Rational Developer for System z、バージョン 7.6.1

非言語環境プログラム COBOL プログラムの準備

この章では、Debug Tool を使用してデバッグできる非言語環境プログラムの COBOL プログラムの準備方法について説明します。

非言語環境プログラムの COBOL という用語は、以下のプログラムのいずれかを指します。

非言語環境プログラムの COBOL プログラムを準備するには、以下のステップを実行する必要があります。

  1. 適切なオプションを使用して、IBM OS/VS COBOL または IBM VS COBOL II コンパイラーでプログラムをコンパイルする。
  2. EQALANGX ファイルを作成する。
  3. プログラムをリンク・エディットする。

本書の内容を読み進む際にご注意いただきたいことは、言語環境プログラムのライブラリーを使用してプログラムをリンクおよび実行したとしても、OS/VS COBOL プログラムは非言語環境プログラムのプログラムである点です。

VS COBOL II プログラムは、NOTEST コンパイラー・オプションを使用してコンパイルし、かつ非言語環境プログラム・ライブラリーでリンクした場合は、非言語環境プログラムのプログラムです。 TEST コンパイラー・オプションを使用してコンパイルし、言語環境プログラムのライブラリーとリンクした VS COBOL II プログラムは、言語環境プログラムのプログラムです。

非言語環境プログラム COBOL に固有の情報が提供されていない限り、Debug Tool を始動し、非言語環境プログラムの COBOL プログラムをデバッグする方法についての説明については、 非言語環境プログラムのプログラムに関する情報を参照してください。

OS/VS COBOL プログラムのコンパイル

OS/VS COBOL プログラムは、IBM OS/VS COBOL コンパイラーと、以下のオプションを使用してコンパイルする必要があります。

他の問題判別ツール (Application Performance Analyzer など) を使用している場合は、追加のコンパイラー・オプションの指定が必要になる可能性があります。 複数の問題判別ツールがどのように連動して機能するかを理解するには、付録C. IBM 問題判別ツール製品で使用するプログラムのコンパイルおよびアセンブルに関するクイック・スタート・ガイドを参照してください。指定する必要があると考えられる追加のコンパイラー・オプションについては、OS/VS COBOL プログラムを参照してください。

VS COBOL II プログラムのコンパイル

VS COBOL II プログラムは、IBM VS COBOL II コンパイラーと以下のオプションを使用して、コンパイルする必要があります。

他の問題判別ツール (Application Performance Analyzer など) を使用している場合は、追加のコンパイラー・オプションの指定が必要になる可能性があります。 複数の問題判別ツールがどのように連動して機能するかを理解するには、付録C. IBM 問題判別ツール製品で使用するプログラムのコンパイルおよびアセンブルに関するクイック・スタート・ガイドを参照してください。指定する必要があると考えられる追加のコンパイラー・オプションについては、VS COBOL II プログラム (モジュールが Language Environment ランタイム・サービスとリンクされていない場合)を参照してください。

非言語環境プログラム COBOL プログラムでの EQALANGX ファイルの作成

EQALANGX ファイルを作成するには、EQALANGX プログラムを使用します。 EQALANGX は、Debug Tool の 1 コンポーネントとして出荷され、IBM Fault Analyzer の 1 コンポーネントとして出荷される IDILANGX プログラムと同じ機能があります。IBM Fault Analyzer がインストールされている 場合、IDILANGX プログラムを使用して EQALANGX ファイルを作成することができます。 ただし、IDILANGX プログラムのバージョンが、Debug Tool に付属の EQALANGX プログラムのバージョンと同じか、または新しい場合に限ります。 この IDILANGX プログラムのバージョンを確認するには、以下のステップを行います。

  1. IBM Fault Analyzer の資料に記載されたとおりに EQALANGX ファイルを作成します。
  2. 作成された EQALANGX ファイルの先頭レコードを見て、そのバージョンをメモに残します。
  3. このセクションに記載されたとおりに EQALANGX ファイルを作成します。
  4. 作成された EQALANGX ファイルの先頭レコードを見ます。

EQALANGX ファイルを作成するのに IDILANGX を使用したい場合は、これらの手順をスキップして構いません。EQALANGX ファイルの作成手順は、IBM Fault Analyzer の資料を見てください。

EQALANGX ファイルを作成するには、次のステップを実行してください。

  1. 以下のような JCL を作成します。
    //XTRACT EXEC PGM=EQALANGX,REGION=32M, 
    // PARM='(COBOL ERROR LOUD'
    //STEPLIB DD DISP=SHR,DSN=hlq.SEQAMOD
    //LISTING DD DISP=SHR,DSN=yourid.nonlecompiler.listing
    //IDILANGX DD DISP=OLD,DSN=yourid.EQALANGX

    以下には、この例で使用されている変数と、EQALANGX プログラムで使用可能なパラメーターを一覧にしてあります。

    PARM=
    (COBOL
    (COBOL パラメーターは、非言語環境プログラムの COBOL モジュールが処理されることを示します。
    ERROR
    ERROR パラメーターの使用を推奨しますが、このパラメーターはオプションです。指定すると、エラーの検出時に追加情報が表示されます。
    LOUD
    LOUD パラメーターの使用を推奨しますが、このパラメーターはオプションです。このパラメーターを指定した場合、 追加の通知メッセージと統計メッセージが表示されます。
    64K CREF
    64K および CREF パラメーターはオプションです。以前は、これらのオプションは必須でした。

    ERROR および LOUD パラメーターを指定して表示されたメッセージは、 オペレーター宛メッセージまたはプログラマー宛メッセージ (WTO または WTP) です。 IDILANGX プログラムによって表示されるメッセージと戻りコードについて詳しくは、「IBM Fault Analyzer for z/OS® ユーザーズ・ガイドおよびリファレンス」を参照してください。この EQALANGX プログラムも同じメッセージと戻りコードを使用します。

    hlq.SEQAMOD
    Debug Tool ロード・モジュールが保管されているデータ・セットの名前。Debug Tool ロード・モジュール が system linklib データ・セットにある場合は、次の行を省略できます。
    //STEPLIB DD DISP=SHR,DSN=hlq.SEQAMOD
    yourid.nonlecompiler.listing
    IBM OS/VS COBOL または IBM VS COBOL II コンパイラーによって生成されたリスト・データ・セットの名前。 これが区分データ・セットの場合、 メンバー名の指定が必要です。このデータ・セットの特性については、「IBM OS/VS COBOL Compiler and Library Programmer's Guide」または「VS COBOL II Application Programmering Guide for MVS and CMS」を参照してください。
    yourid.EQALANGX
    EQALANGX デバッグ・ファイルが保管されているデータ・セットの名前。このデータ・セットのレコード・フォーマットは可変長ブロック・レコード・フォーマット (RECFM=VB) であり、論理レコード長は 1562 (LRECL=1562) でなければなりません。

    Debug Tool は、名前が yourid.EQALANGX で、メンバー名がプログラムの名前に一致する区分データ・セットの中で EQALANGX デバッグ・ファイルを検索します。EQALANGX デバッグ・ファイルのメンバー名をプログラムの名前に一致させたい場合は、DD ステートメントでメンバー名を指定する必要はありません。

  2. JCL を実行依頼して、IDILANGX DD ステートメントに指定したロケーション に EQALANGX ファイルが作成されているか検査します。

ユーザー・プログラムのリンク・エディット

プログラムのリンク・エディットは、通常のリンク・エディット手順で実行できます。

プログラムをリンク・エディットすると、プログラムを実行して Debug Tool を始動できます。


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