. タグに以下の値を指定します。
    <installedOffering id="installedOfferingID">
    更新を配布する対象にする製品のオファリング ID を指定します。Rational Developer for System z と同じパッケージ・グループにインストールされているどの製品のオファリング ID でも指定できます。オファリング ID は、応答ファイルの <offering> タグに保管されています。このタグの例を以下に示します。
    <offering id='com.ibm.rational.developer.systemz.v80' version='8.0.1.20101014_0505' profile='IBM Software Delivery Platform' features='listOfInstalledFeatures'/>
    offering タグの id 属性の値を、<installedOffering id="installedOfferingID"> の id 属性に指定します。
    <install installedVersion="[minimumVersionInclusive, maximumVersionInclusive] | (minimumVersionExclusive, maximumVersionExclusive)" responsefile="fileName">
    更新する製品バージョンの範囲と、製品の更新のインストールに必要な応答ファイルの名前を指定します。

    installedVersion の値は、以下のように、上下限を含む範囲、上下限を除く範囲、またはそれらを混合した範囲として指定できます。

    • 製品バージョンの最小バージョンおよび最大バージョンを含む範囲を指定するには、大括弧を使用します。installedVersion="[8.0.1, 8.0.2]" では、製品バージョン 8.0.1、 8.0.2、およびこの範囲内のすべてのバージョンに対してインストールの更新を指示します。
    • 製品バージョンの最小バージョンおよび最大バージョンを除く範囲を指定するには、小括弧を使用します。installedVersion="(8.0.1, 8.0.2)" では、8.0.1 より大きいが 8.0.2 より小さい製品バージョンに対してインストールの更新を指示します。
    • 大括弧と小括弧を混合して、一方の限界を含むが他方の限界を除く範囲を指定することができます。
      • installedVersion="(8.0.1, 8.0.2]" では、8.0.1 より大きいが 8.0.2 以下の製品バージョンに対してインストールの更新を指示します。
      • installedVersion="[8.0.1, 8.0.2)"では、8.0.1 以上だが 8.0.2 より小さい製品バージョンに対してインストールの更新を指示します。
    クライアント・ワークステーションに現在インストールされているバージョンが installedVersion の範囲内にある場合、Rational Developer for System z は、responseFile 属性に指定された応答ファイルを使用して Installation Manager を起動します。
    バージョン番号は、少なくともメジャー・バージョン番号を含んでいる必要があります。必要に応じて、major[.minor[.micro[.qualifier]]] のようにマイナー・バージョン、マイクロ・バージョン、および修飾子を含むことができます。以下の例は、installedVersion 属性の有効なバージョン番号を示しています。
    8
    8.0
    8.0.0
    8.0.0.20100607_1333
  3. インストール構成ファイルおよび応答ファイルを z/OS サーバーに配置し、そのロケーションをキー・マッピング・ファイルで指します。

インストール構成ファイルは、ターゲット製品オファリング ID を定義する <installedOffering> タグの 1 つ以上のセットと、インストール済みバージョンの範囲および応答ファイル名の 1 つ以上のペアを含む UTF-8 エンコード XML ファイルです。Rational Developer for System z は、以下のサンプル・インストール構成ファイルを次のように処理します。
  • Rational Developer for System z の現在実行しているバージョンと同じパッケージ・グループにインストールされているいずれかの製品の ID に一致する製品オファリング ID が見つかるまで、ファイルをスキャンします。例えば、クライアントが Rational Team Concert™ と同じパッケージ・グループで Rational Developer for System z をインストールして実行している場合、一致するオファリング ID は、com.ibm.team.install.rtc.client.eclipse または com.ibm.rational.developer.systemz.java.v80 になります。
  • 一致するオファリング ID の現在の製品バージョンが、<installedVersion> 属性および <responseFile> 属性のペアのいずれかで指定される範囲内にある場合、Rational Developer for System z は、応答ファイルを使用して Installation Manager を起動します。Rational Team Concert のバージョンが、例えば、3.0.0 以上で 3.0.1 より小さい場合、Rational Developer for System z は、応答ファイル update_rtc_from_300_to_301.xml を使用して Installation Manager を起動します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<installConfig>
   <installedOffering id="com.ibm.rational.developer.systemz.java.v80">
      <install
         installedVersion="[8.0.1, 8.0.2)"
         responseFile="update_rdzjava_from_801_to_802.xml">
      </install>
      <install
         installedVersion="[8.1.0, 8.1.1)"
         responseFile="update_rdzjava_from_810_to_811.xml">
      </install>
   </installedOffering>
   <installedOffering id="com.ibm.team.install.rtc.client.eclipse">
      <install
         installedVersion="[3.0.0, 3.0.1)"
         responseFile="update_rtc_from_300_to_301.xml">
      </install>
   </installedOffering>
   <installedOffering id="com.ibm.teamz.rdz.ext">
      <install
         installedVersion="[3.0.0, 3.0.1)"
         responseFile="update_rtcrdzext_from_300_to_301.xml">
      </install>
   </installedOffering>
</installConfig>

