共有リソースの管理

コラボレーティブ・チーム環境で作業する場合、複数のチームおよびチーム・メンバーが、別々のバージョンの製品 (またはプロジェクト) で作業する可能性があります。チームが正しいリソース (成果物) バージョンにアクセスすることを確実にするために、組み込まれた構成管理機能を使用して、ライフサイクル管理製品のリソースを固有のセット (構成) に編成することができます。スナップショットおよびワークスペースという 2 つのタイプの構成があります。
スナップショットは、特定の時点におけるリソース・セットの状態を表します。これらのリソースは変更できません。スナップショットを作成して、特定時点でのワークスペース内のリソースの状態を凍結し、そのリソース・セットに今後変更が加えられないようにします。

ワークスペースには、ユーザーおよびチーム・メンバーが変更できるリソースのセットが入っています。

他のライフサイクル製品では、このトピックで説明されている概念に別の用語を使用している場合があります。

ご使用のライフサイクル製品で、「構成管理」メニューから選択することによって、使用する構成を指定できます。

以下の単純なシナリオでは、チームは、Great New Product という名前のワークスペースを使用して製品開発を開始します。時間が経つにつれて、追加の構成が作成され、リソースはワークスペースに配信されるか、ワークスペース内で変更されます。リソース名の「:」(コロン) の後に、ライフサイクル製品によって割り当てられる任意のバージョン番号が表示されます。 「Resource A:101」は、「リソース A、バージョン 101」を意味します。
図 1. チーム・メンバーが構成を作成し、変更を提出するときのプロジェクト時の構成変更
チーム・メンバーが構成を作成し、リソースのバージョンを提出、削除、または編集するときの構成変更の方法を示すタイムライン。

プロジェクトの開始時に、チーム・メンバーは、リソース A とリソース B を Great New Product ワークスペースに提供します。ライフサイクル製品は、それらのリソースにバージョン ID を割り当てます。これらのリソースは、このワークスペースを使用するチーム・メンバーから使用できるようになります。

その日の午後、チーム・メンバーである Bob は、トップレベル・ワークスペースのスナップショットを作成します。これは、彼のチームがプロジェクト内のリソースの現在の状態を取り込み、これらのバージョンに今後変更が加えられないようにする必要があるためです。後で、チームがこのスナップショットを使用して、リソースがどのように変更されたかを確認したり、別のプロジェクト・チームが新規プロジェクト・マイルストーンの開始点として使用したりすることができます。

翌日、チーム・メンバーである Charlie は、Great New Product March 2014 スナップショットに基づく、Great New Product Workspace 1 という名前のワークスペースを作成します。Charlie と彼のチーム・メンバーはこの新規ワークスペースを使用して、新規プロジェクトのマイルストーンで開発を開始します。スナップショット内のリソースのバージョンが、新規ワークスペースの初期バージョンになります。 チーム・メンバーは、ワークスペースにリストされているリソースのバージョンを編集し (したがって新規バージョンを作成)、他のリソースを提供し、ワークスペースからリソースを除去することができます。

1 週間後、チーム・メンバーである Dan は、リソース B を更新する変更セットを配信します。この配信により、Great New Product Workspace 1 ワークスペースに関連しているバージョンが変更されます。Dan のチーム・メンバーには、更新されたバージョンのリソースが表示されます。

翌日、チーム・メンバーである Joe は、リソース D を Great New Product Workspace 1 ワークスペースに提供します。ライフサイクル製品は、このバージョンにバージョン ID「103」を割り当て、ワークスペースはこの ID を参照するようになります。

Frank は、リソース C への変更をトップレベルのワークスペースに配信します。 ライフサイクル製品は、このバージョンにバージョン ID「202」を割り当て、このワークスペースはこの ID を参照するようになります。

チーム・リーダーまたは管理者は、通常、2 つのタイプの権限を割り当てるので、チーム・メンバーはリソースにアクセスし、構成を使用することができます。

リソースに対する変更の可視性

リソースに対する変更をグループ化するには、変更セットを使用します。変更セットは、その変更セットが作成されたワークスペースに関連付けられます。変更セット内の変更が、対応するワークスペースで表示されるようにするには、それらの変更を共有 する必要があります。

