ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーによって、データベース管理者は、ワークロードで参照されているどの表が
IBM DB2 Analytics Accelerator でアクセラレーターに追加されるかを決定することができます。
このタスクについて
このアドバイザーは、SQL ステートメントのワークロードで参照されている表を分析し、それらの表を参照しているコレクション内の
SQL ステートメントのパフォーマンスを向上させるため、どの表がアクセラレーターに追加されるかを決定します。
さらにアドバイザーは、その推奨による CPU 使用率削減の見積もりを報告します。
ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーは、推奨項目を生成するために 2 つの異なる方式を使用できます。
- 仮想アクセラレーターの使用
- アドバイザーがこの方式を使用するには、実行中の仮想アクセラレーターの名前を指定する必要があります。
この方式を使用する利点は、アドバイザーの推奨項目に基づく各種シナリオの「What-If」テストを実行できることです。
- アクセラレーター・モデリングの使用
- この方式では、仮想アクセラレーターを実行する必要はありません。
ただし、この方式を選択した場合は、以下の制約事項がアドバイザーの推奨項目に適用されます。
- CURRENT QUERY ACCELERATION を ELIGIBLE に設定するようには指定できません。
アドバイザーの実行時は、この特殊レジスターは常に ENABLE に設定されます。
各設定値について以下で説明します。
- ENABLE
- これは、ステートメントのアクセラレーションを行うように指定します (そうする利点があると DB2 で判断された場合のみ)。
例えば、ステートメントが 1 つ以上の適格性基準を満たしているためにオフロードに適格である場合が考えられます。
ただし、アクセラレーターにオフロードされた表に対してステートメントを実行しても、パフォーマンスがほとんど向上しないか、あるいはまったく向上しない
場合もあります。
この場合、DB2 はアクセラレーターに対してステートメントを実行しません。
- ELIGIBLE
- これは、パフォーマンス上の利点がない場合でも、ステートメントがアクセラレーションに適格であれば、そのステートメントをアクセラレーターで
実行するように指定します。
例えば、できるだけ多くのステートメントをアクセラレーターで実行することによって CPU サイクルを節約する場合が考えられます。
すべてのステートメントについてパフォーマンスが向上するわけではないとしても、より多くの CPU リソースを他の目的に使用できるようになります。
- アドバイザーの推奨項目に基づく各種シナリオの「What-If」テストは実行できません。
IBM Redbook
「Optimizing DB2 Queries with IBM DB2 Analytics Accelerator for z/OS」 (
http://www.redbooks.ibm.com/abstracts/sg248005.html) で
以下の情報を参照してください。
- DB2 Analytics Acceleration Advisor によって利点を得ることができるワークロードのタイプの要約については、セクション 1.4 を参照してください。
- ステートメントをオフロードできるかどうかを決定する基準のリスト、
およびオフロードされたステートメントに関する制約事項のリストについては、セクション 10.1 を参照してください。
手順
表をアクセラレーターに追加するための推奨情報を生成し、それに基づいて対応するには、以下の手順を実行します。
- ワークフロー・アシスタントの「管理」セクションで、「ワークロードの管理」ページを開きます。
- 照会ワークロードを選択し、照会ワークロードのリストの上にあるツールバーで、左端にある「アドバイザーの起動」アイコンをクリックします。
「呼び出し」セクションの「ワークロード・アドバイザーの実行」ページが開きます。
- オプション: ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーのオプションの値を変更します。 「呼び出し」セクションの左側の「ワークロード」の下にある、「アドバイザー・オプションの設定」をクリックします。
次に、「ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザー」 タブをクリックして、変更できるオプションを表示します。
オプションの値の変更が完了した後で、「確認」セクションの左側にある 「ワークロード・アドバイザーの実行」をクリックします。
- 以下の条件のいずれか、または両方に合致する場合は、「ワークロード・アドバイザーの実行前に EXPLAIN 情報を再収集する」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。
- 別のアドバイザーによる推奨情報の実装後に、このアドバイザーを実行している。
