Eclipse IDE での EGL の使用
Eclipse IDE では、ワークベンチというグラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) を提供しており、それによりユーザーは、コードを入力するだけでなく、画面上でオブジェクトをポイントやクリックすることでも、作業を行うことができます。 このようにして、EGL で作業する際には、Eclipse ワークベンチを使用することになるので、ワークベンチ内のツールについて知っておくとよいでしょう。
EGL アプリケーションの開発時には、ワークベンチを使用して、ファイルの管理、コードの作成、およびアプリケーションのテストやデプロイメントを行います。 ワークベンチには、他のプログラム言語用のエディターと同様のコード・エディターが組み込まれていますが、EGL コードだけでなくワークベンチが処理できるさまざまなタイプのコードやファイルを扱う一連のグラフィック・ツールも組み込まれています。
Eclipse には、提供するツールのセットを変更し、インターフェースに表示されるツールを選択する機能があります。 それぞれ異なるツール・セットは、 パースペクティブ と呼ばれ、パースペクティブ内のウィンドウはビュー およびエディター と呼ばれます。 これらの概念について詳しくは、このトピックで後述します。
典型的な EGL 開発ワークベンチ

- メニュー・バー
GUI での機能は通常、ウィンドウの上部にあるメニュー・バーにリストされています。 上の図では、メニュー・バーには「ファイル」、「編集」、および 「ナビゲート」から始まるメニューがリストされています。メニュー項目をマウスでクリックすると、メニューの内容がその下に表示されます。 Eclipse メニュー・バーには、ワークスペースのロケーション、ファイルのインポートとエクスポート用のコマンド、検索コマンド、ヘルプ・メニューなど、ワークベンチの全体的なオプションが含まれています。
メニュー・バーを使用して、ビューやパースペクティブを開いたり閉じたりすることもできます。 ビューを開くには、をクリックし、パースペクティブを開くには、をクリックします。
- パースペクティブ・バー
- パースペクティブ・バーには、現在アクティブなパースペクティブがリストされます。パースペクティブの名前やアイコンをクリックして、そのパースペクティブに切り替えることができます。 上の図では、デバッグ、EGL、および Web のパースペクティブがアクティブであり、EGL パースペクティブが開いています。
- ツールバー
- ワークベンチでは、開いているパースペクティブ、ビュー、およびファイルに応じて、さまざまなツールバーがメニュー・バーの下に表示されます。
アイコンの上にカーソルを置くと、そのアイコンが提供する機能が吹き出しヘルプに表示されます。
追加オプションを表示するドロップダウン・リストを持つアイコンもあります。
例えば、EGL パースペクティブのツールバーには、EGL ウィザードを開始して新規 EGL プロジェクト、新規 EGL パッケージ、または新規 EGL ソース・ファイルを作成するアイコンがあります。
独自のツールバーを持つビューやエディターもあります。
これらのツールバー上のアイコンは、メニュー・バーや、ファイルを右クリックしたときに表示されるポップアップ・メニューなど、ワークベンチのどこかにあるコマンドのショートカットです。 表示されるツールバーをカスタマイズするには、をクリックし、「コマンド」タブ上のチェック・ボックスを選択またはクリアします。
- EGL エディター
EGL エディターは、他の言語の標準のテキスト・エディターやコード・エディターと同様の外見と機能を持つだけでなく、EGL コードの編集を支援する機能が追加されています。 このコード・エディターは、無効な構文を強調表示し、コード内の問題点の説明を提供し、キーワードとストリングの色を変えて表示します。
EGL エディターには、コンテンツ・アシストも組み込まれており、ユーザーが入力し始めたコードを完成させようとします。 コンテンツ・アシストを使用するには、変数名、ライブラリー名、または EGL キーワードの最初の数文字を入力してから、CTRL + スペースを押します。「コンテンツ・アシスト」ウィンドウが開き、入力したコードから始まる有効な EGL のコード句がリストされます。 そのリストからコード句を選択するには、その句を強調表示して Enter を押すか、ダブルクリックします。
- EGL Rich UI エディター