キー・マッピング・ファイルの更新

手順

キー・マッピング・ファイルは、エクスポート・ウィザードを使用するか、手動で編集することにより、更新することができます。エクスポート・ウィザードの使用については、クライアントへのプッシュ構成ファイルのエクスポートを参照してください。キー・マッピング・ファイルを手動で編集することにより更新するには、以下の手順を実行します。

  1. /var/rdz/pushtoclient/keymapping.xml ファイルを作成または編集します。 このファイルが既にある場合は、製品の更新の項目をこのファイルに追加できます。このファイルがまだない場合は、この手順の終わりに示されているサンプル・キー・マッピング・ファイルをコピーし、そのファイルを pushtoclient.properties ファイルの pushtoclient.folder プロパティーが示すロケーションに保存することができます。キー・マッピング・ファイルは、UTF-8 エンコード XML ファイルです。
  2. 指し示すインストール構成ファイルごと、および応答ファイルごとに、<location> タグのセットを 1 つ組み込みます。
  3. タグに以下の値を指定します。
    <fileId>
    インストール構成ファイルに対して com.ibm.ftt.resources.zos.install.configuration を指定し、応答ファイルに対して com.ibm.ftt.resources.zos.install.response を指定します。
    <containerPath>
    z/OS サーバー上でのインストール構成ファイルまたは応答ファイルのロケーションを指定します。
    <fileMask>
    インストール構成ファイルまたは応答ファイルの名前を指定します。
    <encoding>
    インストール構成ファイルまたは応答ファイルのエンコード方式を指定します。
  4. pushtoclient.properties ファイルの pushtoclient.folder プロパティーが示すロケーションにキー・マッピング・ファイルを保存します。

キー・マッピング・ファイルは、Rational Developer for System z のクライアントへのプッシュ構成環境で使用される構成ファイルの名前、ロケーション、および文字エンコード方式を保管する UTF-8 エンコード XML ファイルです。以下のサンプル・キー・マッピング・ファイルでは、管理者は、z/OS サーバーの /var/rdz/pushtoclient/install ディレクトリーに installconfig.xml を配置し、/var/rdz/pushtoclient/install/responsefiles ディレクトリーに応答ファイルを配置しています。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
 <configuration-system>
   <location-list>
	   <location>
   		<fileId>com.ibm.ftt.resources.zos.install.configuration</fileId>
  		<containerPath>/var/rdz/pushtoclient/install</containerPath>
  		<fileMask>installconfig.xml</fileMask>
  		<encoding>UTF-8</encoding>
   	</location>
	  <location>
		  <fileId>com.ibm.ftt.resources.zos.install.response</fileId>
		  <containerPath>/var/rdz/pushtoclient/install/responsefiles</containerPath>
		  <fileMask>update_*.xml</fileMask>
		  <encoding>UTF-8</encoding>
	  </location>
   </location-list>
 </configuration-system>

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