ファイル・システムからリポジトリーへのバッチ更新の実行

アセットは、作成することも、ご使用のファイル・システムに存在するアセットを Rational® Asset Manager リポジトリーに更新することもできます。 アセット・ソースとして特定の規則に従うファイルおよびディレクトリーを使用して、ファイル・システム内にアセット・メタデータを定義することができます。Rational Asset Manager Eclipse クライアントでは、アセット・ソースに従ってアセットのバッチ・インポートまたはバッチ更新を実行できます。

このタスクについて

ファイル・システムからリポジトリーに直接アセットをアップロードするには、以下のことを実行します。
  1. ローカル・ファイル・システムで、アセットの作成元になるディレクトリーを見つけます。
  2. ディレクトリーおよびそれらのファイルがアセットに対してマップを行う方法を定義する規則を作成します。 例えば、成果物とするファイルや、コミュニティーおよびアセット・バージョンとして割り当てる値を定義する必要があります。 これらの規則は、以下の 2 つの方法で定義できます。
    • 一連の規則を指定する。
    • 定義を含む manifest.rmd ファイルを作成する。
      注: manifest.rmd ファイルを作成する場合は、アセット・ソースとしてアセットまたはアセット・アーカイブのルート・ディレクトリーを追加する前に、そのルート・ディレクトリーにこのファイルを配置する必要があります。
      ファイル・ディレクトリー構造。
  3. 新規アセットに付随して存在するすべての問題を訂正し、宛先リポジトリーを選択して、リポジトリーに対してアセットを更新します。

手順

Eclipse クライアントを使用してファイル・システムからのバッチ更新を実行するには、以下の手順に従って操作します。

  1. 「アセットの検索」ビューでメニューを展開し、「バッチ更新」を選択します。
    「バッチ更新」メニュー
  2. バッチ・エディターの「アセットの検索」セクションで、不要になったリポジトリーをソース・リポジトリー空間から削除します。
    「アセットの検索」セクションでのリポジトリーの削除
  3. アセットをインポートする宛先リポジトリーを指定するか、またはリポジトリー接続を作成します。
    これらの更新に使用するリポジトリー接続の選択
  4. ソース・リポジトリー空間の中で右クリックし、「アセット・ソースの追加」 > 「ファイル・システム」をクリックします。
    「アセット・ソースの追加」 > 「ファイル・システム」
  5. フォルダー・ピッカーで「アセット・ソース」のルート・フォルダーを右クリックし、「規則の追加...」をクリックします。
    重要: すべてのアセット・ルート・フォルダーはルート・フォルダーの下に置く必要があります。次に例を示します。
    ルート・フォルダーの下の 4 つのアセット・ルート・フォルダー

    アセット・メタデータ (例えば、Manifest.rmd) は、それぞれのアセット・ルート・フォルダーに格納されます。

  6. 規則タイプとして「アセット」を選択し、「次へ」をクリックします。
  7. 「すべてのアーカイブおよびフォルダーを使用したアセットの作成」を選択して、ルート・フォルダーの下のすべてのアセット・ルート・フォルダーを取り出すか、または「このフィルターに一致するアーカイブおよびフォルダーを使用したアセットの作成」を選択してから、アセット・ルート・フォルダーをカスタマイズするためのフィルターを指定します。次に、「完了」をクリックします。
  8. アセットの検証が完了したら、宛先空間にあるリストの内容を点検し、アセットの検証に関する問題を解決します。
  9. 「アセットをすべて更新」をクリックしてバッチ更新を完了します。

サンプル

次に紹介するサンプルでは、バッチ更新を実行する方法を説明します。このサンプルには、4 個のアセットをインポートするために 4 個のアセット・ルート・フォルダーがあります。これらのフォルダーは、次の図のとおりです。

Asset source フォルダーの下の 4 個のフォルダー: bin asset、doc asset、source code asset、および source code2 asset
「source code asset」「source code2 asset」は、成果物としてソース・コードが含まれるアセット用です。「bin asset」には、バイナリー JAR ファイルが入ります。ドキュメンテーションは、「doc asset」に格納されます。

目的は、これらのアセット・メタデータをファイル・システムから Rational Asset Manager リポジトリーにインポートし、成果物の使用に応じてコミュニティーとアセット・タイプを設定することです。

「4 個のアセットのマニフェストおよび成果物の構成 (Configure the manifest and artifact of the four assets)」

