数値計算アプリケーションのセットアップ手順

このサンプルには、EJB プロジェクト (SimpleCIEJBs) および EAR プロジェクト (SimpleCIEAR) と関連する SimpleCI バッチ・プロジェクトが含まれています。SimpleCI アプリケーションは、指定された時間にわたって計算主体の数値計算を実行する、数値計算プログラミング・モデルを示します。

始める前に

  1. 以下のサポートされているサーバーのいずれかをインストールします。
    • WebSphere® Application Server V8.5
    • WebSphere Application Server V8.0
    • WebSphere Application Server V8.0 (WebSphere Extended Deployment Compute Grid V8.0 を併用)
    • WebSphere Application Server V7.0 with Feature Pack for Modern Batch
  2. バッチ・アプリケーションを受け入れるための WebSphere Application Server の構成
    ヒント: 最新バッチ・ジョブ管理コンソールが開けない場合、アプリケーション・サーバーはバッチ・アプリケーションを受け入れる準備が整っていません。例えば、「サーバー」 ビューに移動し、サーバーを右クリックして 「最新バッチ・ジョブ管理コンソール」を選択した場合、以下のいずれかのエラー・メッセージが示される可能性があります。
    • WebSphere Application Server V8.0 または V8.5 の場合:
      Web ページが見つかりません
    • WebSphere Application Server V7.0 with Feature Pack for Modern Batch の場合:
      404 error:  JSPG0036E: Failed to find resource /jmc/console.jsp
    これらのエラー・メッセージを解決するには、WebSphere Application Server の構成によるバッチ・アプリケーションの受け入れ タスクをサーバーで完了し、次にこのページのサンプル実行に関する情報に戻ります。

