IBM® WebSphere® JAX-RPC ランタイム環境は、
デフォルトの Web サービス・ランタイム環境です。WebSphere ランタイム環境は、
実動使用の場合に推奨されるランタイム環境です。
概説
WebSphere Application Server は、Java™ Web サービス標準を
使用します。これは、Java Community Process (JCP) に基づいて、Java 用に開発されました。この
標準とは、Java API
for XML-based RPC (JAX-RPC または JSR 101 とも呼ばれます) と、Web Services for
Java EE (JSR 109 および JSR 921) です。JAX-RPC は、Java で WSDL ベースの Web サービスを使用するためのプログラミング・モデルと
バインディングをカバーします。Web Services for Java EE は、Java EE 環境における JAX-RPC の使用、および Java EE サーバーへの Web サービスの
実装とデプロイメントをカバーします。
開発の成果物によって、エンタープライズ Bean または Java Bean モジュールを
Web サービスにすることができます。エンタープライズ Bean または
Java Bean
モジュールから Web サービスを作成するには、開発時に、その JAR または WAR モジュールに次のファイルを
追加します。
- Web サービス記述言語 (WSDL) XML
- WSDL XML ファイルには、実装される Web サービスが記述されます。
- サービス・エンドポイント・インターフェース (SEI)
- SEI は、実装される Web サービス・ポート・タイプに
対応する Java インターフェースです。JAX-RPC が、WSDL 1.1 から Java への
言語マッピングを指定し、これを定義します。
- webservices.xml
- webservices.xml ファイルは、Web サービスの実装方法を指定する、Java EE (JSR 109) Web サービス・デプロイメント記述子です。これは、JSR 109 仕様のセクション 7.1 で定義されています。
- JAX-RPC マッピング・ファイル
- JAX-RPC マッピング・デプロイメント記述子は、Java 要素と WSDL 要素間で
マップする方法を指定します。これは、Web Services for Java EE 仕様のセクション 7.3 で定義されています。
- ibm-webservices-bnd.xmi および ibm-webservices-ext.xmi
- これらのファイルには、主にセキュアな Web サービスのための、WebSphere 固有の
デプロイメント情報が含まれています。
アセンブル時には、Java EE アプリケーション・クライアントが Web サービスに
アクセスできるように、アプリケーション・クライアントまたは Web モジュールに
次のファイルが追加されます。
- WSDL
- WSDL ファイルは、Web サービスのインプリメンターによって提供されます。
- Web サービス用の Java
インターフェース
- Java インターフェースは、Java
API for XML-based RPC (JAX-RPC) に指定されると、WSDL ファイルから生成されます。
これらのバインディングは、SEI (WSDL ポート・タイプに基づく)、またはサービス・インターフェース (WSDL サービスに基づく) です。
- webservicesclient.xml
- webservicesclient.xml ファイルは、J2EE 1.3 を使用して Web サービスが生成する、
クライアント・サイドのデプロイメント記述子です。ここには、アクセスされるサービスが
記述されます。これは、Web Services for Java EE 仕様のセクション 7.2 で定義されています。
J2EE 1.4 を使用して生成される Web サービスでは、webservicesclient.xml ファイルは
作成されず、代わりに、Java EE デプロイメント記述子 (web.xml ejb-jar.xml や
application-client.xml など) にクライアントの記述子情報が格納されます。
- ibm-webservicesclient-bnd.xmi および ibm-webservicesclient-ext.xmi
- これらのファイルには、WebSphere 製品に固有のデプロイメント情報 (セキュリティー情報など) が
含まれています。WebSphere デプロイメント記述子の詳細については、Web サービス・デプロイメント記述子の構成を参照してください。
- その他の JAX-RPC バインディング・ファイル
- Simple Object Access Protocol (SOAP) と WSDL を Java に
マップする際にクライアント・アプリケーションをサポートするその他の
JAX-RPC バインディング・ファイルは、WSDL2Java ツールによって WSDL から
生成されます。
注: webservicesclient.xml、ibm-webservicesclient-bnd.xmi、
および ibm-webservicesclient-ext.xmi は、コンテナー管理環境で Web サービス・クライアントを実行する場合にのみ
使用され、非管理環境で Web サービス・クライアントを実行する場合には使用されません。
したがって、セキュアな Web サービスには、
コンテナー管理環境で稼働する Web サービス・クライアントからしかアクセスできません。
それ以外の場合は、クライアントが必要なセキュリティー情報を入手できないためです。
制限
以下のリストは、Web サービスで IBM WebSphere ランタイム環境を使用する場合の制限です。