- EGL Rich UI エディターには、EGL エディターの機能がある他、 クライアント・サイド Web アプリケーションの高速開発のための設計表示およびプレビュー・ビューもあります。詳細については、『EGL Rich UI の概要』および『EGL Rich UI エディターの概要』を参照してください。
- 「プロジェクト・エクスプローラー」ビュー
「プロジェクト・エクスプローラー」ビューには、すべてのファイルとプロジェクトが表示されます。このビューでは、プロジェクト内のファイルを階層状に配置して表示します。 正符号をクリックすると、パッケージまたはフォルダーが展開され、その中にあるファイルが表示されます。 ファイルをダブルクリックすると、ファイルがそのデフォルト・エディター内で開きます。 ファイル、プロジェクト、またはフォルダーを右クリックすると、オプションのコンテキスト・メニューが表示されます。 このメニューの多数のオプションから、ファイルの削除や名前変更を行うことができます。 このビューの中で、ファイルをクリックしてドラッグし、移動させることもできます。 プロジェクトなどの要素のグループであるワーキング・セット を定義することで、このビュー内でいくつかのプロジェクトをグループ化することができます。ワーキング・セットを参照してください。
- 「アウトライン」ビュー
- 「アウトライン」ビューには、現在編集中のファイルの階層が表示されます。 例えば、ファイルにプログラム・パーツとレコード・パーツが含まれる場合、「アウトライン」ビューでは、階層の一番上にそのファイルのパッケージが表示され、次にそのファイル内の import ステートメント、次にプログラム・パーツとレコード・パーツが表示されます。 プログラム・パーツの変数と関数は「アウトライン」ビューのそのプログラム・パーツの下に表示され、レコード・パーツ内のフィールドはノードとしてそのレコード・パーツの下に表示されます。 「アウトライン」ビューの任意のエントリーをクリックすると、EGL ソース・ファイル内の対応する場所にジャンプできます。
- 「問題」ビュー
- 「問題」ビューには、コードや他のファイルにある構文エラーや警告が表示されます。 エラーの 1 つをダブルクリックすると、ファイル内のそのエラーの場所を表示できます。
- 「生成結果」ビュー
- パーツを生成するたびに、EGL は「生成結果」ビューを更新します。 「EGL パーツ」のいずれかが正しく生成されない場合、このウィンドウに生成されなかったパーツとその理由が表示されます。 このビューには、正常に生成されたパーツも表示されます。
上記の画像では、「生成結果」ビューは、「問題」ビューの後ろに「スタック」されて (隠れて) います。 隠れているビューに切り替えるには、表示したいビューの名前を持つタブをクリックして、そのビューをスタックの一番上にします。 さらに、ビューの名前をダブルクリックすると、そのビューをワークベンチいっぱいに拡大することができます。 名前をもう一度ダブルクリックすると、ビューは元のサイズに戻ります。
EGL デベロッパーがよく使用するその他のウィンドウ
ワークベンチのメイン・ウィンドウの他に、EGL デベロッパーが頻繁に使用する必要のあるウィンドウがいくつかあります。 以下に、例をいくつかを示します。
- EGL 設定ウィンドウ

- 「設定」ウィンドウでは、ワークベンチの全体的なオプションを設定できます。 この図では、「設定」ウィンドウの「EGL」ページを示しています。EGL の設定を変更するには、 「EGL」をクリックします。変更可能な特定の EGL 設定に関する情報へのリンクは、設定を参照してください。
- 「検索」ウィンドウ

- 「検索」ウィンドウ (「検索」ビューと混同しないでください) では、EGL パーツやワークスペースの他の情報を検索することができます。 検索結果は「検索」ビューに表示されます。 詳しくは、パーツの検索を参照してください。
- プロパティー・ウィンドウ

- ほとんどのタイプのプロジェクトとファイルには、プロパティー・ウィンドウがあり、プロパティー・ビューとは混同しないでください。 プロパティー・ウィンドウでは、成果物の個々のオプションを設定します。 プロジェクトまたはファイルのプロパティー・ウィンドウにアクセスするには、右クリックしてから「プロパティー」をクリックします。
EGL デベロッパーがよく使用するその他のビューとエディター
- EGL ビルド・パーツ・エディター
- ビルド・パーツ・エディターは、ビルド記述子などのビルド・パーツの編集に使用します。