この内容は、 バージョン 4.0.3 以降に適用されます。これらの変更が別のワークスペースでも表示されるようにするには、ワークスペースから、割り当てられたフロー・ターゲット か、変更の配信元のワークスペースと共通の祖先を持つ別のワークスペースのどちらかに、変更を配信 する必要があります。

フロー・ターゲット、および変更の配信とマージについての詳細は、関連トピックへのリンクを参照してください。

構成と変更セットの権限

構成管理アプリケーションで割り当てられる役割および操作によって、ライフサイクル管理製品内で割り当てられている権限が補完されます (置き換えられるわけではありません)。ライフサイクル管理製品にはさまざまな権限があります。各製品の管理ページまたはオンライン・ヘルプを参照してください。

通常、管理者またはチームのリーダーが構成管理権限を割り当てます。この権限には次の操作が含まれます。
  • 構成の作成または変更 (名前変更)
  • 他のチーム・メンバーの変更セットの変更
  • 構成のアーカイブまたは復元
  • 変更のマージ
  • 特定のチーム・エリアへの書き込み権限の割り当て

権限の完全なリストについては、構成管理アプリケーションで、該当する構成管理プロジェクト・エリアの「権限」ページを参照してください。

他のスペース内のリソースへの依存関係

ご使用のワークスペースで、別の構成スペース内のスナップショットに存在するリソースのバージョンが必要な場合、そのスナップショットへの依存関係を作成できます。スナップショットへの依存関係を追加すると、そのスナップショット内のすべてのリソースがワークスペースの有効範囲に組み込まれるため、ワークスペースが属する構成スペースを使用するすべてのプロジェクト・エリアに組み込まれます。

現行の構成と同じ構成スペースに存在しないスナップショットへの依存関係のみを作成することができます。

ワークスペースではなく、スナップショットのみへの依存関係を指定できます。これは、スナップショットは不変であるためです。

管理者: 構成管理アプリケーションの概念の編成

構成管理アプリケーションは、リソースのバージョンの編成およびその他の構成管理機能を管理します。

さまざまなバージョンのウィジェットの開発を管理するために、チーム・リーダーまたは管理者に、ライフサイクル製品および構成管理アプリケーションの概念の適用方法の簡単な例を示します。ライフサイクル製品では、チーム・リーダーまたは管理者は、「Great New Product」という名前のプロジェクト・エリアを作成してから、このプロジェクト・エリアを、Great New Product という名前の新規構成スペースに関連付けます。構成スペースにより、構成 (ワークスペースとスナップショット) が編成されます。構成は、ライフサイクル製品内の成果物のバージョンを参照します。構成スペースが作成されると、Great New Product という名前のトップレベルのワークスペースが自動的に作成されます。チーム・メンバーがこのトップレベルのワークスペースにリソースを提供するかどうかは、そのプロジェクトの利用規則によって決まります。
図 2. 構成管理アプリケーションは複数のメカニズムを使用して、リソースのバージョンへの参照を編成するので、プロジェクトでは製品開発に正しいバージョンが使用されます。
構成管理アプリケーションは複数のメカニズムを使用して、リソースのバージョンへの参照を編成するので、プロジェクトでは製品開発に正しいバージョンが使用されます。 プロジェクト・エリアに関する詳細情報を読むには、ここをクリックしてください 構成スペースに関する詳細情報を読むには、ここをクリックしてください 構成に関する詳細情報を読むには、ここをクリックしてください 構成に関する詳細情報を読むには、ここをクリックしてください 構成に関する詳細情報を読むには、ここをクリックしてください

ライフサイクル管理製品内のプロジェクト・エリア

ライフサイクル管理製品では、チームはプロジェクト・エリア 内で作業します。プロジェクト・エリアは、リポジトリーの管理上指定されているエリアであり、1 つ以上のプロジェクトに関する情報が保管されています。 この情報には、プロジェクトの成果物、チーム構造、プロセス、およびスケジュールが含まれます。通常、リソースは個別のプロジェクト・エリアに編成されるので、情報の論理グループごとに 1 つのプロジェクト・エリアがあります。プロジェクト・エリアについて詳しくは、このトピックの最後にある関連リンクを参照してください。

