共有リソースの管理

共有リソースに対する変更を管理するには、構成スペース、プロジェクト・エリア、構成、スナップショット、ワークスペース、および依存関係が、コラボレーティブ開発環境のプロジェクトとどのように連動するかを理解する必要があります。

これらの概念について詳しくは、このトピックの最後にある関連リンクを参照してください。

構成スペース

構成スペース は、ワークスペースおよびスナップショットの仮想コンテナーです。 構成スペースは、リソースのバージョン情報を管理します。 スペースを作成することにより、関連するスナップショット構成およびワークスペース構成をグループ化して、プロジェクト間で共有することができます。

ライフサイクル管理製品では、チームはプロジェクト・エリア 内で作業を実行することができます。例えば、組織のプロジェクトは、プロジェクト・エリアが 3 つ (データベース・ロジック、アプリケーション・ロジック、およびユーザー・インターフェース・ロジック) 存在することがあります。プロジェクト・エリアでは、プロジェクトの成果物、チーム構造、プロセス、およびスケジュールを定義します。

Rational® solution for Collaborative Lifecycle Management でプロジェクト・エリアを作成する場合、新規プロジェクト・エリアを既存の構成スペースに割り当てたり、構成スペースを作成したりすることができます。

この内容は 4.0.3 以降のバージョンに適用されます。 構成スペースが作成されると、対応するプロジェクト・エリアが構成管理アプリケーションに自動的に作成されます。このプロジェクト・エリアで、ライフサイクル管理製品のプロジェクト・エリア、および構成スペース内の構成に対する読み取りおよび書き込みアクセスを制御する権限を割り当てます。

Rational solution for Collaborative Lifecycle Management (CLM) アプリケーションの場合、複数のプロジェクト・エリアを同じ構成スペースに関連付けることができます。よって、これらのプロジェクトは、スナップショット構成とワークスペース構成を共有します。プロジェクトを構成スペースに関連付けると、構成スペース内のすべてのワークスペースとスナップショットはそのプロジェクト・エリアで使用可能になります。 このフィーチャーには以下の利点があります。
  • 以下のセクションに記載されているように、ユーザーは単一構成コンテキストとは異なるプロジェクト・エリアにあるリソースを変更できます。
  • 管理者とユーザーは、ワークスペースを共有する複数のプロジェクト・エリアにわたってすべてのリソースのバージョンを取り込むスナップショットを作成できます。

プロジェクトを構成スペースに関連付けた後で、そのプロジェクトを別の構成スペースに関連付けることはできません。

構成コンテキスト

構成コンテキスト (コンテキスト ともいう) は、自分が処理するワークスペースまたはスナップショットを表します。コンテキストを変更することは、異なるワークスペースまたはスナップショットに変更することを意味します。あるプロジェクト・エリアの構成コンテキストを選択すると、同じ構成スペースの別のプロジェクト・エリアに切り替えた場合、デフォルトではコンテキストが変わりません。別のコンテキストに切り替えるには、バナーの右上にある「現行構成コンテキスト」メニューを使用します。 このメニューには、現行スペースでスナップショットとワークスペースを処理するためのオプションが用意されています。

例えば、お客様は構成スペースを共有する 3 つのプロジェクトのメンバーであるとします。3 つのプロジェクトはいずれもライフサイクルの異なる反復の中にあり、管理者は各反復の名前を付けたワークスペースを作成しました。 あるプロジェクト・エリアを開き Iteration 1 ワークスペースに切り替えて、後で別のプロジェクト・エリアに切り替えた場合、現行コンテキストは Iteration 1 のままです。

スナップショット構成およびワークスペース構成

構成 は固有のリソース・バージョン・セットです。構成には次の 2 つのタイプがあります。
  • スナップショット構成: スナップショット とも呼ばれます。これは、特定の時点におけるワークスペース内のリソースとそのバージョンの読み取り専用のセットです。スナップショット内のリソースにコメントを付けることはできますが、編集はできません。

    スナップショットは、プロジェクト・ライフサイクルの任意の時点で作成できます。プロジェクトのマイルストーン到達の前後、アプリケーションへのリソースのインポート後、または特定の成果物のレビュー後に、スナップショットを作成することがあります。

    リソースを変更した後で、スナップショットに戻って、そのリソースがどのように変更されたかを確認することができます。

  • ワークスペース構成: ワークスペース ともいいます。 各構成スペースには、1 つのデフォルト・ワークスペースと、その他のワークスペースが含まれます。 ワークスペース自体には複数のスナップショットとワークスペースを含めることができ、構成スペースには複数のワークスペースが含まれます。例えば、バンキング・プロジェクトでは、さまざまなチーム用に以下のワークスペースを定義できます。
    • アプリケーション・ロジック
    • データベース・ロジック
    • ユーザー・インターフェース
    ワークスペース内のリソースのバージョンを追加、編集、および削除することができます。