- 別の時点で取得したこの照会ワークロードの EXPLAIN 情報と比較できる EXPLAIN 情報を収集しようとしている。
- 実行する項目の選択」ボタンをクリックします。
- 「アクティビティーの選択」ウィンドウで、「アナリティクス・アクセラレーション」チェック・ボックスを選択し、「OK」をクリックします。
- 仮想アクセラレーターを使用するのかアクセラレーター・モデリングを使用するのかを選択します。
「確認」セクションの「ワークロード・アドバイザーの推奨情報を確認」ページが開きます。このページの「要約」」セクションは、表をアクセラレーターに追加するときの推奨情報があるかどうかを示しています。
- 「要約」セクションで、「アナリティクス・アクセラレーション」行をダブルクリックします。
「アナリティクス・アクセラレーション」セクションが開き、ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーの検出事項と推奨事項が表示されます。
例
以下のユース・ケースで、ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーを使用すると、どのような場合に役立つかについて説明します。
ユース・ケース 1:
データベース管理者は、DB2 Analytics Accelerator をデプロイしてアプリケーションのパフォーマンス速度を上げたいのですが、どの表をアクセラレーターに追加するのか、どの
SQL ステートメントをオフロードするのかが分かりません。
- ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーがない場合:
- データベース管理者は仮想アクセラレーターを使用して、照会を 1 つずつ分析します。
ステートメントの数が多い場合、この手動プロセスは効率的ではありません。
- ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーがある場合:
- データベース管理者は、ワークロード全体について一度にアドバイスを受け取ることができます。
アドバイザーは、どの表をアクセラレーターに追加できるかを表示するだけでなく、表が置かれているシステムにおける CPU 使用率削減の見積もりも表示します。
さらにアドバイザーは、ワークロード内のどのステートメントがアクセラレーターに対して処理をオフロードにできるか、どのステートメントが処理をオフロードにできないか、また
どのステートメントをオフロードに適格にするために再書き込みできるかを表示します。
ユース・ケース 2:
表が DB2 Analytics Accelerator に対してオフロードになっていて、データベース管理者は、それらの表すべてがその場所になければならないかどうかを知ろうとしています。
いくつもの表を DB2 とアクセラレーターの両方に保管しておくためには、多大なメンテナンス労力がかかります。
- ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーがない場合:
- データベース管理者は、表それぞれをアクセラレーターに置いておくときの利点について、手動で調べる必要があります。
このような作業は、ワークロードが大きいときには困難です。
- ワークロード・アナリティクス・アクセラレーション・アドバイザーがある場合:
- アドバイザーはワークロード全体を一度に分析でき、どの表をアクセラレーターから削除できるかについての推奨事項を提示します。
ユース・ケース 3:
データベース管理者は、アドバイザーから推奨事項を受け取りました。
いくつもの表がワークロードに関係していて、アドバイザーは、その大部分をアクセラレーターに追加するよう推奨しています。
データベース管理者は、それらの一部のみアクセラレーターに追加するだけで、十分なパフォーマンス改善を得ようとしています。
アドバイザーが使用する仮想アクセラレーターをデータベース管理者が指定した場合、データベース管理者は、
アドバイザーからの推奨項目の上にある「候補アナリティクス・アクセラレーションのテスト」ボタンをクリックできます。
開いたページで、データベース管理者はオフロード対象として推奨されている表のリストを調べ、それらの表の一部を選択解除してからアドバイザーを実行し、選択した表をアクセラレーターに追加した結果のパフォーマンス改善を調べることができます。
次のタスク
アドバイザーが使用する仮想アクセラレーターを指定した場合: 「候補アナリティクス・アクセラレーションのテスト」ボタンを
クリックすれば、「ワークロード・テスト候補アナリティクス・アクセラレーション」フィーチャーを使用して、
推奨項目を変更したり、CPU 使用率削減の見積もりを調べたりすることができます。
ワークロードを参照している表が既にアクセラレーターにある場合、テストを実行する前に、それらの表を選択解除することはできません。
推奨事項を実装するには、「推奨の表をアクセラレーターに追加」をクリックしてください。
表を追加した後、それらの表をロードして、使用可能にする必要があります。