各種のシステムおよびアプリケーションでは、それぞれ異なる双方向テキスト・レイアウトを想定しています。例えば、従来の zSeries® レガシー・アプリケーションでは通常、双方向テキストがビジュアル順序で保管されることを想定しています (その他のさまざまな双方向属性とともに)。ほとんどの zSeries ソフトウェア・インフラストラクチャーは、論理順序付け方式が一般的に使用される前に開発されたため、この方式の存在を無視します。Windows® や Java/Swing などの新しい開発プラットフォームでは、双方向テキストが論理順序で保管され、双方向アルゴリズムに従って表示するためにテキストが再配列されることが想定されています。通常は、Unicode で指定されたテキストの後に続きます。これらのプラットフォーム上で作成される基本ソフトウェアのほとんどは、ビジュアル順序で保管されるデータをサポートするようには設計されていません。これらのプラットフォームの相違点により、zSeries プラットフォームと Windows または Java/Swing プラットフォームとの間の双方向データの交換には、ターゲット・システム上でデータを表示、編集、または使用するために双方向テキスト・レイアウトを変換する必要があります。非互換システム間で双方向テキスト・レイアウトを変換するこのプロセスは、双方向変換と呼ばれます。
多くの既存のクライアント/サーバー・アプリケーションでは、これらの双方向変換は双方向開発者の責務と見なしています。この想定により、非互換性および制約の問題が生じます。これは、さまざまな開発者がさまざまなアルゴリズムを使用して変換を行うためです。 Rational® Developer for System z® で提供される双方向言語サポート・ツールにより、双方向開発者は、開発努力が軽減され、双方向ソフトウェアをよりポータブルなものにする作業から解放されます。これらのツールは、ホスト (zSeries) およびクライアントの双方向レイアウトを指定するためのユーザー・インターフェースから構成されます。Rational Developer for System z は、このインターフェースを使用してユーザーが提供する情報に従って自動的に双方向変換を行います。ご使用の環境で用いられる双方向レイアウトについて理解し、Rational Developer for System z で提供されるユーザー・インターフェースを使用した双方向レイアウトおよびエンコードに関する正しい情報を提供することは、双方向開発者の責務です。Visual LTR レイアウトはリモート・システムのデフォルトのレイアウトと見なされ、Smart Logical LTR は Rational Developer for System z のほとんどのコンポーネントおよびツールによるクライアントのデフォルトのレイアウトと見なされます。