このサンプルでは、bin asset のコミュニティーを DevOps Community に設定し、doc asset のコミュニティーを Documentation に設定します。バッチ更新を開始する前に、4 個のアセットのマニフェストと成果物を以下のように構成してください。
  • 「bin asset」のフォルダー構造とマニフェスト:
    Directory of C:\Asset source\bin asset
    
    09/29/2014  01:24 PM    <DIR>          .
    09/29/2014  01:24 PM    <DIR>          ..
    03/20/2012  11:54 AM           350,627 log4j-1.2.11.jar
    09/29/2014  01:30 PM               475 manifest.rmd

    マニフェスト・ファイル (.jar ファイルを成果物としてアップロードします):

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <defaultprofile:Asset xmi:version="2.0" xmlns:xmi="http://www.omg.org/XMI" xmlns:defaultprofile="http:///defaultprofile.ecore" 
       name="log4j bin" version="1.2.11" shortDescription="log4j jar file">
     <classification>
      <descriptorGroup name="AssetType">
       <nodeDescriptor href="executable jar" />
      </descriptorGroup>
     </classification>
    <solution>
      <artifact name="log4j-1.2.11.jar">
       <reference><value>log4j-1.2.11.jar</value></reference>
      </artifact>
     </solution>
     </description><value>Longer description</value></description>
    </defaultprofile:Asset>
  • 「doc asset」のフォルダー構造とマニフェスト:
    Directory of C:\Asset source\doc asset
    09/29/2014  01:24 PM    <DIR>          .
    09/29/2014  01:24 PM    <DIR>          ..
    09/29/2014  01:30 PM               560 manifest.rmd

    オンライン・ドキュメンテーションへの URL 成果物を含むマニフェスト・ファイル:

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <defaultprofile:Asset xmi:version="2.0" xmlns:xmi="http://www.omg.org/XMI" xmlns:defaultprofile="http:///defaultprofile.ecore" 
       name="doc asset" version="1.0" shortDescription="short description">  
      <classification>
       <descriptorGroup name="AssetType">
        <nodeDescriptor href="documentation"/>
      </descriptorGroup>
     </classification>
    <solution>
     <artifact name="API reference" type="url">
         <reference value="http://logging.apache.org/log4j/1.2/apidocs/index.html">
            <referenceKind name="url"/>
         </reference>
       </artifact>
     </solution>
     <description><value>Longer description</value></description>
    </defaultprofile:Asset>
  • 「source code asset」のフォルダー構造とマニフェスト:
    Directory of C:\Asset source\source code asset
    
    09/29/2014  01:30 PM    <DIR>          .
    09/29/2014  01:30 PM    <DIR>          ..
    09/29/2014  11:17 AM    <DIR>          folder
    09/29/2014  01:38 PM               536 manifest.rmd
    
    Directory of C:\Asset source\source code asset\folder
    
    09/29/2014  11:17 AM    <DIR>          .
    09/29/2014  11:17 AM    <DIR>          ..
    09/29/2014  11:16 AM            27,008 log4j-1.2.11.zip

    .zip ファイルに圧縮されたソース・コードを含むマニフェスト・ファイル (ソース・コードはフォルダー内に置かれます):

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <defaultprofile:Asset xmi:version="2.0" xmlns:xmi="http://www.omg.org/XMI" xmlns:defaultprofile="http:///defaultprofile.ecore" 
        name="log4j-src" version="1.2.11" shortDescription="short description">
       <classification>
        <descriptorGroup name="AssetType">
          <nodeDescriptor href="source code" />
        </descriptorGroup>
       </classification>
       <solution>
         <artifact name="folder" type="folder">
          <artifact name="log4j-1.2.11.zip" type="application/zip"/>
        <reference value="log4j-1.2.11.zip"/>
       </artifact>
      </artifact>
     </solution>
     <description><value>Longer description</value></description>
    </defaultprofile:Asset>
  • 「source code2 asset」のフォルダー構造とマニフェスト:
    Directory of C:\Asset source\source code2 asset
    
    09/29/2014  01:32 PM    <DIR>          .
    09/29/2014  01:32 PM    <DIR>          ..
    09/29/2014  11:16 AM            27,008 log4j-1.2.11.zip
    09/29/2014  11:17 AM               911 manifest.rmd

    .zip ファイルに圧縮されたソース・コードが含むマニフェスト・ファイル:

