このチュートリアルでは、IMS™ インバウンド・トランザクションを処理するメッセージ駆動型 Bean を、J2C Bean ウィザードを使用して作成する方法を説明します。
このチュートリアルには、オプションでインストール可能な幾つかのコンポーネントが必要となる場合があります。
サンプルの実行時にエラーが発生した場合、またはユーザー・インターフェース・オプションが見つからない場合は、以下の適切なオプション・コンポーネントがインストールされていることを確認してください。
- IBM® WebSphere® Application Server バージョン V7.0、V8.0、または V8.5
このサンプルを使用するには、アプリケーション・サーバーをインストールおよび構成しておく必要があります。
サーバー・ランタイム環境が使用可能かどうかを確認するには、をクリックし、「サーバー」を展開してから、
「インストールされたランタイム名」をクリックしてください。
このペインを使用して、インストール済みサーバー・ランタイム定義の追加、削除、または編集を行うことができます。また、新規サーバーのサポートをダウンロードおよびインストールすることも可能です。
このチュートリアルは複数の課題に分かれています。これらを適切に学習するためには、順序どおりに完了させる必要があります。
このチュートリアルでは、IMS™ でトランザクションを実行する Java™ Bean を、J2C Java Bean ウィザードを使用して作成する方法について学びます。課題を通して、以下のことを行います。
- J2C Bean ウィザードを使用して、IMS インバウンド・トランザクションを実行するメッセージ駆動型 Bean を作成する
- WebSphere® Application
Server に MDB を デプロイし、実行する
- IMS コールアウト・サンプル・アプリケーションをセットアップおよび実行して、同期コールアウト・メッセージを発行する
概説
IMS アプリケーションが外部の Java アプリケーションまたは Web サービスに要求を発行し、同じトランザクションで応答が戻ることが予想される場合、この要求は、IMS アプリケーションから見ると同期コールアウト要求と呼ばれ、WebSphere Application Server から見るとインバウンド・トランザクションと呼ばれます。
IMS アプリケーションが同期コールアウト要求を発行するときには、メッセージのルーティングを処理する IMS OTMA 宛先記述子を指定する必要があります。
この宛先には、コールアウト・メッセージの保持に使用されるトランザクション・パイプ (TPIPE) の名前が含まれています。
WebSphere Application Server にデプロイされた IMS TM リソース・アダプターは、保留キューからコールアウト要求をプルします。
IMS アプリケーションの同期コールアウト・ソリューションを実装するには、次の手順を実行します。
- DL/I ICAL 呼び出し ( IMS ホスト・システム上) を使用してコールアウト要求を発行する IMS アプリケーションを作成または変更します。
- OTMA 宛先記述子を定義します (IMS ホスト・システム上)。
- IMS インバウンド・トランザクション用 J2C アプリケーションを作成します。
- IMS アプリケーションを実行して、同期コールアウト要求を発行します (IMS ホスト・システム上)。
注: このチュートリアルは、実装全体の中の手順 3 を示します。
エンドツーエンド・テストおよび検証の際に IMS インバウンド・サンプルのインポートを選択した場合、このチュートリアルには、インバウンド・サンプルを変更することによって、IMS 同期コールアウト関数とともに提供されている IMS コールアウト・サンプル・アプリケーションを、IMS インストール検査プログラム (IVP) を通じて使用できるようにする方法も説明されています。
この IMS コールアウト・サンプル IVP には次のものが含まれています。
- 実行時に同期コールアウト要求を発行するサンプル IMS アプリケーション。
このアプリケーションは、事前定義された OTMA 宛先記述子 (IVPDTOR4) およびトランザクション・パイプ (IVPPIPE4) を指定して使用し、コールアウト・メッセージのルーティングとキューイングを行います。
サンプル IMS アプリケーションが行うのは、「HELLO FROM IMS」メッセージと共にコールアウト要求を発行し、応答を待つだけです。
- コールアウト・メッセージをルーティングするための必須 OTMA 宛先記述子、およびコールアウト・メッセージを保持するためのトランザクション・パイプ (キュー) をセットアップするために、実行できる IVP ジョブおよびタスク。
次の図は、IMS コールアウト・サンプル IVP で提供されている OTMA 宛先記述子および TPIPE 値 (キュー名) を使用した、IMS 同期コールアウト・メッセージ・フローを表しています。
学習目標
このチュートリアルでは、以下を行います。
- J2C Bean ウィザードを使用して、IMS インバウンド・トランザクションを実行するメッセージ駆動型 Bean を作成する
- WebSphere Application
Server に MDB を デプロイし、実行する
- 同期コールアウト・メッセージ用の IMS アプリケーションをセットアップし、実行する
所要時間
このチュートリアルを完了するには、約 30 分必要です。
このチュートリアルに関連した他の概念を検討する場合は、完了するまでさらに時間がかかります。
スキル・レベル
上級者
対象読者
このチュートリアルは、Enterprise Information systems (EIS) および特に IMS に精通したユーザー向けです。
システム要件
このチュートリアルを完了するには、
以下のツールとコンポーネントがインストールされている必要があります。
- IBM® WebSphere® Application Server バージョン V7.0、V8.0、または V8.5
- インストール済み J2EE Connector (J2C) ツール
- ご使用の IMS 環境に関する情報: このチュートリアルでは、アプリケーションが IMS のアプリケーション・プログラムと対話します。IMS Connect のホスト名やポート番号などの情報、およびトランザクションが実行される IMS データ・ストアの名前などの情報を入手する必要があります。
こうした情報については、IMS システム管理者にお問い合わせください。
また、このサンプルを実行するためには IMS でセットアップ作業を実行する必要があります。
- COBOL ファイル SYCALOUT.cpy のコピー:
このファイルは製品のインストール・ディレクトリー (<installdir>¥IBM¥SDP70Shared¥plugins¥com.ibm.j2c.cheatsheet.content_7.0.0¥samples¥IMS¥inbound.) にあります。
これをローカルで保管する場合は、dsycalout.cpy からコードをコピーできます。
- クリーンなワークスペース。
前提条件
このチュートリアルを最初から最後まで完了するには、次の内容を十分に理解している必要があります。
- J2EE および Java プログラミング
- 基本的な IMS Transaction Manager
(IMS TM) の概念
- IMS ホスト・システムの前提条件