- 「EGL パーツ参照」ビュー

- 「EGL パーツ参照」ビューには、メインの論理パーツ内で参照されているパーツの階層ビューが表示されます。 パーツ参照ビュー内のパーツを開くには、「プロジェクト・エクスプローラー」ビューでそのパーツを含むファイルを右クリックしてから、「パーツ参照で開く」 をクリックします。詳しくは、パーツ参照の表示を参照してください。
- 「EGL パーツ・リスト」ビュー

- 「EGL パーツ・リスト」ビューには、参照するためにソートまたはフィルターの処理が可能な EGL パーツのリストが表示されます。 詳しくは、パーツのリスト表示を参照してください。
- Page Designer エディター

- Page Designer は、Web ページのための WYSIWYG (What You See Is What You Get) エディターです。 Page Designer では EGL を使用して、EGL アプリケーションの Web インターフェースを作成できます。
- 「プロパティー」ビュー

- 「プロパティー」ビューでは、エディターで選択した特定のオブジェクトに関する詳細情報が表示されます。 例えば、Page Designer 内で Web ページを開き、その Web ページ上のテキスト出力フィールドを選択すると、「プロパティー」ビューには、そのフィールドに適用されるスタイル、その内容がどこから取得されるか、およびその他の特性などの情報が表示されます。
- 「パレット」ビュー

- 「パレット」ビューは WYSIWYG エディターとともに機能します。「パレット」には、開いているファイルに新規オブジェクトを作成するために、ユーザーがエディター内にドラッグできるオブジェクトがリストされます。
- 「スニペット」ビュー

- 「スニペット」ビューはコード・エディターとともに機能します。「スニペット」ビューには、ユーザーがコード内にドラッグできるコードの再使用可能部分が保持されます。 頻繁に使用するコードのスニペットを新規作成することもできます。
- 「コンソール」ビュー

- 「コンソール」ビューには、アプリケーションの実行に関するログに記録されたメッセージが表示されます。 例えば、アプリケーションを実行して、エラーが発生した場合、「コンソール」ビューにそのエラーがリストされます。
- 「ナビゲーター」ビュー