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <defaultprofile:Asset xmi:version="2.0" xmlns:xmi="http://www.omg.org/XMI" xmlns:defaultprofile="http:///defaultprofile.ecore" 
         name="log4j-src" version="1.2.11" shortDescription="short description">
      <classification>
        <descriptorGroup name="AssetType">
          <nodeDescriptor href="source code" />
        </descriptorGroup>
      </classification>
      <solution>
        <artifact name="log4j-12.11.zip" type="text/plain">
          <reference><value>log4j-12.11.zip</value></reference>
        </artifact>
      </solution>
    </defaultprofile:Asset>
各アセットの成果物に対するメタデータを指定し、manifest.rmd ファイルと同じディレクトリーに成果物を置く必要があります。なお、マニフェスト・ファイルにおいてはアセット・タイプのメタデータが必須である点に注意してください。 以下に例を示します。
<classification>
  <descriptorGroup name="AssetType">
   <!-- specify the asset type url, or set a value here and map it to a existing asset type url in batch update later -->
    <nodeDescriptor href="source code" />
    </descriptorGroup>
  </classification>

「バッチ・エディターでのアセット・コミュニティーの設定 (Set asset communities in the Batch editor)」

すべてのアセットにコミュニティーを設定してあるわけではないので、バッチ・エディターでアセット規則を使用すると、アセット名に従ってアセットのコミュニティーを容易に設定できます。以下の手順に従って操作してください。
  1. バッチ・エディターで、4 個のアセット・ルート・フォルダーがすべて含まれているルート・フォルダーをインポートし、宛先リポジトリーを指定します。
  2. ソース・コード・アセットのアセット規則を追加するために、「このフィルターに一致するアーカイブおよびフォルダーを使用したアセットの作成」を選択し、「フィルター」 フィールドに「source code*」と入力します。 次に、「完了」をクリックします。これで 2 個のソース・コード・アセットのアセット規則が作成され、ルート・アセット・ソース・フォルダーの下から名前が source code* に一致する 2 個のフォルダーが Eclipse クライアントによって選び出されます。
  3. ソース・アセットのコミュニティー規則を作成するために、アセット規則を右クリックし、「規則の追加...」をクリックします。ポップアップ・ウィンドウが開いたら、「コミュニティー」 > 「次へ」をクリックします。
  4. 宛先リポジトリーに既存のコミュニティーを指定し、「完了」をクリックします。
    「コミュニティー」フィールドに「Sample Open Source」と入力

    新規のコミュニティー規則がソース・アセットのアセット規則の下に追加され、ソース・アセットのコミュニティーが「Sample Open Source」として設定されます。

    コミュニティーはアセットの下に置かれ、Sample Open Source は Communities(1) の下に置かれます
  5. 「source code」という名前のアセット・タイプは存在しないので、検証警告メッセージが表示されます。
    Asset Types の下の警告: file:/C:/Asset%20source/source%20code%20asset/source code および Assets (2) の下の警告: アセット・タイプは必須です
    この問題を解決する方法は、以下に示すように 2 とおりあります。
    • コミュニティーの規則と類似したアセット・タイプ規則を作成します。つまり、既存のアセット・タイプを指定して、2 個のソース・アセットのアセット・タイプを上書きします。
    • それぞれのアセットの欠落しているアセット・タイプをリポジトリー内の既存のタイプにマップするか、またはリポジトリー内にアセット・タイプを作成します。
      • アセット・タイプをマップするには、以下を行ないます。
        1. 宛先リポジトリー空間のアセット・タイプを右クリックし、「アセット・タイプのマップ...」をクリックします。
          「アセット・タイプのマップ」
        2. ポップアップ・ウィンドウでアセット・タイプを指定し、「OK」をクリックします。
      • アセット・タイプを作成するには、宛先リポジトリー空間のアセット・タイプを右クリックし、「アセット・タイプの作成」をクリックします。
  6. 残りの 2 個のソース・アセットについてもアセット規則の追加を続行する場合には、コミュニティー規則を使用してそれらを別のコミュニティーに追加します。それらに対する検証警告を修正し、アセットに対する検証警告メッセージが生成されないことを確認します。
    検証警告の修正
  7. 「アセットをすべて更新」ボタンをクリックします。これでバッチ更新は完了です。
    バッチ更新が完了し、4 個のアセットが表示されます
ファイル・システムからリポジトリーへのバッチ更新の実行について詳しく理解するには、以下のトピックを参照してください。

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