pureQuery Runtime の概要

IBM® InfoSphere® Optim™ pureQuery™ Runtime とは、 データにアクセスする新規および既存のアプリケーションの単純化、開発、保護、管理、および最適化に焦点を当てた、高性能のデータ・アクセス・プラットフォームです。 pureQuery Runtime によって、 データ・アクセス・アプリケーションの開発と保守を容易にし、 アプリケーションのセキュリティーとパフォーマンスを向上させることができます。 また、pureQuery Runtime は、開発者とアプリケーションを管理する DBA との間のコラボレーションを容易にします。

InfoSphere Optim pureQuery Runtime は、 開発者が新しいアプリケーションを素早くデプロイしたり、既存のアプリケーションに新しいフィーチャーを素早くデプロイしたりするために使用できる、アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API) を提供します。 また、pureQuery Runtime は、 コードを変更することなく既存の Java™ または C のデータベース・クライアント・アプリケーションのパフォーマンスを向上させる、ランタイム環境を提供します。

pureQuery Runtime によって、以下を行うことができます。
  • アプリケーションのパフォーマンスを向上させます。pureQuery Runtime は、SQL と JDBC のベスト・プラクティスの使用を容易にします。
  • アプリケーション・コードを変更することなく、既存の JDBC、DB2® ODBC/CLI、および Microsoft .NET アプリケーションを最適化します。
  • IBM Data Studio を使用して、Java データ・アクセス・アプリケーションを素早く作成します。
  • データ・アクセス・アプリケーションのセキュリティー、パフォーマンス、および管理の容易性を向上させます。
  • 開発者と DBA のコラボレーションを促進します。
  • 重要なクライアント・アプリケーション情報をデータベース管理者に提供して、 DBA がクライアントを見つけ、データベースとの相互作用を最適化できるようにします。

アプリケーションによって実行される SQL ステートメントの管理

pureQuery API を Java アプリケーションで使用することによって、 Java コードを簡単にし、DAO パターンを使用することができます。 また、pureQuery クライアント最適化を使用して、 アプリケーション・コードを変更することなく、アプリケーションによって発行された SQL ステートメントを制御できます。

次の図は、データ・アクセス・アプリケーションで、pureQuery API および pureQuery クライアント最適化を使用する方法を示しています。
図 1. データ・アクセス・アプリケーションで、pureQuery API および pureQuery クライアント最適化を使用する際のプロセス
pureQuery API および pureQuery クライアント最適化の使用方法を示す図。
pureQuery API および pureQuery クライアント最適化は、以下に示すように個別に使用することも一緒に使用することもできます。
  • pureQuery API で Java アプリケーションを開発する場合、 以下を行うことができます。
    • pureQuery API を使用して、SQL ステートメントの実行が動的であっても静的であっても、 データ・アクセス・オブジェクト (DAO) パターンでコードを開発します。
    • INSERT、UPDATE、および DELETE ステートメントのバッチ操作を効率的に実行します。
    • Web サーバー・ファイル (EAR、WAR、JAR、および ZIP ファイル) から SQL ステートメントを処理して、それらのステートメントを静的に実行できるようにします。
  • pureQuery クライアント最適化を使用して、アプリケーション・ソース・コードを変更することなく、 Java、ODBC/CLI、および .NET アプリケーションで発行された SQL ステートメントを取り込みます。 ステートメントを取り込んだ後、それらのステートメントの実行を管理できます。 例:
    • アプリケーションにより動的または静的に発行された SQL ステートメントを、DB2 データベースで実行します。
    • 以前に取り込んだステートメントだけを実行します。
    • 代替ステートメントを実行します。

アーキテクチャー

pureQuery Runtime は、 データベース・ドライバー・レベルで、アプリケーションによって発行された SQL ステートメントの実行を制御します。 pureQuery Runtime をデプロイする場合、 pureQuery Runtime プロパティーを設定して SQL ステートメントの実行を制御します。 InfoSphere Optim pureQuery Runtime を実稼働環境にインストールした後に、 pureQuery Java アプリケーションをデプロイできます。 また、DB2 ODBC/CLI アプリケーションや Microsoft .NET アプリケーションをデプロイすることもできます。 以下の図は、pureQuery Runtime によって使用可能となる簡単な 3 層の Web アプリケーション環境の Java アプリケーションを示しています。

図 2. pureQuery Runtime で使用可能となる 3 層の Java Web アプリケーションの例。
pureQuery によって使用可能となる 3 層の Web アプリケーション環境のアプリケーション

図は、オプションの SQL 管理リポジトリー・データベースを示しています。 リポジトリーには、pureQuery Runtime で使用される作成物が含まれています。 例えば、リポジトリーには pureQuery Runtime プロパティー設定を保管します。 図に示されているように、pureQuery Runtime はリポジトリーへのアクセス権限が必要です。 pureQuery Runtime は別個のデータ・ソースを使用してリポジトリー・データベースにアクセスできるので、 トランザクションのデータベース・パフォーマンスは影響を受けません。

pureQuery Runtime のコンポーネント

pureQuery Runtime は、アプリケーションのためのランタイム環境を提供します。 このランタイム環境を使用して、SQL ステートメントの実行を制御できます。 DB2 データベースに接続するアプリケーションでは、ステートメントを静的に実行できます。 DB2 データベースで SQL ステートメントを静的に実行することにより、アプリケーションのパフォーマンスおよびセキュリティーを向上できます。

Java アプリケーションでは、pureQuery Runtime コンポーネントは以下に示す Java ライブラリーのセットです。
  • pureQuery Runtime ライブラリーは、Java データベース・ドライバーと共に機能して、特別な処理機能を提供します。
  • pureQuery Runtime ライブラリーは、クライアント・アプリケーションが稼働する各サーバーにインストールされます。
  • pureQuery Runtime ライブラリーは、アプリケーション・サーバーにアクセス可能でなければなりません。
  • 構成設定は、データベース接続オブジェクトまたは構成ファイルに指定できます。

pureQuery Runtime インストール・プログラムは、 Java ライブラリーをインストールし、オプションでアプリケーション・サーバー環境を構成します。 pureQuery Runtime インストール・プログラムは、データ・サーバー JDBC ドライバーをインストールしません。 そのドライバーは、別個にインストールされます。 例えば、Data Studio は開発で使用するために JDBC ドライバーをインストールします。

.NET アプリケーションおよび DB2 ODBC/CLI アプリケーションの場合:
  • pureQuery 機能は、IBM Data Server のデータベース・ドライバーに取り込まれています。
  • 構成設定は、データベース接続オブジェクトまたは構成ファイルに指定できます。

pureQuery Runtime には、 API によってアプリケーションを開発するときや pureQuery クライアント最適化を使用するときに使用される、 Java ベースのユーティリティーも含まれます。 これらのユーティリティーは、pureQuery Runtime Java ライブラリーの一部です。


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