このタスクについて

サーバー上でサンプルを実行するには、以下のステップを行います。

手順

  1. このサンプルを実行するサーバーのサポートされているバージョンを決定するには、「サーバー」ビューでサーバーを追加します。
    • WebSphere Application Server V7.0
    • WebSphere Application Server V8.0
    • WebSphere Application Server V8.5
    1. 「サーバー」ビューを開くには、ツールバーで「ウィンドウ」 > 「ビューの表示」 > 「サーバー」を選択します。
    2. サーバー・エントリーを追加するには、「サーバー」ビューを右クリックし、「新規」 > 「サーバー」を選択します。「新規サーバー」ウィザードの説明にしたがって、「WebSphere Application Server V7.0」「WebSphere Application Server V8.0」、または「WebSphere Application Server V8.5」のいずれかを選択します。 詳しくは、WebSphere Application Server の作成のトピックを参照してください。
  2. サンプルをワークスペースにインポートします。
    1. 製品のヘルプ・システムで、このサンプルのインポートリンクをクリックして、数値計算アプリケーションのサンプルをワークスペースにインポートします。
    2. 「インポート」 ウィザードで、デフォルト設定を受け入れ、「終了」をクリックします。
    3. このサンプルを WebSphere Application Server V8.0 または V8.5 上で実行する場合、ターゲット・ランタイム環境のデフォルト設定を変更する必要があります。 このサンプルのデフォルト環境は WebSphere Application Server V7.0 に設定されています。 「サンプル・ランタイム・ターゲット」 ウィザードは、ワークベンチに WebSphere Application Server V7.0 ランタイム環境が含まれていない場合のみ開きます。
      • 「サンプル・ランタイム・ターゲット」 ウィザードが開いた場合、このワークベンチには WebSphere Application Server V7.0 ランタイム環境が含まれていません。
        1. 「サンプルのインポート後に、互換ランタイムまたはスタブを手動でインストール」オプションを選択し、「終了」をクリックします。
        2. 「ワークスペースのマイグレーション」ページで、「次へ」をクリックします。
        3. 「マイグレーションが必要なワークスペース・プロジェクト」ページで、「次へ」をクリックします。
        4. 「マイグレーション・プロジェクトのリソース」ページで、「 次へ」をクリックします。
        5. 「未定義サーバー・ランタイム」ページ上にある「サーバー・ランタイム」リストで、was.base.v7 エントリーについて、「新規サーバー・ランタイム」列の下にある「WebSphere Application Server v8.0」または「WebSphere Application Server v8.5」を選択します。 「次へ」をクリックします。
        6. 「マイグレーション開始の完了」ページで、「終了」をクリックします。
        7. 「マイグレーションの検証」ウィンドウで、「OK」をクリックします
      • 「サンプル・ランタイム・ターゲット」 ウィザードが開かない場合、このワークベンチには WebSphere Application Server V7.0 ランタイム環境が含まれています。
        1. 「エンタープライズ・エクスプローラー」ビューで、「SimpleCIEAR」プロジェクトを右クリック して、「プロパティー」 > 「ターゲット・ランタイム」を選択します。
        2. 「WebSphere Application Server V8.0」または「WebSphere Application Server V8.5」をチェック・ボックスで選択し、「OK」をクリックします。
    4. インポートが完了すると、「エンタープライズ・エクスプローラー」ビューに以下のプロジェクトが表示されます。
      これは、インポートされた SimpleCI サンプル・プロジェクトを含む「エンタープライズ・エクスプローラー」ビューの画面取りです。
  3. 次のようにして、サーバー上でサンプルを実行します。
    1. 「サーバー」ビューで、サーバーを右クリックし「開始」を選択します。 サーバーの開始を待ちます。「サーバー」ビューでサーバーの状態と状況が「開始済み」および「同期済み」に変更するまで待ちます。
    2. 「サーバー」ビューで、サーバーを右クリックし「追加および削除」を選択します。ウィザード内の「使用可能」 リストで、「SimpleCIEAR」アプリケーションを選択し、「追加」をクリックしてから「終了」をクリックします。 アプリケーションの公開および開始を待ちます。「サーバー」ビューでアプリケーションの状態と状況が「開始済み」および「同期済み」に変更するまで待ちます。
    3. 「エンタープライズ・エクスプローラー」ビューで、「SimpleCI」 > 「xJCL」フォルダーを展開し、SimpleCIxJCL.xml ファイルを右クリックし、「実行」 > 「最新バッチ・ジョブ」を選択します。
      「実行構成」ウィザードでは、SimpleCIxJCL.xml ファイルは、バッチ・ジョブ (xJCL) ファイルです。ジョブ は、XML ジョブ制御言語 (xJCL) と呼ばれる XML (Extensible Markup Language) の方言を使用して表現されます。 すべてのジョブに、次の情報が含まれています。
      • 処理を実行するバッチ・アプリケーションの ID
      • 処理を完了するために実行する必要がある 1 つ以上のジョブ・ステップ
      • それぞれのジョブ・ステップのロジックを提供するアプリケーション内の成果物の ID
      • アプリケーション成果物に追加コンテキストを提供する各ジョブ・ステップのキーと値の組
      詳しくは、WebSphere Application Server インフォメーション・センターのバッチ・アプリケーション、ジョブ、およびジョブ定義を参照してください。
    4. サーバーのアプリケーション・セキュリティーが有効となっている場合、「このサーバー上でセキュリティーを有効にする」チェック・ボックスを選択します。ジョブ・スケジューラー用のユーザー名とパスワードを指定します。
      ヒント: どのユーザーまたはグループがセキュリティー・ロール (lradmin および lrsubmitter) にマップされているかについては、管理コンソールを開き、「システム管理」 > 「ジョブ・スケジューラー」 > 「ユーザー/グループ・マッピングへのセキュリティー・ロール」を選択して確認できます。
    5. サンプルを実行するための入力値を以下のとおり表示します。

      置換プロパティー では、シンボリック変数の名前と値の組を定義します。 xJCL ファイルでは、シンボリック変数は ${variable-name} という形式の式になり、それがコメントの外に置かれていれば、ファイルは整形式の文書となります。シンボリック変数の置換は実行時に行われます。xJCL ファイルが発行されると、${variable-name} 文字列は、プロパティーの値に置き換えられます。