    ワークスペースは、同じ構成スペース内の別のワークスペースのコンテンツに基づいて作成できます。 例えば、プロジェクト B のワークスペースをプロジェクト A のワークスペースに基づいて作成できます。プロジェクト B の新規ワークスペース内の成果物バージョンは、プロジェクト A の選択されたワークスペース内のリソースと同じです。プロジェクト B のワークスペースでリソースの追加、編集、または削除を行っても、プロジェクト A のワークスペース内のリソースには影響しません。

    ワークスペースで別のスペースにあるワークスペースのリソースが必要な場合は、後者のワークスペースのスナップショットを作成してから、そのスナップショットへの依存関係を指定する必要があります。

リソースに対する変更の可視性

変更セットを使用してリソースに対する変更をグループ化すると、変更セットは、その変更セットが作成されるワークスペースに関連付けられます。 変更セット内の変更が、対応するワークスペースで表示されるようにするには、それらの変更を共有 する必要があります。

この内容は 4.0.3 以降のバージョンに適用されます。 これらの変更が別のワークスペースでも表示されるようにするには、次のいずれかの方法で、変更を現在のワークスペースから別のワークスペースに配信 します。 変更は、割り当てられたフロー・ターゲット、つまり変更の配信元のワークスペースと共通の祖先を持つ別のワークスペースに配信できます。 変更の配信後、他のチーム・メンバーは、変更をメンバー固有のワークスペースに受け入れることができます。

フロー・ターゲット、および変更の配信とマージについての詳細は、関連トピックへのリンクを参照してください。

プロジェクト・エリアおよびワークスペースに対するアクセス制御

この内容は 4.0.3 以降のバージョンに適用されます。 ライフサイクル管理製品のプロジェクト・エリア内のリソースへのアクセスは、構成管理アプリケーション内のプロジェクト・エリアを通じて制御されます。 このプロジェクト・エリアは、ライフサイクル管理製品のプロジェクト・エリアによって参照される構成スペースと同じ名前を持ちます。 以下のような例を考えてみます。
  • ライフサイクル管理製品で、Project_area_1 という名前のプロジェクト・エリアを作成します。
  • このプロジェクト・エリアを ABC_space という新規構成スペースに割り当てます。 構成管理アプリケーションは、構成スペースと、対応する ABC_space というプロジェクト・エリアを自動的に作成します。 これらの 2 つのリポジトリー・オブジェクトは、ライフサイクル管理製品内ではなく、構成管理アプリケーション内に配置される点に注意してください。
    注: あるいは、ライフサイクル管理プロジェクト用のプロジェクト・エリアを既存の構成スペースに関連付けることもできます。例えば、あるプロジェクトでプロジェクト・エリアを作成したときに構成スペースを作成している場合、別のプロジェクトからの新規プロジェクトをその既存の構成スペースに関連付けることができます。
  • 構成管理権限には、以下の操作が含まれます。
    • 構成の作成または変更 (名前変更)
    • 他のチーム・メンバーの変更セットの変更
    • 構成のアーカイブまたは復元
    • 変更のマージ
    • 特定のチーム・エリアへの書き込み権限の割り当て
    ABC_space を参照するプロジェクト・エリアの構成管理権限を指定するには、構成管理アプリケーションで、ABC_space プロジェクト・エリアを開きます。

    権限の完全なリストについては、構成管理アプリケーションで、該当するプロジェクト・エリアの「権限」ページを参照してください。

他のスペース内のリソースへの依存関係

この内容は 4.0.3 以降のバージョンに適用されます。 構成内の依存関係を追加、更新、または削除するには、構成管理アプリケーションで該当する権限を持っている必要があります。

管理者は、プロジェクト・エリアを作成すると 1 つ以上のドメインに関連付ける必要があります。管理者は特定のバージョンのドメインを選択できます。選択すべきバージョンはプロジェクトの要件により異なります。

ワークスペースで別のプロジェクト・エリアのリソースが必要な場合は、適切な権限を持つ管理者が、そのプロジェクト・エリアのリソースを含むスナップショットへの依存関係を作成する必要があります。管理者は、ワークスペースではなく、スナップショットのみへの依存関係を指定できます。これは、スナップショットは変更されないためです。

例えば、プロジェクトの開始時に、管理者がドメイン (BPMN ドメイン、スケッチャー・ドメイン、SoaML ドメインなど) をプロジェクト・エリアに関連付けて、プロジェクトで使用するオントロジーを指定するとします。ドメインのスナップショットにはリソースの特定のバージョンがリストされます。例えば、UML ドメインには UML 依存関係の複数のバージョンが含まれる場合があります。 プロジェクトでそのオントロジーの一部として UML 依存関係が必要な場合は、必要なバージョンが含まれたスナップショットを見つけて、そのスナップショットをワークスペースに依存関係として追加します。依存関係を追加したら、そのスナップショットの成果物をプロジェクトで使用することができます。


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