- 「ナビゲーター」ビューと「プロジェクト・エクスプローラー」ビューは、両方ともワークスペース内のプロジェクトとファイルを表示する点で似ています。 ただし「ナビゲーター」ビューでは、ワークスペース内のフォルダーおよびファイルを、EGL によるフォーマット設定やフィルター処理をせずに、そのまま表示します。 したがって、ワークスペース内のすべてのフォルダーとファイルが、それらの成果物の実際のロケーションに基づいて表示されます。 プロジェクト・エクスプローラーは、ユーザーが通常はアクセスする必要のないメタデータ・ファイル (.eglproject ファイルなど) やディレクトリー (EGLbin ディレクトリーなど) を自動的に隠すことによって複雑な表示を整理します。 また「ナビゲーター」ビューでは、「プロジェクト・エクスプローラー」ビューで行うような、名前変更や移動などの EGL パーツおよびファイルのリファクタリングはサポートしていません。
ワークベンチの編成方法
- 機能
- 機能は、ワークベンチの機能性のうち最も幅広いカテゴリーです。
機能は、「Web デベロッパー」や「テスター」のように、主要な機能領域ごとに編成されています。
機能を使用可能または使用不可にすることで、その機能を表示または非表示にすることができます。 例えば、テスター機能を使用不可にすると、テストに関するパースペクティブおよびビューを使用できなくなります。 「設定」ウィンドウで手動で機能を使用可能にするには、をクリックしてから、使用可能にする機能の隣にあるチェック・ボックスを選択します。 または、使用不可の機能に関連付けられたファイルを作成しようとする際や、パースペクティブを開こうとする際に、ワークベンチは関連する機能を使用可能にするかどうかを確認するプロンプトを出します。
EGL デベロッパーが使用する主機能は、EGL デベロッパー機能です。 この機能を使用可能にすると、EGL 関連のパースペクティブが使用可能になり、それによって EGL コードを処理するためのツールが使用可能になります。 EGL 機能の使用可能化を参照してください。
- パースペクティブ
- パースペクティブは、画面上にすべて同時に表示されるビューおよびエディターのグループです。
例えば、をクリックして Web パースペクティブを開くと、Web サイトを作成するためのツールが表示されます。
他にも、データ・ソースの処理、コードのデバッグ、およびテストのためのパースペクティブがあります。
使用可能なパースペクティブは、ワークベンチで使用可能になっている機能に依存します。 例えば、テスター機能が使用不可の場合、をクリックしたときに、テスト・パースペクティブはオプションとして表示されません。
作業を中断せずに、いつでもパースペクティブを切り替えることが可能で、さらにパースペクティブはいくつでも開くことができます。 デベロッパーは、異なる作業を行う際に、パースペクティブを切り替えることがあります。 パースペクティブを切り替えるには、を選択してパースペクティブを開くか、ワークベンチの右上隅に通常表示されるパースペクティブ・バー内のパースペクティブのアイコンをクリックします。
必要なツールだけが表示される、カスタマイズしたパースペクティブを作成することもできます。 カスタマイズしたパースペクティブを作成するには、既存のパースペクティブを開き、ビューやエディターの位置変更したり、ビューやエディターを開いたり閉じたりして、必要に応じてパースペクティブを作り替えます。 次に、をクリックし、名前を入力します。
- ビュー
- パースペクティブを開くと、そのパースペクティブに関連するビューがワークベンチに表示されます。
ビューにはそれぞれ、特定の情報の表示や特定のツールへのアクセスの提供など、固有の目的があります。
各ビューの目的はさまざまですが、ビューは一般に、ワークスペースの特定の領域へのアクセスを提供します。
「プロジェクト・エクスプローラー」、「ナビゲーター」、「パッケージ・エクスプローラー」などのビューには、ワークスペース内のファイル、プロジェクト、およびパッケージが表示され、ファイルを開いたり、プロジェクトを再編成したりすることができます。
その他、「アウトライン」や「プロパティー」などのビューには、エディターに現在表示中のファイルに関する情報が表示されます。
最後に、「問題」や「コンソール」などのビューには、プロジェクトの状況に関する情報が表示されます。
ビューは柔軟性に富んでいます。ユーザーはビューを、ワークベンチの中で移動させたり、サイズ変更、最小化、最大化したり、他のビューの上へ重ねたり、閉じたりすることができます。 ビューを閉じるには、ビューの上部にある「X」をクリックします。 ビューを開くには、そのビューを含むパースペクティブを開くか、をクリックしてビューの名前をクリックします。ビューはいくつでも開くことができますが、ビューを 1 つ以上のパースペクティブに編成することが最良の方法です。
- エディター
- エディターは、ビューと同じように見えますが、特定のタイプのファイルを変更するために設計されています。
EGL コード・エディターのようなエディターは、他の多数のプログラム言語のコード・エディターとまったく同じような外見と機能を持ちますが、EGL コード・エディターには EGL コードを処理するための機能が追加されています。
その他、ドラッグ・アンド・ドロップ・ツールや WYSIWYG プレビュー・ツールを含むグラフィカル・エディターがあります。 例えば、Page Designer を使用すると、Web ページ内でクリックして直接入力することによって Web ページを編集できます。 「パレット」のようなビューから Web ページ要素をページにドラッグすることもできます。
まだ他にも、テーブル形式のエディターがあり、値を入力するテーブルを提供します。 例えば、EGL ビルド・パーツ・エディターでは、テーブル内にビルド記述子オプションの値を入力することで、ユーザーがビルド記述子パーツを編集できます。
通常、プロジェクト・エクスプローラーやナビゲーターなど、ファイルを表示するビュー内でファイルをダブルクリックすると、ファイルがそのデフォルトのエディター内で開きます。 ファイルを開くことが可能なエディターのリストを表示するには、ファイルを右クリックしてから、「アプリケーションから開く」をクリックします。または、ファイルをワークベンチの外側で、オペレーティング・システムでのそのファイル・タイプのデフォルト・エディターで開くには、をクリックします。
ワークベンチに関するその他の情報
ワークベンチの効果的な使用に関する詳細については、以下のソースを参照してください。