      「プロパティー」列の下にある「置換プロパティーの更新」セクションには、サンプルの入力値として使用される 2 つの置換プロパティーがあります。
      • calctime は、デフォルト値の 30 秒に設定されます。このサンプルは指定された 30 秒間、計算主体の数値計算を実行します。
      • outfile は、デフォルト値として /data/simpleciout.txt に設定されており、このサンプルが実行された後の出力テキスト・ファイルの場所となります。次の手順では、例外を回避するため、/data/ をご使用のマシンの既存ファイル・ディレクトリーに置換して、この置換プロパティーをオーバーライドします。
      ヒント: 「置換プロパティーの更新」セクションでは、「バッチ・ジョブ・ファイル」フィールドで定義されたジョブの置換プロパティーの値を更新できます。 このセクションを使用して実行構成セッション中の新しいプロパティー値を指定します。実際のバッチ・ジョブ (xJCL) ファイルは変更されません。これは、置換プロパティーにファイル・パスなど環境固有の値が含まれている時に役立ちます。
    6. サンプルを実行するための入力値を変更します。 「置換プロパティーの更新」セクションで、「outfile」置換プロパティー向けの「新規の値」列で、このサンプルの実行時に simpleciout.txt 出力テキスト・ファイルを書き込むパスを入力します。例えば、C:¥temp¥simpleciout.txt などです。
    7. 「実行の構成」ウィザードで、「実行」をクリックしてバッチ・ジョブ・ファイルを発行します。
  4. 「最新バッチ・ジョブ管理コンソール」で、ジョブおよびログを以下のとおり確認します。
    1. 「最新バッチ・ジョブ管理コンソール」セクションの左側のペインで、「ジョブの表示」リンクをクリックします。 ジョブ・テーブルで、サブミットされたジョブがリストされます。
      これは、「最新バッチ・ジョブ管理コンソール」の画面取りです。
    2. デフォルトでは、この数値計算アプリケーションのサンプルの実行には 30 秒を要します。「状態」列の下のこのサンプルの状態は、アプリケーションの実行を開始してから 30 秒間は「実行中」のままになるはずです。 「状態」 列の見出しにある最新表示ボタンをクリックして、数値計算アプリケーションが完了した時に状態変更が「終了 (Ended)」であることを確認します。
    3. 「ジョブ ID」列の下の、SimpleCI:<jobID> リンクをクリックしてください。 「ダウンロード」をクリックして、ジョブ・ログのコピーを開いたり、それを保存したりできます。
      ジョブ・ログ には、次の情報が含まれています。
      • ジョブを実行するために使用された xJCL ファイルのコピー (xJCL 置換値を含む)。
      • ジョブに対応した主要なライフサイクル・イベントを通信する一連のシステム・メッセージ。ジョブ・ログに記録されているシステム・イベントの例は、ジョブの開始と終了およびジョブ・ステップです。
      • ジョブ・ステップ・プログラムによる標準出力と標準エラー出力に書き込まれた一連のメッセージ。
      ジョブ・ログに関する詳細は、WebSphere Application Server のインフォメーション・センターにある Job logs トピックを参照してください。
      以下に、このサンプルで表示されるジョブ・ログの例を示します。
      CWLRB5671I: [10/20/10 15:09:02:902 EDT] Processing for job SimpleCI:00007 started.
      CWLRB5807I: [10/20/10 15:09:02:932 EDT] Original XJCL
         1 : <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
         2 : <!--(C) Copyright IBM Corp. 2005 - All Rights Reserved. DISCLAIMER:  The following source code is sample code created by IBM Corporation. This sample code is provided to you solely for the purpose of assisting you in the use of the product. The code is provided 'AS IS', without warranty or condition of any kind. IBM shall not be liable for any damages arising out of your use of the sample code, even if IBM has been advised of the possibility of such damages.-->
         3 : <job default-application-name="SimpleCIEAR" name="SimpleCI" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:noNamespaceSchemaLocation="http://core.wcg.etools.ibm.com/xsd/xJCL.xsd">
         4 :     <jndi-name>ejb/com/ibm/ws/ci/SimpleCIEarCIController</jndi-name>
         5 :     <substitution-props>
         6 :         <prop name="calctime" value="30"></prop>
         7 :         <prop name="outfile" value="C:¥temp¥mytext.txt"></prop>
         8 :     </substitution-props>
         9 :     <job-step name="Step1">
        10 :         <classname>com.ibm.websphere.ci.samples.SimpleCIWork</classname>
        11 :         <props>
        12 :             <prop name="calculationTimeInSecs" value="${calctime}"></prop>
        13 :             <prop name="outputFileName" value="${outfile}"></prop>
        14 :         </props>
        15 :     </job-step>
        16 : </job>
      CWLRB5808I: [10/20/10 15:09:02:945 EDT] Substituted XJCL
