クライアント・ワークステーションがリモート・システムに接続するときに、製品の更新、構成ファイルへの更新、設定、およびリモート・システム接続を自動的に配布するように、Rational® Developer for System z® を構成することができます。これは、クライアントへのプッシュ 機能と呼ばれます。この機能を使用すると、ワークスペース構成を中央の場所に格納してクライアント・ワークステーションに配布することによって、開発者は整合性のあるワークスペース環境で作業することができます。
クライアントへのプッシュ機能の概要
クライアントへのプッシュ環境を実装するには、いくつかのタスクが必要で、これらは z/OS® システムで実行されるタスクと、クライアント・ワークステーションで実行されるタスクがあります。クライアントへのプッシュ環境の実装方法の概要を以下に示します。この環境で使用される用語やリソースの一部を定義しています。クライアントへのプッシュの実装の詳細については、サブトピックで説明しています。
- クライアントへのプッシュを z/OS に構成します。
クライアントへのプッシュをサポートするように、製品の更新および構成の配布元となる各リモート・システムをセットアップする必要があります。
- 1 つの z/OS システムを 1 次 システムに定義する必要があります。1 次システムとは、クライアントへのプッシュ環境における制御システムとなります。1 次として定義できるのは、1 つの z/OS システムのみです。
1 次システムは、クライアントへのプッシュ環境のすべてのシステムに適用されるグローバル構成ファイルと、1 次システム自体にのみ適用されるシステム構成ファイルを格納します。グローバル構成とは、製品の更新、Eclipse 設定、およびリモート・システム接続です。
- 他の z/OS システムは、非 1 次システムとしてクライアントへのプッシュ用に有効にすることができます。非 1 次システムは、非 1 次システム自体にのみ適用されるシステム構成のみを定義します。システム構成とは、プロパティー・グループ、デフォルト値、ファイル・マッピング、およびホスト・ベース・プロジェクトです。
z/OS システムにおけるクライアントへのプッシュの構成の開始点は、
pushtoclient.properties というルート・ファイルです。このファイルは、z/OS システムの
/etc/rdz/ ディレクトリーにあります。このファイルには、以下のような構成パラメーターを指定する項目が含まれます。
- 製品の更新のために機能を有効にするかどうか。product.enabled=true を設定することによって示します。
- 構成の更新のために機能を有効にするかどうか。config.enabled=true を設定することによって示します。
- 現行システムが 1 次システム (つまり、クライアントへのプッシュ機能を制御するシステム) であるかどうか。primary.system=true|false を設定することによって示します。
- メインの構成ファイル keymapping.xml の場所はどこか。pushtoclient.folder=/var/rdz/pushtoclient を設定することによってデフォルトの場所を示します。キー・マッピング・ファイルには、アプリケーション関連の設定が含まれる一連のファイルを指すポインターが含まれています。これらのポインターは、以下のステップ 3 で説明されているとおり、構成ファイルのエクスポート・プロセスの一部として Rational Developer for System z クライアントから作成されます。
z/OS システムでのクライアントへのプッシュ構成の準備について詳しくは、「IBM® Rational Developer for System z ホスト構成ガイド (SC88-5663)」を参照してください。
- 他のワークスペースが z/OS システムに接続するときにそのワークスペースにプッシュする設定を含むマスター・ワークスペースを構成します。
リモート・システムのセットアップが完了したら、残りの編成にプッシュする Rational Developer for System z 設定の構成を開始できます。Eclipse 設定、リモート・システム接続、プロパティー・グループ、およびファイル・システム・マッピングなど、ほとんどの設定では、この構成は Rational Developer for System z クライアントでローカルで設定を更新することによって行うことができます。製品の更新、ホスト・ペース・プロジェクト、およびデフォルト値といった一部の設定は、z/OS システム上で手動で構成する必要があります。
- Rational Developer for System z 構成エクスポート・ウィザードを使用して、ワークスペース設定を z/OS システムにエクスポートします。
エクスポート・ウィザードは、ローカル構成ファイル (Eclipse 設定、リモート・システム接続、プロパティー・グループ、およびファイル・システム・マッピング) を、マスター・ワークスペースから z/OS システムにアップロードします。
設定をエクスポートできるのは、リモート・システムのキー・マッピング・ファイルを含むフォルダーへのファイル書き込み権限を持つユーザーだけです。設定がエクスポートされると、z/OS システムに接続するユーザーには、これらの設定でユーザーのワークスペースを更新するようプロンプトが出されます。
クライアント・ワークステーションへプッシュする Rational Developer for System z 設定の構成およびエクスポートについて詳しくは、以下のセクションにリンクされた残りのトピックを参照してください。
更新の作成および配布
Rational Developer for System z では、次のタイプの更新を配布することができます。
- 製品インストールの更新。Rational Developer
for System z には、システム管理者が製品インストールの更新を作成し、クライアント・ワークステーションがリモート・システムに接続したときに、それらの更新をインストールするようにクライアント・ワークステーションに指示するためのツールが用意されています。製品の更新の配布について詳しくは、製品の更新の配布を参照してください。
- 製品構成の更新。Rational Developer
for System z には、システム管理者が中央の場所からリモート・システム接続を定義し、構成ファイルを定義し、クライアント・ワークステーション設定を設定するためのツールが用意されています。これらの接続定義、構成ファイル、および設定は、個々のクライアント・ワークステーションがリモート・システムに接続したときに、自動的にそれらのクライアント・ワークステーションへ配布することができます。構成の更新の配布について詳しくは、構成ファイルの作成および配布を参照してください。