IMS TM リソース・アダプター バージョン 9 のすべての基本フィーチャーに加えて、IMS TM リソース・アダプター バージョン 10 は、以下の新規フィーチャーを提供しています。
IMS バージョン 10 以降の OTMA トランザクション有効期限機能では、IMS Connect がクライアント・アプリケーションから指示を受け、実行がタイムアウトになったときにクライアント・アプリケーションがそれ以上応答を待機せず、トランザクションを廃棄またはデキューするよう、IMS OTMA に指示できるようになっています。
この OTMA 機能強化がサポートされる以前のバージョンでは、executionTimeout プロパティーでの指定に従って割り当てられた時間枠内にトランザクションを処理するリソースを IMS が持っていない場合、トランザクションを取り消すことができません。
この OTMA 機能強化をサポートするために、IMS TM リソース・アダプター バージョン 10.4 以降では、 新規の transExpiration プロパティーが IMSInteractionSpec クラスに追加されています。 これにより、OTMA は、実行タイムアウト値に達したときにトランザクションを廃棄またはデキューするよう指示されます。
このサポートにより、IMS TM リソース・アダプター・クライアント・アプリケーションは、OTMA のトランザクション有効期限の機能強化を利用して、OTMA が IMS TM リソース・アダプターからの不要なメッセージを処理しないで済むようにすることができます。
IMS バージョン 10 の OTMA トランザクション有効期限機能には、APAR PK70458、PK74024、および PK74017 が必要です。
IMS 従属領域で実行される IMS アプリケーションは、WebSphere® Application Server で実行される Java EE アプリケーションに同期または非同期コールアウト要求のいずれかを行うことで、 IMS 環境の外側にあるビジネス・ロジックと対話することができます。IMS コールアウト要求は、OTMA、IMS Connect、および IMS TM リソース・アダプターを介して、外部の Java EE アプリケーションにルーティングされます。 次に Java EE アプリケーションは、保留キューからコールアウト要求を検索して、さらに処理します。 外部アプリケーションからの応答はすべて、同期で同じトランザクション内、または非同期で異なるトランザクション内の IMS システムに戻すことができます。
MDB の場合は、JCA 1.5 リソース・アダプターのインバウンド・メッセージング・サポートを介した IMS との通信に Secure Sockets Layer (SSL) 認証を使用できます。
EJB の使用による非同期コールアウト・サポートが IMS TM リソース・アダプター バージョン 10.1 に追加されました。
MDB の使用による同期コールアウト・サポートと非同期コールアウト・サポートが IMS TM リソース・アダプター バージョン 10.3 に追加されました。
WebSphere Transformation Extender Design Studio を使用すると、IMS アプリケーション間で複合データ・フォーマットを送信するアプリケーションをビルドすることができます。
WebSphere Transformation Extender は、トランザクション指向のデータ統合ソリューションであり、 企業全体での大量で複雑なトランザクションの変換を自動化します。その Type Designer を使用すると、COBOL コピーブックから型ツリーを生成することができます。 型ツリーとは、入出力構成のメタデータ定義が含まれる、図形によるデータ・ディクショナリーです。 その後、Map Designer を使用して、データの変換とルーティングについての規則を指定します。
IMS アプリケーションは WebSphere Transformation Extender を使用することで、複雑なデータ・フォーマット (例えば、電子データ交換 (EDI)、Single Euro Payments Area (SEPA)、Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunications (SWIFT)、および Health Insurance Portability and Accountability Act (HIPAA) などのデータ・フォーマット標準を含む) が関係するときの SOA ソリューションにさらに関与することができます。
WebSphere Integration Developer および IMS TM リソース・アダプター により、IMS 会話型トランザクションを呼び出す IBM®WebSphere Process Server での実行を目的としたアプリケーションをビルドすることができます。 サービス・コンポーネント・アーキテクチャー (SCA) をベースとしたアプリケーションでは、実行時に IMS Connect を介して IMS 会話型トランザクションへの接続および呼び出しを行うことができます。 新規のクライアント管理会話状態プログラミング・モデルを使用すると、IMS 会話型アプリケーションはビジネス・プロセス・コレオグラフィーに参加することができます。
この機能強化により、クライアント・アプリケーションから IMS TM リソース・アダプターの対話を再サブミットすることなく、システムの保守時に IMS Connect をリサイクルすることができます。
要求が受信されたときに、IMS Connect がリサイクル中であるためにちょうど失効した接続を使用すると、IMS TM リソース・アダプターは例外をスローします。 次の要求が受信されたときに、同じ接続の使用を試行すると、IMS TM リソース・アダプターは IMS Connect が稼働しているかどうかをチェックします。IMS Connect が稼働している場合、IMS TM リソース・アダプターは、 対話要求を実行する前に再接続します。IMS TM リソース・アダプターは、IMS Connect が稼働中であることを確認してからソケットを再接続するため、ユーザーが手動でソケット接続を管理したり、対話を 再サブミットしたりする必要はありません。
この転送機能では、 配信されなかった出力メッセージを、指定した宛先に転送できます。 以前は、転送機能サポートが共有可能永続的ソケット上のコミット・モード 0 (CM0)、SYNC_SEND_RECEIVE の対話に制限されていました。 この機能強化により、共有可能永続的ソケット上の CM0、SYNC_SEND 対話で転送機能がサポートされるようになりました。
Java アプリケーションでは IMS TM リソース・アダプターを使用して、 RACF パスワードを変更できます。パスワードを変更するには、HWSPWCH コマンドを発行します。
Java アプリケーションでは IMS TM リソース・アダプターを使用して、 PING 要求を IMS Connect に送信できます。 PING 要求を送信するには、PING IMS_CONNECT コマンドを発行します。
コミット・モード 0 の対話での IMS アプリケーションにおける複数の PURG 呼び出しは、無視して、コミット・モード 1 対話として処理することができます。 コミット・モード 0 の SYNC_SEND_RECEIVE 対話では、IMSInteractionSpec オブジェクトの ignorePURGCall プロパティーを TRUE に設定することで、複数の出力メッセージを、複数のセグメントからなる単一のメッセージ として戻させることができます。 この機能により、コミット・モード 1 アプリケーションのコミット・モード 0 へのマイグレーションが簡素化されます。