         1 : <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
         2 : <!--(C) Copyright IBM Corp. 2005 - All Rights Reserved. DISCLAIMER:  The following source code is sample code created by IBM Corporation. This sample code is provided to you solely for the purpose of assisting you in the use of the product. The code is provided 'AS IS', without warranty or condition of any kind. IBM shall not be liable for any damages arising out of your use of the sample code, even if IBM has been advised of the possibility of such damages.-->
         3 : <job default-application-name="SimpleCIEAR" name="SimpleCI" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:noNamespaceSchemaLocation="http://core.wcg.etools.ibm.com/xsd/xJCL.xsd">
         4 :     <jndi-name>ejb/com/ibm/ws/ci/SimpleCIEarCIController</jndi-name>
         5 :     <substitution-props>
         6 :         <prop name="calctime" value="30"></prop>
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         9 :     <job-step name="Step1">
        10 :         <classname>com.ibm.websphere.ci.samples.SimpleCIWork</classname>
        11 :         <props>
        12 :             <prop name="calculationTimeInSecs" value="30"></prop>
        13 :             <prop name="outputFileName" value="C:¥temp¥mytext.txt"></prop>
        14 :         </props>
        15 :     </job-step>
        16 : </job>
      CWLRB5684I: [10/20/10 15:09:02:981 EDT] Job SimpleCI:00007 is queued for execution
      CWLRB5586I: [10/20/10 15:09:02:995 EDT] CWLRS6006I: Job class Default, Importance 8, Service Class null, Service Goal Type 4, Application Type j2ee, Submitter UNAUTHENTICATED.
      CWLRB5586I: [10/20/10 15:09:02:995 EDT] CWLRS6007I: Job Arrival Time 10/20/10 3:09 PM, Goal Max Completion Time 0, Goal Max Queue Time 0, Breach Time 10/21/10 3:09 PM.
      CWLRB5586I: [10/20/10 15:09:02:996 EDT] CWLRS6021I: List of eligible endpoints to execute the job: zebraNode01/server1.
      CWLRB5586I: [10/20/10 15:09:02:996 EDT] CWLRS6011I: APC is not active. GAP will make the endpoint selection.
      CWLRB5586I: [10/20/10 15:09:03:020 EDT] CWLRS6013I: GAP is dispatching job SimpleCI:00007. Job queue time 0.025 seconds.
      CWLRB3090I: [10/20/10 15:09:03:075 EDT] Job SimpleCI:00007 is dispatched to endpoint zebraNode01/server1: result: 0
      System.out: [10/20/10 15:09:03:170 EDT] Wed Oct 20 15:09:03 EDT 2010: SimpleCI application starting... 
      System.out: [10/20/10 15:09:03:170 EDT] -->Will loop processing a variety of math functions for approximately 30.0 seconds!
      System.out: [10/20/10 15:09:33:198 EDT] Wed Oct 20 15:09:33 EDT 2010: SimpleCI application complete!
      System.out: [10/20/10 15:09:33:199 EDT] -->Actual Processing time = 30.028 seconds!
      CWLRB3800I: [10/20/10 15:09:33:224 EDT] Job [SimpleCI:00007] ended normally.
  5. 以下に、simpleciout.txt ファイルの出力の例を示します。
    Wed Oct 20 15:09:03 EDT 2010: SimpleCI application starting... 
    -->Will loop processing a variety of math functions for approximately 30.0 seconds!
    Wed Oct 20 15:09:33 EDT 2010: SimpleCI application complete!
    -->Actual Processing time = 30.028 seconds!

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