構成管理アプリケーションに固有の概念は次のとおりです。

構成スペース

構成管理アプリケーションで、構成スペース は、ワークスペースとスナップショットを編成するためのメカニズムです。ライフサイクル製品でプロジェクト・エリアを作成する場合、新規プロジェクト・エリアを既存の構成スペースに割り当てたり、構成スペースを作成したりすることができます。

ライフサイクル管理プロジェクト・エリアを構成スペースに関連付けると、その構成スペース内のすべてのワークスペースとスナップショットが、そのプロジェクト・エリアで使用可能になります。このフィーチャーには以下の利点があります。
  • ユーザーは単一構成コンテキストとは異なるプロジェクト・エリアにあるリソースを変更できます。
  • 管理者とユーザーは、ワークスペースを共有する複数のプロジェクト・エリアにわたってすべてのリソースのバージョンを取り込むスナップショットを作成できます。

プロジェクトを構成スペースに関連付けた後で、そのプロジェクトを別の構成スペースに関連付けることはできません。

構成

構成 は固有のリソース・バージョン・セットです。チームが正しいバージョンのリソースで作業するように、構成により、リソースのバージョンがグループに編成されます。スナップショットおよびワークスペースという 2 つのタイプの構成があります。

構成には次の 2 つのタイプがあります。
  • スナップショット (ベースラインとも呼ばれます): スナップショットが作成された時点でワークスペース内のリソース・セットとそれらのバージョンを識別する構成。スナップショット内のリソースのバージョンは変更できません。
    • スナップショット内のリソースにコメントを付けることはできますが、編集はできません。
    • スナップショットは、プロジェクト・ライフサイクルの任意の時点で作成できます。例えば、新規ストリームまたは作業を開始する前、プロジェクトのマイルストーン到達の前後、アプリケーションへのリソースのインポート後、または特定の成果物のレビュー後に、スナップショットを作成することがあります。

    リソースを変更した後で、スナップショットに戻って、そのリソースがどのように変更されたかを確認することができます。

  • ワークスペース (フロー・ターゲット、またはストリームとも呼ばれます): 各構成スペースには、デフォルトのトップレベルのワークスペース (構成管理アプリケーションによって自動的に作成されます) に加えて、ユーザーおよびチーム・メンバーが作成するその他のワークスペースが入っています。ワークスペース自体には、複数のスナップショットとワークスペースを含めることができます。例えば、Great New Product シナリオでは、さまざまなチーム用に以下のワークスペースを定義できます。
    • アプリケーション・ロジック
    • データベース・ロジック
    • ユーザー・インターフェース

    ワークスペース内のリソースのバージョンを追加、編集、削除するには、構成管理アプリケーションでユーザーまたはその役割に割り当てられている対応する権限が必要です。 ワークスペースの変更を他のチーム・メンバーが見ることができるようにするには、変更をワークスペースからフロー・ターゲット (ワークスペースでもあります) に配信してください。

    ワークスペースを作成する際には、新規ワークスペースの元となるスナップショットを選択できます。また、ワークスペースは、同じ構成スペース内の別のワークスペースのコンテンツに基づいて作成することもできます。例えば、上記のシナリオでは、GNP-WS2 という名前のワークスペースを Great New Product Workspace 1 に基づいて作成できます。新規ワークスペース内のリソースのバージョンは、選択したワークスペース内のリソースと同じです。対応するスナップショットも作成されます。 新規ワークスペースでリソースの追加、編集、または削除を行っても、他のワークスペース内のリソースには影響しません。

    ご使用のワークスペースで、別の構成スペースにあるワークスペースのリソースが必要な場合は、後者のワークスペースのスナップショットを作成してから、ご使用のワークスペースでそのスナップショットへの依存関係を指定する必要があります。


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