アクセス Bean

EJB アクセス Bean はエンタープライズ Bean へのクライアント・アクセスを大幅に単純化し、複数のエンタープライズ Bean 属性に対するリモート呼び出しに関連したパフォーマンス上の問題を緩和します。

アクセス Bean は、エンタープライズ Bean の Java™ Bean 表記です。アクセス Bean は、通常、JavaServer Pages (JSP) ファイル、サーブレット、あるいは他のエンタープライズ Bean とのインターフェースになるエンタープライズ Bean を使用する、クライアント・プログラムで使用されます。アクセス Bean によって、エンタープライズ Bean のライフサイクルを管理する複雑な作業をユーザーが行う必要がなくなります。つまり、ユーザーはエンタープライズ Bean を Java Bean と同じように簡単にプログラムできることになり、 そのためエンタープライズ Bean クライアント・プログラムが大幅に単純化され、全体の開発時間の削減に役立ちます。

クライアントとエンタープライズ Bean の対話における性能低下の問題を、 アクセス Bean がどのようにして解決するかを理解するには、 クライアント・プログラムがエンタープライズ Bean に通常アクセスする方法を検討してみることが役に立ちます。

  1. ネーム・サーバーへのコンテキスト (ネーム・サービス・コンテキスト) を獲得する。
  2. ネーム・サービス・コンテキストを使用して、エンタープライズ Bean のホームを検索する。
  3. エンタープライズ Bean ホームから、エンタープライズ Bean プロキシー・オブジェクトを戻す エンタープライズ Bean インスタンスを作成する。
  4. クライアントは、リモート呼び出しを使用して、エンタープライズ Bean プロキシー・オブジェクト経由で、 エンタープライズ Bean インスタンスのリモート・メソッドにアクセスします。

エンタープライズ Bean プロキシー・オブジェクトへのクライアント呼び出しは、 それぞれがリモート呼び出しであるため、エンタープライズ Bean に多数の属性があり、 属性の設定または取得のために複数のリモート呼び出しが行われる場合、性能が低下します。 アクセス Bean は、エンティティー・データなどのサーバー・サイド・データを単純にキャッシュするため、 クライアント・サイドでのパフォーマンス上の問題が解決されます。 エンタープライズ Bean の属性のローカル・キャッシュにより、エンタープライズ Bean へのアクセス速度は著しく改善されます。

以下の 4 つの型のアクセス Bean をワークベンチで開発できます。

注: データ・アクセス Bean およびコピー・ヘルパー Bean を、 セッション Bean 用に作成することはできません。セッション Bean 用に作成できるのは、Java ラッパー・アクセス Bean のみです。 これは制限事項ではなく、設計上の理由によるものです。アクセス Bean の型はすべてエンティティー Bean を作成できます。

EJB ファクトリーおよびデータ・クラスの Bean タイプは、 Application Developer に特有です。EJB ファクトリーは Java Bean ラッパーに似ており、データ・クラスはコピー・ヘルパーに似ていますので、Java Bean ラッパーやコピー・ヘルパーが提供する機能を置き換えることが可能です。しかし、コピー・ヘルパーと Java Bean ラッパーとの間の関係とは異なり、 データ・クラスは EJB ファクトリーのスーパーセットではありません。

EJB ファクトリーおよびデータ・クラス・アクセス Bean の基礎をなすテクノロジーは、 アクセス Bean の作成または編集のプロセスを単純化します。 「アクセス Bean の作成」ウィザード、 または「アクセス Bean の編集」ウィザードを使用すれば、 簡単にデータ・クラス・アクセス Bean を作成または編集することができます。 新規のアプリケーションを開発する場合には、 新しいテクノロジーを採用しているデータ・クラス・アクセス Bean だけを作成することをお勧めします。EJB ファクトリーは、データ・クラス、Java Bean ラッパー、またはコピー・ヘルパーのいずれを作成するのかにかかわらず、 「アクセス Bean の作成」ウィザードによって自動的に作成されます。このため、EJB ファクトリーは、「アクセス Bean の作成」ウィザードの選択ページ (作成するアクセス Bean タイプを指定するページ) には表示されません。


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